君は綺麗なアヒルの子5巻

君は綺麗なアヒルの子5巻(最終回)の結末ネタバレ感想と、漫画を全巻無料で読む方法を紹介しています。

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整形をバラすビラを大学内にばら撒かれ、大変な目にあった芹。
時を同じくして誘花は忽然と姿を消してしまいます。

最終巻で明かされる誘花の過去、そして17年前の真実とは!?
”顔”に翻弄された女たちの物語ついに完結です!

13話|真実

石田からビラの犯人は誘花だと明かされる芹。

理由は復讐であるということも。

芹はとても信じられませんでした。

あんなに仲良くしていた誘花に裏切られるなんて。

石田は混乱する芹に、17年前の真実を打ち明けます。

17年前、ある峠で事故がありました。

危険な運転をしていた車を避けて2家族の4人が死亡したのです。

加害者の車は逃げ、事件はスリップ事故として処理されました。

事故には一人だけ生き残りがいましたが、家族だけでなく顔も失い悲惨な人生を歩むことになったのです。

その生き残りは誘花、そして石田は被害者遺族でした。

事故の原因となった車を運転していたのが芹の家族です。

芹も事故現場にいたらしいのですが、全く何も思い出せません。

芹たち一家を見付けた時、正直石田と誘花は困惑しました。

芹たち一家を不幸にするのが目的だったのに、一家はすでに不幸な境遇に見えたからです。

特に芹は家族に虐待されいじめにも遭い、復讐する必要があるのかと感じさせる程でした。

しかし何もしないままでは誘花の気が済みませんでした。

そこで2人は考えました。

芹を一旦幸せにして、芹が持っていないもの「美貌、親友、楽しい学校生活、そして恋愛」全てを与えたのち全てを取り上げると。

幸せを知った後の不幸は、ただの不幸よりずっと辛いからです。

2人の計画は順調に進みました。

実際芹は今、親友の誘花を失い、誘花が姿を消したという事は柳木も失い、大学にも身の置き所がありません。

整形により保険金もほとんど残っていないはずです。

「保険・・・金・・・まさか・・・。」

「ああ、俺たちは君の両親を見殺しにした。」

2人は情報収集と復讐方法を考える為に何度か芹の故郷へ行っていました。

ある日、隣の家の火事に気付きながら通報もせず一部始終を見ていたのです。

家を失い途方に暮れる所が見られるかもしれないと思っていたのですが、いつまで経っても芹の両親は出て来ず・・・。

あとは芹も知っている通りでした。

「見殺しにしたのも同然だ」と石田は話します。

そして最後にもう一つ、芹に仕掛けた復讐が残っていました。

芹に施した整形は実は不完全なものだったのです。

わざと元の形に戻りやすい術式を採用しているため、この先芹の顔は徐々に崩れていくでしょう。

計画では芹の以前の姿を世間にバラした後、2人は行方をくらますつもりでした。

そうなれば芹は顔が崩れる恐怖に怯えながらメンテナンスに多くのお金と時間を費やす人生になります。

主治医を失った芹を整形の修正地獄に突き落とし、それで復讐の全てが完了でした。

しかし石田は芹と接するうちに、復讐すべき人間ではないと思うように。

だから全てを打ち明け、再手術をし、代金も全額返還して、償うつもりです。

「誘花に必要なのは復讐ではなく君のような友人だったのでは・・・と今では思っている。ムシのいい話だが・・・。」

色んな話を聞いた芹ですが、やはり誘花本人から聞かないと納得できません。

誘花が芹を恨んでいても芹はまだ・・・。

2人は一緒に誘花を探すことになります。

14話|再会

心当たりのある場所を訪ねる2人。

この先の不安はありますが、とりあえず芹は誘花を見付けることに集中することに。

しかしなかなか見つからず、日も暮れ始めます。

誘花の書置きを見せてもらった芹は、嫌なことが頭をよぎります。

「それなんだかまるで・・・遺・・・。」

2人は万が一の事を考えて、最期に誘花が行きそうな場所へ向かうことに。

誘花が最期に選びそうな場所は、家族との別れの場所である事故現場でした。

その頃、柳木はビラを見て芹が図書館で出会った女の子と同一人物だったことに気が付きます。

(駒井さん・・・俺何か酷い間違いを犯したんじゃ・・・)

事故現場に向かう際中、芹は”誘花に会ってどうしたいんだろう”と考えます。

きっともう前のようには戻れないでしょう。

(誘花と話した後はどうなるんだろう。再手術をするの?)
(その後は誘花とも先生とも縁を切る?)

(大学はどうする?好奇の目に耐えて通えるの?)

嫌なことばかりでもう何も考えたくありません。

だけど芹は逃げませんでした。

整形した時も、合宿でナミと話した時も、芹は変わりたいと強く思ったのだから。

(とにかく誘花早まらないで。お願いだから・・・)

芹の予想通り、誘花は事故現場で自殺をしようとしていました。

間一髪誘花を助ける事ができ、事故現場を見た芹は、事故について思い出します。

(そうだ。私は昔ここに来た事が・・・)

15話|対決

目の前の誘花はいつもの明るく優しい誘花ではなく、とても怖い表情をしていました。

(これが本当の誘花なんだ)
(そして誘花をこんな風にしたのは私たち家族・・・)

17年前、親戚の所に金の無心に行った帰りでした。

芹は同情を誘うための餌として連れて行かれ、珍しく遠出をして疲れた芹は後部座席で眠っていました。

そして気づいた時には、車の外は火の海だったのです。

とにかく怖くて怖くて父と母を捜したのですが、2人は車外に出ているようでした。

車のドアを開け両親の姿を見つけた芹は必死に叫びました。

「怖いよ!燃えちゃう!逃げないと危ないよ!早く逃げようよ!」

この時、まだ誘花たち家族には息がありました。

誘花は必死で声を振り絞り「助けて」と言うのですが、芹の両親は芹の叫び声で逃げてしまいます。

この時、誘花がどんな気持ちで聞いていたか。

誘花はだんだん弱っていく皆の声をただ聞いている事しかできませんでした。

そしてそのうち誰の声も聞こえなくなり、誘花は火に飲まれ3年後に目が覚めた時には家族も顔も失っていたのです。

そこからは悲惨な事しかありませんでした。

「私にはね、今もみんなの最期の声が聞こえるのよ。あんたが逃げようなんて言うから・・・!」

誰か一人でも助けようと言ってくれていたら命を取り留めた家族もいたかもしれません。

誘花の顔だって守れたはずです。

しかしその頃の芹はまだ幼く事態を把握していませんでした。

気付いた時には家に着いていて、親に聞いても「変な夢を見たな」とごまかされていたのです。

事故の話を知った芹は、その事実から逃げずに向かい合います。

「私は誘花に償いたい。自分がしてしまったことを。私にぶつけたい怒りがあれば教えて欲しい。恨みがあれば吐き出して欲しい。」

しかし誘花の方は芹と話すことなどないと突き放します。

誘花の願いはただ一つ。

芹が絶望して人生に希望が持てなくなる事でした。

「私が不幸になるのが誘花の幸せなんだね、それは理解・・・したよ。でもね誘花、それでスッキリして死んじゃうなんてそれは違うよ!」

誘花がここから身を投げたとしても、芹は生きていきます。

今絶望していてもいつか立ち直るかもしれません。

「それは悔しくないの?」

誘花は憎しみ余って芹の頬を叩きます。

「とにかくあんたの不幸が見れりゃいいの!私の事なんてどうでもいいでしょ!」

すると今度は芹が誘花の頬を叩きます。

「どうでもいいわけないでしょ!誘花の事をどうでもいいなんて思ってる人ここには一人もいない!」

それに誘花までいなくなってしまえば、残された石田はまた家族を失う悲しみを味わうことになってしまいます。

芹は自分が憎まれるのは当然だと思っていました。

だけど復讐の為に誘花や石田まで不幸になるのは、おかしいと思っていました。

「私に復讐したければ、貼り紙したり柳木くんに近づいたり、わざわざそんな事しなくても良かったのに。誘花が親友だと思ってくれてなかった、それだけで十分な復讐だよ。」

芹にとって誘花に裏切られることが何よりの悲しみでした。

誘花と過ごした時間は、周りに疎まれて孤独に生きてきた芹が初めて味わった楽しい時間だったのだから。

誘花も同じでした。

事故に遭ってみんなが誘花の顔を怖がりました。

親戚ですら。

しかし誘花には石田がいました。

「もしあんたを見付けた時に直接怒りをぶつけていたらどうなってたのかしら。」

「本当の誘花を見せてくれてたら私は絶対誘花の味方になった。私が両親の悪事を告発したっていい。私は誘花の事がとても大切だから。」

その後、誘花と石田は過去と向き合い、正々堂々とこれからを生きるために、芹の再手術をした後警察に自首しに行くことに。

芹の両親を見殺しにした事、医師として意図的に治療の手を抜いた事、芹への中傷ビラを撒いた事。

「何かしら法に触れているだろう。君を陥れた責任を取らせてくれ。」

芹も今後について決意したことがありました。

それは・・・。

16話|君は綺麗なアヒルの子

5年後、芹は今石田の元で心理カウンセラーとして働いています。

あの後色々考えた末、芹は大学に戻りました。

人の目は怖かったし、実際陰口はかなりのもので”整形”と直接言われる事もありました。

だけどそんな時は正直に「顔のコンプレックスが酷くて整形した」と答えるようにしました。

すると、ぽつりぽつりと整形の相談を受けるようになったのです。

芹は心理学科に転科します。

将来、整形を受ける人のメンタルサポートをしたいと考えたのです。

5年前のあの日、芹に再手術をし警察へ行くという申し出を芹は断る事ができませんでした。

2人の覚悟を踏みにじるような気がしたのです。

「2人が警察に行くなら、私も一緒に行きます!2人のしたことが裁かれるなら私の両親がした事も裁かれなくては。そして再手術は顔を作り直すのではなく、メンテナンスがいらない程度の顔に戻して欲しいんです。」

それで美しさが損なわれても芹はもう強く生きていけます。

そして石田には廃業せず、自分のように容姿に悩む人を救って欲しいと頼みます。

3人は揃って警察へ行くのですが、悪意を持って整形の術式を決めたと証明するのは難しく、中傷ビラは芹次第で訴える事も可能との事でしたがそれは断り、事故の件も含めて刑事的に立件に至る事はありませんでした。

石田は全てが一段落した後良心的な経営を始め、今までのクリニックを手放し古いビルに越してきました。

ゆうかはというと、自分の事を見つめ直したいと大学を退学し、自分のような子供達を救うため交通遺児の支援活動やチャリティ公演をするようになり、いつの間にか3人の中で一番多忙になっていました。

石田は公演の動画を見る度にとても嬉しそうな顔で笑っています。

そしてそんな石田を見ると芹はなぜか少しドキドキしてしまうのです。

(私は醜いアヒルの子)
(大人になってもアヒルのまま白鳥になる事はない)

(だけど今はアヒルなりに一生懸命生きている)
(いつか綺麗なアヒルになる日を目指して)

完結

感想

復讐ものの割りに後味が良く、全員に救いがあるラストだったので気持ちよく読み終わりました。

整形は容姿に悩む人を救ってくれる凄い技術だと思います。

だけどすればするほど幸せになれるというわけではないですね。

ドロドロでエグイ最後を期待していた人には物足りないかもしれませんが、私はハッピーエンドで良かったと思いました。

ネタバレでは書けていない部分もあるので、ぜひ漫画の方も読んでみて下さいね♪

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