3巻1話|あらすじ

レンフレッドの弟子のアリスを庇い謎の少年に刺されたチセ

チセは生きていたが怒ったエリアスは化け物の姿に変貌し少年に襲いかかった

さっきまでニコニコしていた少年だったが

エリアスが「カルタフィルス」と言うと一変して表情を変える

そのとき駆けつけたレンフレッドが銃で頭部を打ち抜いた!

弾には肉体の再生を止める魔術を仕込んでいたため数分の足どめにはなったが直ぐに起き上がる!!

魔術師は魔法使いの領分には踏み入らないのが暗黙の了解だったはず・・・

その問いにカルタフィルスは

「キメラは魂を持たない器。ただの操り人形だけど、中身に妖精を使ったらとても便利なものが作れそうなんだもの♪」

妖精や悪魔の呪いは面倒だからとレンフッドを犬として使っていたと言う

と、後ろから女の化け物が出てきた

「・・・イザベル・・・」

カルタフィルスはイザベルを素材として造り出していた

涙するユリシィ(ブラックドック)に

「あれは貴方のイザベルじゃないよ」と優しくなだめる。

そしてカルタフィルスが、マシューに猫を殺すよう騙した奴だと気付く

「ああ!猫実験!良い実験だったよ、もう一度やったら別の実験になって面白んじゃないかって思うんだけど?♪」

その瞬間、チセは頭の血管がはち切れそうなぐらい怒りが湧いてくるのだった・・・

「この子は絶対に貴方には渡さない」

3巻2話|あらすじ

怒りに満ち溢れたチセは其処らじゅうから無条件で魔力を吸収し始める!!

「魔法と言うのは実はやろうと思えば何だってできるんだよ、でもねそれはしてはいけないことなんだ」

チセの頭の中でエリアスに聞いた言葉が蘇ってくる

少し落ち着いたチセすると何処からともなく「ブブブブブ」と音が聞こえ出す

チセは蜘蛛の天敵のベッコウバチを呼び寄せた

「ガキのくせに物知りだね。

でもそんな小ささじゃあ逆に食べられちゃうよ」と笑顔で忠告するカルタフィルス

指輪のおかげで魔力は押さえられているものの

チセの力の使い過ぎを心配したエリアスはチセを抑制し

ウォル・オー(墓や森に棲んで人を惑わす妖精)の呪文でテレポートし一時退散できた

さっきの興奮で息が荒れるチセ

一旦落ち着いたところでカルタフィルスの正体を聞いた

カルタフィルスあるいはヨセフ

魔術師の間では【彷徨えるユダヤ人】と呼ばれている

はるか昔、神の息子に死ねない呪いをかけられたと言われている男で

目的もはっきりせずただひたすら自分の興味だけで動く怪物だそうだ

ドサッ

チセが倒れ込む

ー体の血が溢れてパンクしそうー

するとウォルオーが自分の大事な石炭を貸してくれた

ー要らないモノが抜けて行く気がするー

そしてウォルオーはユリシィに一喝する

「おめーのお役目は墓荒らしのケツを地獄の門まで追っかけ回すことだろーが!」

「いつまでも泣いてねーで役目を果たすカッコに戻れ!墓守犬!」

と魔法を振りかざし人間から犬の姿に戻る

ようやく目が覚めたブラックドックのユリシィはチセに《結び》を求める

「結び?」

簡単に言うと妖精側からの使い魔になるという申し入れ。

感覚・感情・力・時間さえも

つまりチセが死ねばユリシィも死ぬ

最初は躊躇したチセだが強い願いを受け入れた

「オレに続いて言葉を・・・」

契約を結び【ルツ(ヘブライ語で哀れみ深い友の意)】の名を与えた

犬の姿に戻ったルツは自らイザベルを殺め

「お前の元にいけなくてごめんな。時が終わるまで待っててくれ」と言った

状況が不利になり面倒だと感じたカルタフィルスは

あっさりと手をひき去って行った

そして新しく仲間になったルツと一緒に3人で家に帰るのだった

3巻3話|あらすじ

教会から帰ってきてもう三日も部屋から出て来ないエリアス

心配するチセにルツが

戦った時に変化したのが体に堪えたのかもしれないと。

そんな時シルキーがお小遣いをくれたので外に出かけたチセ

外に出るとアンジェリカさんがチセを気にかけて会いに来てくれていた

指輪の調子を見てもらうと問題なく機能しているよう

遠慮ばかりしているチセに

何でも一人でやろうとしないこと

血の気はとっても多いけど心臓が弱いから自分の体を労らなきゃね

と心配された

そしてまだ若いチセに学校に通う提案をしたが

学校に良いイメージがないのとエリアスたちがいるだけで充分だと話す

「それは依存じゃないのか?」

ダンッ!(壁を叩く音)

はっとしたチセはすぐに謝った

「私はずるい。捨てられても構わないと考えながらも

捨てられたくないとも思っている」

「あんまりいい子でいるんじゃないよ」と頭をなでてくれたアンジェリカさんと別れ家に帰る

まだ部屋から出て来ないエリアスを心配して部屋に入ると

部屋の中は真っ暗で奥に進むと扉が閉まった

そして人間じゃない体のエリアスがチセの上に覆い被さる

「チセごめん。体が抑えられなくて。怖いかもしれないけどできればこのままでいさせて」

人間じゃない身体、手足、顔、首・・・

怖くないのは多分私が呪われているからだ・・・

チセは夢を見た

女の人が「貴方なんか生まなきゃ良かった」と泣きながら言っている夢を

3巻4話|あらすじ

夢か・・・

悪夢を見てすごい汗をかいている

周りを見渡してもエリアスはいない

机には手紙が置いてあり

【夜には帰ります】

外に出て探すがどこにもいない

サイモンのところにも訪ねたがいなかった

そんなチセを見てルツは

「チセはエリアスを愛しているんだな」

「好きか嫌いか訊かれると好きだけど、でも・・・」

と否定しようとするチセ

「簡単にそう思えたら良いんだけどね」

歩いていると庭に綺麗な薔薇が咲いていて思わず立ち止まる

庭にはおじいさんがいて声をかけてくれた

後ろにはリャナン・シー

男の血と引き換えに才能を与える吸血鬼だとルツが説明してくれた

吸血鬼の好みは若い男のはず

なぜしわしわのじいさんに憑いているのか?

おじいさんにお茶に誘われ

ルツが一人で探しにいってくれるというので

チセだけお邪魔することになった

おじいさんはずっと独り身だそうで話し相手ができてウキウキしていた

いつの間にはおじいさんは居眠りをしていて

吸血鬼も寄り添うように眠っていた

目が覚めたリャナンシーになぜ彼に憑いているのかを聞いた

話を聞いているとリャナンシーは恋をしていると思った

チセはそれを伝えようとしたが

リャナンシーはチセの口を塞ぎ

「あたしたちの人間の愛し方は食べて与えること

だからあたしはアレを愛してはいない」

また来ますと言ってチセはエリアスを探しにでた

するとルツの声が聞こえる

「チセあいつを見つけた」

言われた方に向かう

ルツの目線の先には、顔だけだし水に浸かっているエリアスがいた

心配し駆け寄るチセ

「貴方は何も話してくれないんですね」

切ない悲しい表情でエリアスに話しかける

何も考えていない訳じゃないし

何も知らずにいられるほど私は貴方に興味ないわけじゃない!

エリアスは

教会で衝動的に体を変化させたのが原因でバランスが崩れ

そのためにここで調整をしていたらしい

チセはエリアスの話は嘘と本当が入り交じっていると思った

今はごまかされるのが怖い

「ちょっとだけ整理する時間が欲しい」というエリアスに少し拗ねるチセ

そのとき、ボスン!!

妖精が落ちてきた!

白花の歌の使い魔?

「リンデル様から伝言なのですよ♪」

「養い子に用件あり♪至急来ラレタシ♪」

上を見るとドラゴンが迎えに来ていた

3巻5話|あらすじ

大丈夫?

そう言って付いたのは北極点、チセはドラゴンの背に乗って空を翔けていた

リンデルを見つけ着陸するドラゴン

リンデルはトナカイが引くソリで街に出かけていたそうで

そこからは一緒にドラゴンの国へと向かうことにする

そもそもココに来る事になったのはリンデルの使者がチセの元を訪れ魔法を使うのが不得手なチセに早く杖を作るように言った為だった

しかもチセ一人で来るようにと言う事だった

孫と遊ぶのにお前は邪魔と言うリンデルの計らいらしいが無視するとうるさそうだからと今回は一人で行くことになったのだ

迎えに来たのは以前一緒に遊んだ事がある雛ドラゴンだった

少し見ないうちに信じされないくらい大きくなっていてチセとルツそして使いまを乗せ飛べるほどだった

そうしてやっとの思いでドラゴンの国へとたどり着くのだった

以前チセが看取ったドラゴンの樹は立派に成長していた。

己の杖は己でなそう言ってリンデルにナタを手渡される

一方一人取り残されたエリアス

普段からそれほど騒がしくないチセだが彼女が以内だけでなんだか静かで寂しさを感じていた

そんな時に使いの鳥が訪れる

学院管理局のアドルフ・ストラウドそう名乗った女はチセの事を深くお話させていただきたいと言ってくるのだった

チセとリンデルは杖の素材集めがひと段落し夕食を食べていた

するとリンデルが話始める・・・

今回、チセを一人で読んだのは少し心配したからだということ

エリアスはチセを飼い慣らしたいと考えておりチセもまたそれを良しと思っている事がリンデルには気がかりだった

何故それを嫌がらないのか尋ねられたチセ

今度は彼女が話始める

昔母親に産まなければ良かったと言われた事

母も父も弟も私から逃げていったことを・・・

そんな私にエリアスだけが手元に置いてくれた

だから私はあの人にとって都合の良い人間でいたいのだと

夜も更けてきて今夜はもう寝る事にした二人

リンデルが寝物語に面白い話をしてやると言う

先ほどの問いの答えでもある自分たちの過去の話だ

リンデル達は蒸気や石油すらない太古の時代より存在しており自分たちは只人ではないと悟る者だった

それは妖を見る力や只の人には行えぬ奇跡を成せるからであった

その方法は自分より昔に生きていた同法に教えて貰いそれが積み重なって次第に魔法と呼ばれるようになったと

自分たちが何故に長命で何か果たすべき使命があるのでは?

みんながそう考えそれを探すために何人も伏していったのだそうだ

リンデルはそんな考えと馬が合わず一人遊牧の旅をしていた

雪が柔らかく南に狼が少ない冬の年に狼の代わりにチセの良く知るあれが現れたのだ

そう言って語るリンデルは少し意地悪そうな顔をしていた

「あれは、夜が2本足で歩くがごとくやってきた・・・」