嘘解きレトリック10巻

嘘解きレトリック10巻(最終回)の結末ネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。

※漫画を無料で読む方法は、下の記事で説明しているので参考にしてくださいね♪

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前回の9巻では史郎さんの正体が明らかになり、前編まるごと史郎さんの人生に迫る巻となりました。
鹿乃子が攫われたことで左右馬先生の気持ちも分かって、心が満たされた巻でもありました♪

いよいよ事件も恋もクライマックス!

ここからは最終巻のネタバレです!

46話

嘘をつく人の事情も心も、人を思って傷ついたり人の事を思って喜んだりする自分の心の動きを、見なかったことに気づく史郎。

(僕が見なかったもの考えなかったものは、僕自身だったのか)

橋から落ちかけた史郎の手を取る先生。

史郎は「僕の招いた結果だから」と助ける必要はないと話すのですが、そうもいきません。

「それで僕たちがなんとも思わないと?」

史郎は先生の手をとり助けてもらいます。

「傷付けまいと助けてくれた2人の心を痛めたくないと思いました。それは僕の答えなんでしょうか。」

それがわかるのは史郎自身だけです。

実は先生は先回りをして2人を待ち伏せていました。

2人が現れた時、すぐにでも鹿乃子を取り返したかったのですが、史郎の目的が分からないとまた同じ事が起きるかもしれないので、全てを聞いていたのです。

「まだ武上に聞きたい事がありますか?」

史郎の答えは「いいえ」でした。

空っぽだったはずの史郎の心が鹿乃子の言葉で確かに動きました。

「僕の本当はここにはなかったけれど、探す場所は見つかりました。」

「見ずにいたものを見つめなおして生きなおしてみたい。逃げるでも死ぬでもなく新しい道を。」

それが史郎の答えでした。

先生は、史郎が警察に行く前に雅の元へ連れて行きます。

ここには当時の取材資料もあるので、史郎が見なかったものを見つめ直す手掛かりになるかもしれないと先生は思ったのです。

「人の心を思って自分の心を動かすことが、嘘を聞くには必要だったのかもしれません。」

もちろん確かなことではないし、志郎がそうでも鹿乃子と同じとは限りませんが、2人を見ているとそんな気がしたのでした。

「あなたたちに出会えて本当に良かった。」

安心して気が抜けた先生は一気にヨレヨレに。

心配した鹿乃子はお水を買いに行こうとするのですが、先生に引き止められます。

「ダメ。ちゃんと僕と一緒に居て下さい。」

鹿乃子は隣に座りながらずっと一緒に居たいと改めて感じます。

「先生は私を一緒に居させてくれる理由は、私と同じだって言ってましたけど、たぶん違うと思います。私が先生と一緒にいたいのは先生や色んな人のお役に立ちたいからだけど、一番はこうして隣に居られるのが幸せだからです。」

「なんだ、じゃあやっぱり同じ理由じゃないですか。」

心がいっぱいになり、カレーライスの美味しさも、雪降る夜の冷たさも分からなくなるのでした。

47話

昭和初年、九十九夜町。

クリスマスをお祝いしたことがないという鹿乃子の為に、女将さんとたろちゃんの提案でサプライズパーティーをすることに。

みんなで計画を立てるのですが、先生は”サプライズ”に乗り気ではありません。

(みんなの気持ちはわかるけど鹿乃子くんには、嘘つくと分かっちゃうんだよなぁ)

その頃、先生がいないことに気づいた鹿乃子はくら田へ。

「お茶だけ飲んですぐ出て行った」と話す女将たちの嘘に気づき、モヤモヤと悩む鹿乃子。

(いや、女将さんたちはそんなことする人たちじゃない)
(でも先生の居場所を知ってるのに隠すってどうして!?)

その頃、先生はたろちゃんと一緒にツリーの飾りつけをしていました。

夜、不安を感じる鹿乃子は先生に相談をします。

先生は「そんなの皆そうだと思うけど」と言ってくれました。

みんな嘘が聞こえなくても秘密を知ったり勝手に嘘じゃないかと疑ったりして不安になったりするものです。

「もし君に嘘を聞く力がなくてもきっと今と同じように悩んでるよ。」

その夜、2人はくら田へご飯を食べに行きます。

先生が落としたツリーの飾りに気づいた鹿乃子が聞くと、先生はあえてみんなの居る前でサプライズの計画を喋ります。

周りの皆は先生を責めるのですが、鹿乃子だけは先生の優しさに気づいていました。

(先生わざとみんなの前でバラしたんだ)
(私に嘘をつかないために、そして私に嘘をつかせないために)

鹿乃子は先生に抱きつき庇います。

「先生を責めないで下さい。先生は私がいくら頑張っても返せない程たくさんのものをくれました。」

翌日行われたクリスマス会。

ツリーの木には2人の願いが書かれた短冊が隣同士で吊るされてあるのでした。

48話

左右馬は生来怠け者。

幸い目端が利いたので面倒を避け遠回りを避け近道早道で生きてきました。

しかし面倒の無い道を選んで歩いたつもりが、気づけば余計面倒に。

目端が利きすぎて疑われてしまうのです。

「ただの親切のつもりでもただより怖い物はない」と学んだ左右馬は、学生になると人助けには必ず報酬をもらっていました。

裏があると思われるなら先に裏を作っておけばいいのです。

そうすれば裏がない時は表もないと思って貰えて一石二鳥、いやお金や食べ物も貰えて一石三鳥です。

これが左右馬の見つけた処世術でした。

ある日、端崎馨が学校の階段の床に這いつくばっているのを目撃してしまいます。

スルーして通り過ぎようとするのですが、捕まってしまいます。

端崎は単純真面目でバカ正直で報酬なしの親切を疑わない人間でしょう。

左右馬は「さくら屋のコロッケ3つ」で端崎の話を聞くことに。

今日の昼休み、端崎は小さな鍵が落ちているのを見つけました。

拾おうとした時、廊下の浮いた板に躓いて転び、体勢を立て直した時には、あったはずの鍵が無くなっていたのです。

左右馬は端崎の話を一瞬でも疑いませんでした。

「お前を疑うのは時間と労力の無駄だ。」

端崎の話を聞いて推測し見事に鍵を見つけ出すことができます。

そんな中、テストで左右馬が予想した問題ばかりが提出されます。

あまりにも当たりすぎていた為、教えてもらった友達は左右馬のことを疑うように。

問題を盗み見たんじゃないか、と。

その噂は先生の耳にも入り、左右馬は職員室へ呼び出されてしまいます。

49話

何の証拠もなしに疑いを晴らすのは難しく、それはつまり何の証拠もなしに人が人を信じるのは難しいということ。

(うまくいかないもんだなぁ)

しかし端崎だけは一切疑うことなく信じてくれます。

「友人を信じるのに証拠などいらぬと言ったのは貴様ではないか。」

簡単なこと程難しいこの世の中。

そんな中、2人は街で酔っ払いに絡まれている女性を目撃します。

迷いなくすぐさま女性を助けに行く端崎。

酔っ払いは女性をスリ扱いするのですが、左右馬の推理で勘違いだったと分かりました。

恥をかかされた男たちは言いがかりをつけ左右馬たちをボコボコにします。

腑に落ちない端崎に左右馬は「そんなに人助けがしたいなら警察官にでもなればいい」と話します。

それはほんの思いつきでしたが、その後の端崎の人生を大きく変えた言葉でした。

「では私が警察官なら貴様は探偵だな。」

困っている人の方から報酬を持って依頼に来る。
目端が利くのが利点となる。

(一石何鳥だ?)

そうして思いつきで始めたような探偵稼業。

思った通り何がしか理由があると人は納得するようで、疑いの目を向けられることは無くなります。

ですが思ったよりも仕事がなく儲からず。

それはそれで怠け者の性には合っていて、報酬やツケでのらりくらり、風の吹くまま気の向くままに1人のんびりと生きて行けるはずでした。

思いもよらない力を持つ鹿乃子と出会い、面倒を避け暮らしていきたいはずなのに、人と関わりたがって傷ついたり御託を並べたり。

面倒なことに出会って、面倒くさく考えて。

裏も表も通用しない曲がりくねった遠回りのはずなのに、気が付けば一番わかり合っていました。

(全くこの世は面白い)

最終話

お使いの帰り道、奇術師の一座が目に入る鹿乃子と先生。

歌やマジックなどを楽しみ帰ろうとすると、鹿乃子の耳にウソが聞こえてきます。

放っておけずさりげなく助けるのですが、その女性は鹿乃子の村の友人・君ちゃんでした。

君ちゃんは鹿乃子が嘘を聞く力でたくさん傷付けてしまった人。

鹿乃子は偶然とは言え関わってしまったことを謝りお別れをするのですが、先生の見解によると君ちゃんはどうも鹿乃子に会いに来たようなのです。

鹿乃子は追いかけて君ちゃんの話を聞きます。

「私の力でいっぱい傷つけてごめんね。でも今なら君ちゃんの力になれるかもしれない。」

君ちゃんには本当か嘘か確かめたいことがありました。

結婚相手が本当に自分と添い遂げるかどうかを知りたいのです。

「今はすごくいい人で大切に思ってくれていてもずっと変わらないかは分からないから」と君ちゃんは言うのですが、鹿乃子の力は嘘だと思っている事が分かるだけで事実かどうかは分かりません。

それにもし全てがわかる方法があって先のことを全部知ったら、今はどうでもよくなってしまい何も努力をしなくなるでしょう。

感じたり考えたりすることも、大切な人が今どんな気持ちなのかも、きっとどうでもよくなってしまいます。

「バカみたい。鹿乃子の力なんて全然人の心を読んでなんかないじゃない。村にいた頃もっとちゃんと話していれば、鹿乃子も周りのみんなももう少し嫌な思いしなくてすんだのかもね。ごめん。」

ずっと変わらないと思っていても変わることがあります。

確かなのは今の気持ちだけ。

帰り道、鹿乃子は自分の想いを伝えます。

「先生が好きです。大好きです。ずっとずっと好きです。」

「僕も鹿乃子くんが好きですよ。ずっとこれからも。こうしてたくさんの”今のホントウ”を繋げてずっと一緒に幸せでいましょう。」

この時の言葉はウソになることはありませんでした。

完結

感想

最終巻は先生の過去話しや、日常の中でお互いを助け合うような穏やかな話で心温まりました。

先生と鹿乃子の雰囲気が好きでもう見られないのだと思うと寂しいです。

2人の関係にビッグウェーブは無かったですが、じんわり温かい絆が確固たる感じになったので大満足です。

先生と馨の過去話しもすごく良くて、色んな事が繋がり納得しました。

面白かったので、ぜひ漫画の方も読んでみて下さいね♪

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