パーフェクトクライム5巻

Perfect Crime(パーフェクトクライム)5巻のネタバレ感想です!

前回、冬木と香織を別れさせることに成功した東雲。
東雲は香織への想いを隠したまま、横暴で下劣な男を演じることを決意します。

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5巻|ネタバレ

一夜を共にした翌土曜日。

インテリアフェアを見て回る香織と東雲の2人。
束の間のデート気分。

しかしその日、香織たちは冬木部長が妻・沙織と仲睦まじく歩いているのを見かけてしまいます。

(いくら別れたとはいえ、不倫相手とその妻の仲睦まじい姿なんて見たくないよな。)
(正直俺だって気持ちのいいものじゃない。)

東雲は震える香織の手を引きその場を去ろうとします。

その時、強引にひっぱられたせいで香織のヒールが折れてしまいました。

東雲は謝り近くの靴屋に入ろうとします。

しかし香織は東雲の優しさを拒否。

「もう・・・そんな嘘の優しさなんかいらない!」

「私見たんだから。昨日あなたがあの人といたところ。」

香織は東雲と沙織が一緒にいる所を見ていたのでした。

誤解だと言ってしまいたい気持ちを押し殺す東雲。

今の東雲にはそんなこと言える立場ではないからです。

「冬木部長の奥様とあなた、私には2人が愛し合ってるように見えたわ。」

香織は、東雲が沙織を抱きしめているのも見ていたのです。

「あなたは彼女のために私に近づいたんでしょう?」

香織に仕掛けた罠はあっけなく崩壊。

東雲は、沙織を愛していた事、しかし沙織は冬木を選んだこと、彼女を取り戻すことができないなら冬木と香織を引き剥がし、沙織を幸せにしてやりたいと思ったことを打ち明けます。

「だから言ったろ?俺とお前の間には間の恋だのなんてないって。」

香織はショックを受け「もう二度と関わらないで」と言い東雲の前から去っていきます。

香織を追いかけたところで今の東雲の言葉なんて何も聞いてくれないでしょう。

あんなにも傷つけて、何度も突き放した自分を信じてくれるはずがないと東雲は思ったのです。

その時、後ろから千夏が現れます。

「自業自得ですね。今日はお2人のことずっと見てましたよ。」

沙織に東雲の携帯番号を教えたのは千夏でした。

千夏は冬木部長といとこ同士だったのです。

「沙織さんとは表向きはとっても仲良しだけど、私はあの人も大嫌い。拓馬くんに愛されてるのにあなたと不倫なんてしてるんだから。」

一方、小野と初めて組んだ和食処の案件は順調に進んでいる香織ですが、ずっと気持ちが晴れません。

東雲の名前を聞いただけ反応してしまう自分がいるのです。

(東雲さんは私を憎んでる)
(私を憎む分だけ沙織さんを愛している)

香織の気持ちは小野に見透かされていました。

「そんなに東雲が好き?」

香織は隠さず肯定します。

それでも小野は香織のことを諦めませんでした。

「俺やっぱり前島さんが好きだよ。飲み友達的な感じで俺と馴染んでくれない?」

そうして小野とは飲みに出かけるようになります。

小野は気さくで会話も面白く、なにより気楽で、東雲とは全く違うタイプでした。

そんな小野から今年のコンペについて聞かれます。

「今年のコンペ前島さんも出品するんでしょ?」

香織は迷っていました。

おばあちゃんの為に作ったロッキングチェアを超える作品なんて多分作れないからです。

香織が何故デザイナーの道よりも、プランナーを選んだのか。

その理由はまさにその部分にありました。

年一回のデザインコンペで社内でのデザイナーの評価が決まる。
でも競争だけのデザインでは本当に良いモノは作れません。

自分の為ではなく、誰かの為に。

香織はその方が頑張れるのです。

「そういえば、東雲が前島さんに近づいたきっかけって多分あのコンペの結果が大きかったんじゃないかな・・・。」

香織は東雲もロッキンチェアを出品していたのを知りませんでした。

なので当然、東雲のデザインしたロッキングチェアが香織に負け優秀賞止まりだったことも知りません。

「あいつ前島さんのロッキングチェアに尋常じゃないくらい執着してるっぽかったからさ。なんとなくあれがキッカケかなって・・・。」

「東雲との間に何があったかはもう聞かないけどさ、あんな奴も部長も忘れて新しい恋でもした方がいいよ。」

しかしこれだけ小野から知らなかった事実を聞かされても、東雲の優しさが全て演技だったなんて香織は信じられませんでした。

(ロッキングチェアの話を聞いて言ってくれた言葉、嬉しかったのに。)
(あれも全部本当に嘘だったのかな。)

翌日、香織は冬木に呼び出されます。

呼び出された先は、今まで密会していた場所とは違う会議室。
本当に終わったのだと実感します。

「俺の言った意味解った?」

冬木は香織が幸せになれるならいつでも手離す覚悟はしていました。

「小野ならきっと香織を幸せにしてくれると思う。あいつはいい奴だよ。」

冬木は小野をすすめ、東雲はやめるように忠告します。

「東雲は今も俺の妻を愛してる男だ。そんな男に香織を渡したくないしもう香織が苦しむ姿も見たくないよ。」

香織には解りませんでした。

東雲と沙織がそういう関係だと知りながら、なぜ冬木は離婚しなかったのか。

冬木は香織の質問に正直に答えます。

「それでも俺は妻を愛しているからだよ。」

「けれど君の事も愛していた。」

冬木の言葉を聞いて、やっと本当の意味で彼との7年間が終わりを迎えられそうだと感じる香織。

7年間も彼だけを愛してきたのに、不思議と涙もでませんでした。

それはやはり東雲の影響です。

香織の心の中を埋め尽くしているのは、冬木を失った悲しみよりも東雲に愛されていなかったということなのです。

香織がデスクに戻ると、千夏と礼子が睨み合っていました。

礼子に理由を聞いても教えてくれません。

千夏に聞くと「チーフが全部悪いんですからね」と敵意を向けられます。

「ホントにチーフって鈍感ですね。宇佐美さんと東雲さんやけに現場視察が多いと思いませんか?」

千夏は礼子と東雲の仲を疑っていました。

確かにここ最近2人は直帰できるタイミングで現場視察に出る事が多い。

礼子は綺麗で賢いし、東雲が心変わりしたとしてもおかしくありません。

自分から拒否したのに、2人がそういう関係になっていたらと思うと、胸が痛い香織。

(全てを失った私に残るのは仕事だけ)
(それが私が一番望んでいた幸せだったはずなのに、心が空しくて寂しいのは何故だろう)

偶然、資料室で2人きりになった東雲と香織。

香織は自分の気持ちを押し殺し、「礼子を傷つけるようなことはしないで」忠告します。

「東雲さんが沙織さんより礼子を選んだのなら私がとやかく言えた義理はないですけど!」

東雲は不愉快そうな顔をして「宇佐美さんの事はご心配なく」と言い資料室を出ていきます。

床に座り込み涙を浮かべる香織。

(私が愛すべき人はきっと彼じゃない)

頭では理解出来ていても、気持ちは今でもグラグラ揺れているのです。

そんな中、礼子から「近いうちに話したいことがあるから時間を作って欲しい」と頼まれます。

何度か誘われる香織ですが、聞くのが怖く何かしら理由をつけて逃げていました。

その日、香織は小野と飲んでいました。

少し飲みすぎて千鳥足の香織を支え店を出る小野。

その場面を東雲に見られてしまいました。

辛そうにしている香織を見た小野は、つい香織を抱きしめます。

「なんで前島さんは苦しい恋ばかりするんだよ。なんで俺じゃダメなんだよ。」

あの夜から小野と2人きりになることはありません。

香織には小野が全てを解って距離を置いてくれているような気がしていました。

そしてついに2人が手掛けていた和食処の完成が近づいてきます。

今日の搬入が終わればほぼ完成。

しかし予定のテーブルと違う物が届いてしまいます。

香織が千夏に頼んだ発注書と、千夏がファックスした発注書が違っていたのです。

千夏が故意にやったことなのか?
それともたまたまミスをしただけなのか?

どちらにしてもチーフである香織の責任です。

「敵意じゃなきゃいいけど・・・」と小野は険しい顔をして言って・・・!?

⇒6巻へ続く

感想

今回、沙織に東雲の携帯番号を教えたのは千夏だったことが分かりました。

千夏が今後の重要人物になるのは間違いなさそうです。

だけど狙いがさっぱり読めず、一体何が目的なのでしょうか。

それにしても冬木部長はずるいですね。

どちらも不倫してたからこそ成り立つのかな?

お互い愛し合っている冬木と沙織が、不倫する意味が私には解りません。

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