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5話から8話｜ネタバレ
8年ぶりに目を覚ました、和田は陣馬が犯人だと教えられますが、信じられずにいました。
そんな彼と出会ったのは、大学2年の時、デザイン科と建築科で行う合同演習の時でした。
突拍子もないデザインをあげてくる陣馬に和田が真面目に突っ込む、という良いコンビで親友と呼べるほどにまで絆を深めました。
和田が落ち込んでいる時も”和田君は一度正しいと思ったことは最後までやり抜く人間だ”と勇気づけられ、救われたこともありました。
陣馬は屋上で話をするのも腰が抜かすほどの高所恐怖症で、そんな彼がデパートを上から飛び降りれるはずも無く、彼の人なりを考えても、テロを起こすとは考えられません。
自分だけは、彼を信じる、そう思ったものの現状、なんの手がかりも無く、手元にはあの日、陣馬と会っていた証拠となる彼に貸していた小説だけです。
本にはカラフルな花のイラストが描かれた栞が挟まれているのですが、ふとそれを見ると、記憶が蘇ってきます。
確かにあの日、陣馬とその栞について話をしたのですが、それ以上は思い出すことが出来ませんでした。
それでも、絶対に陣馬の無実を証明すると心に誓います。
あの日の事を話せるのは、場込さん以外にも思いつかず、また彼女も自分だけが戻らない記憶に寂しさを感じ、和田に依存している部分がありました。
和田はこれ以上、隠し続けるのはダメだと判断し、彼女に全てを伝えます。
「なんでもっと早く言ってくれなかったんですか」
そう言って彼女に怒られはしたものの、彼女はすんなりと陣馬が犯人では無いということを信じてたようで、何だかうれしく思います。
こうして、2人で真犯人探しをすることになるのですが、手がかりと言えば、陣馬が加入していた90のサークル以外に無く、とりあえず、全てのきっかけとなった、間皿駅へと行ってみます。
当時、この場所ではスイーツフェスが開催されていて、駅ビルの屋上から飛び降り自殺した、陣馬が持っていた毒物の入った瓶が割れ、7名もの死者を出した。
それに真犯人が居るとすると、誰かが屋上から陣馬を突き落としたこととなるのですが、簡単に屋上には入れず、手がかりは見つかりません。
次に2人が向かったのは、陣馬の実家でした。
壁一面に心無い落書きが書かれいて、すでに廃虚と化しています。
鍵が開いているので、中に入ってみると、陣馬の部屋からあの栞と同じ、カラフルな花が見つかりました。
その瞬間、和田の記憶の断片が戻ります。
「おお、そうそう、その花作ったんだよ。サークルで」
空想上の花だと思っていたソレは、実在するもので、それが品種改良によって作られたものだと判明します。
とは言え、陣馬が参加していたサークルは90もあり、8年も前の事ということもあって、なかなか次につながりません。
なので、2人は8年前も在籍していた可能性の高い、教師を当たってみることにします。
すると、その教師は花の事を詳しく知っていました。
プロジェクトサークルが手伝っていた、遊長ケイコという女性画家が作ったモノらしく、そこへ陣馬も出入りしていたといいます。
ですが、その画家は8年前のテロ事件の少し前に死んでいました。
それが、事件と関りがあるのかは分かりませんが、2人はその人物について調べてみることにします。
丁度、その頃、遊長ケイコと何かしら関りがあるとと思われる人物が記者の取材を受けていました。
テロ事件で使用された、毒物の研究の第一人者で、和田や馬込の主治医でもあります。
果たして、彼は事件に関わっているのでしょうか？
3巻に続く
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