ホタルの嫁入り全巻無料

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1巻1話ネタバレ

手紙を読み涙を流す老人が一人。

その手紙には
”女は家の財産であり交換や贈与の対象、結婚に意思など持ってはいけない”
”なのに私は自分の意思で愛してはいけない人を愛してしまいました”

”どんな終わり方を迎えても心から言えます、私はとても幸せでした”

と書かれてありました。

話は遡り、時は明治、名家の長女である紗都子は誰もが見惚れるほどの美貌を持ち合わせていましたが、心臓に病気を患っていていつまで生きられるか分からない状態でした。

その美貌から縁談話は途切れず、腹違いの妹・美和子は紗都子に嫉妬していました。

紗都子が生れてすぐ母が亡くなり父は再婚。

今では義母と父の間に生まれた美和子、そして紗都子を含めた4人で生活をしています。

結婚することが女の幸せだと言われる時代で、年頃の女性は皆必死に自分を磨き、いかにして家柄のいい男性との縁談を掴み取ろうかと奮闘する中で学校は1つの出会いの場でした。

美和子は学校にも行っていないのに、縁談に恵まれている紗都子が許せないのでしょう。

そして美和子以上に紗都子を毛嫌いしているのは義母でした。

紗都子が美和子の縁談を邪魔していると思っているのです。

この家で紗都子の味方は父だけ。

父は幼い頃から誰よりも紗都子の体を心配してくれました。

そして父の願いは紗都子が結婚をして幸せになること。たったそれだけ。

桐ケ谷家の家名と紗都子の美貌のおかげで縁談話は数多ありますが、紗都子は病気で手間のかかる女を娶ろうとする男性なんてきっと一人もいないと思っていました。

ある日、紗都子は買い物をするために護衛の康太郎と共に町に出掛けます。

康太郎と離れた一瞬の隙に、紗都子は見知らぬ者達に攫われてしまいます。

目隠しをされずいぶんと遠くまで連れてこられた紗都子。

目の前には血まみれの殺し屋が現れ「この女殺ってくれねぇか?」と指示を受けています。

殺される指定時間までに助かる方法を考える紗都子ですが、別の連中が規則を破り紗都子を犯そうとしてきました。

こんなところで貞操まで失ってしまえば、生きて帰れたとしても結婚の夢はほぼ叶わないでしょう。

父に恩返しをすることが生きる目標だった紗都子は”私は誰の心にも残らない”と涙を流します。

その時、女に手を出した奴は斬れと命令されていた殺し屋は、あっという間に男の足や腕を斬ってしまいます。

なんとかして生きる方法を考え、紗都子が咄嗟に思いついたのは”結婚”でした。

桐ケ谷家の実名を持つ紗都子は、自身に価値があると気付いたのです。

殺し屋に逆プロポーズをした紗都子ですが・・・?

1巻2話ネタバレ

「あなたに惚れてしまいました」

と助かりたい一心で殺し屋を説得し交渉する紗都子。

そうこうしている内に他の輩たちも集まってきてしまいました。

殺し屋は紗都子を連れ窓から飛び降ります。

しかしすぐに追っ手に追いつかれ逃げられない状況に。

殺し屋は結婚話に食いついていて、紗都子に契りの口づけを求めます。

結婚するまで貞操を守らないといけなかった紗都子ですが、次々と追ってを斬り殺していく狂気の殺し屋を見て恐怖を感じます。

殺し屋は血まみれの姿で紗都子に近づき「いいなぁ金持ちは気楽で。命がけの仕事なんてする必要ないもんな。先の未来に不安なんてないんだろうな」と言います。

その言葉を聞いた瞬間、紗都子の覚悟が決まります。

持っていたハンカチで血で汚れた殺し屋の口をさっと拭き口づけする紗都子。

「私に未来なんてない。心臓が悪くて先が長くないんです。毎日覚悟しながら生きています。」

その紗都子の行動に惚れた殺し屋は運命を感じ結婚を受け入れます。

「俺、ちょっと愛が重いけど幸せにするよ」と言い不気味に笑って・・・。

1巻3話ネタバレ

本気で結婚する気でいる殺し屋の考えていることが理解出来ない紗都子。

命じられただけの殺し屋に聞いても紗都子の命を狙っている人物は解らず、次の追ってから逃げる為にひとまずは男と一緒に行動を共にすることになります。

知らない土地でこの状況、頼りになるのはこの男だけ。

男の言う通り宿に身を隠すことになり、男がお風呂に入るというので一緒についていくはめに。

男の名前は後藤進平といい年は紗都子より二つ上でした。

助けてもらったお礼に背中を洗うことになるのですが、進平の背中はよく見ると斬り傷だらけ。

病気のことを打ち明けても進平は無神経で、ここまで気を遣われないのは初めてでした。

思えば家族や使用人以外で病気を明かした男性は進平が初めて。

紗都子は結婚の話が大きくなる前にどうにかしようと考えますが、進平は本気で結婚するつもりです。

もし結婚の話がなくなるなら「死のうかな」とまるで自分への愛情を確認するような言い方をしてきます。

不快に感じる紗都子ですが、今は進平が欲しがっている言葉を返さないと見放されたら終わりです。

紗都子は進平を利用する為、進平の喜ぶ言葉を返し利用します。

そして「死にたければどうぞご勝手に。その時はこの心臓、私に譲ってくださらない?」と言い放ちます。

1巻4話ネタバレ

予想通り追手は紗都子を諦めずしつこく命を狙ってきます。

しかし進平が追手をあっさりと殺し二人は宿を出て別の場所へ。

ついた場所は日本中の色町から買い取られた一流の遊女たちが色を売る島”天女島”でした。

遊女たは進平を見つけると店へと誘惑します。

進平も進平で紗都子に意地悪しついていこうとしています。

放置された紗都子は他の遊女にぶつかり尻もちをついてしまいます。

人前で尻もちをついたのも、笑われるのも初めての屈辱的な体験でした。

考えてみると紗都子は桐ケ谷家の外に一人で出たことがなく、この状態で進平に見捨てられたらと思うと急に怖くなってしまいます。

誰かに事情を話し助けてもらおうとしますが、誰も紗都子の話など聞いてくれませんでした。

常に誰かが守ってくれて、いつも誰かに頼っていた紗都子は己の無力さに悔しさを感じます。

しかしこんなところで立ち止まってなどいられません。

生き抜く力がないのなら今からつければいいと、得意の舞を踊ってみせます。

紗都子の美しさに周りは見惚れ踊り終わる頃には紗都子の取り合いになっていました。

そんな紗都子を進平は抱き寄せ人気のない場所へと連れていきます。

遊女たちの元へ行った進平に対し今後もこんなことばかりじゃ困ると思った紗都子は「別に助けて貰えるならあなたじゃなくていいんです」と強気の発言をします。

すると進平は必死になって謝り明らかに今までとは違う様子でしょんぼりしていました。

そして紗都子を喜ばせるためにホタルを見せます。

ホタルを見たのは初めてでまるで光に包まれているよう。

進平は紗都子の手を自分の心臓にあてて「この心臓はもう紗都子のものだよ」「好きだよ、ずっとオレのそばから離れないで」と気持ちを伝えます。

めちゃくちゃなことばかりするけど憎めない進平のことを、殺し屋じゃなければ仲良くなれたかもしれないと紗都子は感じます。

天女島は法律の埒外の場所でこの島から女が出る方法はたった一つ。

それは遊女になることでした。

進平は「遊女になってほしいんだ。紗都子に」と言って・・・。

1巻5話ネタバレ

紗都子が天女島にいる頃、護衛をしていた廉太郎は体罰を受けていました。

あの日、紗都子が買い物をしている間にお使いを済まそうと呉服屋を覗いたところ、呉服屋の店主が悪党どもに絡まれていました。

廉太郎がそいつらを相手にしている一瞬の間に紗都子は消えた。

偶然というにはあまりに計画的犯行の匂いを感じます。

康太郎はこの責任を重く感じ死ぬほどの苦痛を与えられる覚悟がありました。

ただ罰を受けるその前に、自らの手で必ず紗都子を連れ戻すつもりです。

一方、島から安全に脱出するには遊女になり裕福な客に身請けしてもらう以外方法がないと知った紗都子。

美人の紗都子なら会って話すだけで絶対に気に入られると進平は言います。

自分の置かれている状況がわかり吹っ切れた紗都子は、さっそく進平に遊女屋へ案内してもらうことに。

連れられた場所は他の店とは雰囲気が明らかに違うボロい遊女屋でした。

それもそのはず遊女屋「いせ吉」は飛び込みでも雇ってくれるような最下級の場所。

とても身請けができるほどの高い身分の男性が利用するとは思えませんが、進平を信じるしかありません。

なぜか誰も進平のことを怖がっておらず、むしろ慕われているようにも見えました。

着物に着替えさっそく紗都子は客の元へ。

相手の客は新渡戸栄進といい警視総監の息子ですが、問題があり島のほとんどの遊女屋に出禁をくらっている人物でした。

さらにその客には何度も会えるわけでなく今日一回きりの作戦。

こんな最下級の遊女屋に家柄のいい客なんて滅多に来ず、その男も気に入られなければ他の遊女に行ってしまうからです。

なんとしても気に入ってもらう覚悟で客のいる部屋へと入った紗都子。

どんな客かと思いきやとても真摯で初心なお客様で・・・?

2巻6話ネタバレ

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誠実な新渡戸を見てやはり出禁だなんて想像がつかない紗都子。

それに父が警視総監ならば本人もそれに関する仕事をされているはず。

紗都子は今の状況を説明すれば助けてくれるのでは?と思い、新渡戸に今の状況を打ち明けます。

進平の話の通りやはり島から出るには身請けされる以外方法はなさそう。

島で起きたことには警察組織も手出しをすることができないのです。

紗都子に一目惚れをした新渡戸は、紗都子にプロポーズをし身請けの話を持ち掛けてくれます。

相手は立派なお家柄、しかも病気を受け入れ守ってくれると言う新渡戸の話を断る理由がありません。

しかし紗都子は進平の存在が気になっていました。

自分を助けてくれた人を欺いたままでいいのかと。

悩む中、ふと上を見上げると天井の柱に進平がいて覗き見をしていました。

進平は紗都子のことが心配でこっそり見守っていたのです。

「紗都子を守る役は新渡戸じゃない。俺だから」と言われ胸が苦しくなる紗都子。

紗都子が新渡戸への返事に戸惑っている時、新渡戸に異変が現れます。

他の遊女が意地悪をして水と酒をすり替えたのです。

お酒を飲んでしまった新渡戸は豹変して紗都子を押し倒し・・・!?

2巻7話ネタバレ

昔から親に厳しく育てられ酒も女も知らないまま大人になった新渡戸。

その結果、欲望の発散のさせ方が分からずもう一つ別の人格が生れてしまったのです。

新渡戸は強引に紗都子の着物を脱がせるのですが、紗都子の体の中心にある大きな手術痕を見て「なんて醜い」と罵ります。

そして痕が見えないよう紗都子に後ろを向かせ侮辱します。

肩書さえよければ父を安心させられると思い、どんな人であれ結婚しようと思っていた紗都子。

しかし紗都子は新渡戸の身請け話を断ります。

なぜならこんな男との結婚を父はきっと望まないから。

新渡戸は逆上し紗都子の首を絞め殺そうとします。

その時、紗都子の危機を感じた進平が現れ新渡戸に刀を向けます。

進平が新渡戸を殺そうとした時、新渡戸は所持していた銃で進平を撃ちます。

紗都子の心配をよそに、進平は笑みを浮かべながら立ち上がります。

これは進平にとって愛する人にもっと好きになってもらえる機会なのです。

2巻8話ネタバレ

新渡戸が進平の気味悪さに気をとられている隙に、紗都子が銃を奪い、進平がボコボコに殴ります。

紗都子が必死になって止めたおかげで新渡戸は死なずにすみました。

過剰な進平の行動に「あなたが死んでしまったらどうするんですか」と心配する紗都子。

正気に戻った新渡戸は二人に深々と頭を下げて謝り、お詫びとして紗都子から桐ケ谷家に伝言を授かります。

「紗都子は今不可侵の島に囚われているけど必ず生きて帰ります」と。

新渡戸が去った後、進平は紗都子の傷口を心配します。

そして上半身の服を脱いで自分の傷跡を見せて「俺と比べたら紗都子の傷なんて気にならないよ」と微笑みます。

小さい頃からずっと隠してきた大きな手術跡。

なぜだか進平には自分をさらけ出してしまいたくなり「あなたよりずっと大きくて深い傷です。かっこいいでしょう」と紗都子は誇らしげに笑います。

その後、紗都子は咳きこみだし血を吐いて倒れてしまいます。

2巻9話ネタバレ

寝こんでいる間、幼い頃の悪夢にうなされる紗都子。

その頃の紗都子は今以上に体が弱く、一度体調を崩すと治ってもしばらく家から出してもらえませんでした。

このまま部屋で一人死んでいくのではと怖くなりました。

目覚めた紗都子に話を聞いた進平は急いで外にいきホタルを捕まえて部屋に持ってきます。

灯りを消してホタルを部屋に放ち「これで中も外も一緒だ」「どこにいたって俺が紗都子を自由にしてあげる」と笑います。

進平の気持ちはとても嬉しい紗都子。

だけどホタルの限られた命をこんな狭い場所ではなく望むところで輝かせてあげたいと部屋の窓を開けます。

そんな紗都子に進平は二人の将来を語ります。

毎年ホタルが現れる場所に家を建てて、紗都子の体調が家の中からでも見えるよう窓は大きくして、夏は川に一緒に潜って魚を獲って。

できるだけ紗都子といたいから仕事は減らすと話す進平。

自分から殺しをとったら何も残らないと思っていて殺しの仕事は一生続けるつもりです。

いつも紗都子中心の将来を考えてくれる進平に、紗都子は結婚の為だけに故郷を捨てて本当にいいのかと問います。

進平はこの島に思い入れなどなく、殺しの仕事を始めたのも曖昧な感じ。

父は知らず、遊女だった母も小さい頃に客に殺され、母を殺した男が進平の初めて斬った相手でした。

紗都子の表情を見て「可哀想って思ってる?」「だったら慰めてほしいなぁ」といつものようにふざけた態度でごまかしています。

そんな進平を見て「この島から逃げたいのはあなたでは?」と核心をつく紗都子。

ごまかしても現実は変わらない。逃げる方がまだ前向きだと思うのです。

「私と一緒にここを出て自由になりましょう」

嬉しそうな進平をみて嘘をついていることを心苦しく感じる紗都子。

紗都子は進平の傷口の包帯がとれかかっていることに気付き、巻きなおしてあげるのですが、こんなことしかできないことを歯がゆく感じていました。

怪我を負ってまで傍にいてくれるのに、なにかで役に立たなければただの手のかかるだけの存在だと。

そんな紗都子を進平は抱きしめ「こうしてそばにいてくれるだけで十分だよ」と言い病み上がりの紗都子を心配して抱き上げます。

なんだか変に意識をしてしまう紗都子。

進平に「今までの子の中で一番軽い」「軽いって言うとみんな喜ぶのに」と言われモヤモヤとした感情が生れます。

何処が好きかと聞いても「一番は俺を受け入れてくれたところ」と言う進平の言葉にさらにモヤモヤと感じる紗都子。

そして紗都子は、進平は私を好きなわけじゃなく、自分を受け入れてくれる相手であれば誰でもよかったということに気付きます。

紗都子は自分を棚にあげ進平を責めます。

進平はなにも悪いことをしていないのに、無性に腹が立って仕方ないのです。

紗都子はこの感情の理由がわからず、また進平も紗都子がどうして機嫌が悪いのかわかりませんでした。

2巻10話ネタバレ

体調もだいぶ回復したある日、進平から船に乗って安全に島から出られることになったと報告があります。

何日もかけてやっと船頭を買収することに成功したのです。

出られるのは10日後、それまでは追手に見つからないよう遊女屋に留まることになります。

進平が本当に好いてくれているものだと勘違いし、一瞬気持ちが揺らいでしまった紗都子ですが、ここを出て然るべき人と結婚するという目的を思い出し正気に戻ります。

殺し屋相手に何考えてるの
あの人とそういう関係になるなんてありえない

しかしその後も進平が遊女たちにチヤホヤされているのを見てイライライライラ。

紗都子はただで寝泊まりさせてもらう訳にはいかないと、掃除などの雑用係として働くことになります。

指南役についてくれた葵から、床に臥せった紗都子を心配し寝ずに進平が看病をしていたことを聞く紗都子。

進平はこの島の全遊女屋の用心棒で、厄介な客を懲らしめ遊女たちを守ってくれるので、進平に憧れを抱く遊女も少なくないのだそう。

各店の元締めや島の権力者たちからも一目置かれているようですが、誰も殺し屋ということは知らなさそうです。

葵がいうに進平はどこの遊女とも特別な間柄になったことのない人で、紗都子に熱心になっている進平を見て店の中は二人の噂で持ちきりでした。

初音、紫、早蕨はそんな紗都子のことをよく思っておらず、紗都子に嫌味を言い進平に近づくなと脅してきます。

特に店で二番目の売れっ子・紫は、進平が情夫だったため、進平が相手をしてくれなくなってからは荒れていました。

葵も嫌味を言われたりお客をとられたりここでの生活は楽ではないけど、あと少しで年季が明けたら好きな人と一緒になりたいから頑張れると話をしてくれます。

それは紗都子のしたい結婚とはまるで違いました。

紗都子は純粋に愛する人と一緒になる為の結婚をする葵のことを絶対に報われてほしいと応援します。

葵から進平は紫の情夫(愛人)だったと聞いた紗都子は、いじめにも気付かないほど頭の中は進平のことばかり。

面白くない紫は進平のいる部屋を訪ね進平に体で迫ります。

そのところを偶然にも見てしまった紗都子は・・・!?

3巻11話ネタバレ

二人を見た紗都子は無になり「失礼いたしました」と言ってスッと障子を閉めます。

紫はニヤリと笑い自ら着物を脱いで進平に迫りますが、進平は全く興味のない様子で紫の事をあしらいます。

さらに進平から「結婚する予定の子」だと聞き紫の怒りは頂点に。

一方、必死で無になろうとするもののイライラが収まらない紗都子。

そんな紗都子の様子を見た葵は「進平様に恋してるんじゃない?」と話します。

言われてみると他にも心当たりはあります。

しかし紗都子はその気持ちを否定し、葵に将来が決まっている人がいることを打ち明けます。

恋はきっと素敵なものだろうけど、紗都子にはそんなの必要ありませんでした。

まだ会ったこともないけれど、紗都子は父の為に時間も権利も大事な人の為に使い切ると決めているのです。

そして紗都子は感情が不安定な理由に気付きます。

男の人と初めてまともに話して好意を寄せてもらって浮かれていたのだと。

店が開く前、紗都子は葵に頼まれて物置にある薪を取りにいきます。

一人で外に出るのは危険だということで進平もついてきてくれましたが、紫とのあんな場面を見た後なのでなんだか気まずい紗都子。

思わず優しい進平の行動にドキッとしてしまう紗都子ですが、そんなこと絶対に許されないと気持ちを否定します。

薪を取り外に出ようとした時、外から鍵がかけられ二人は何者かに閉じ込められてしまいます。

3巻12話ネタバレ

随時更新

3巻13話ネタバレ

騙していたのにそれでも助けてくれると言ってくれた進平に、このまま甘えていいのか紗都子は悩みます。

しかしそれよりも、紗都子は進平に見放されなかったことを嬉しく感じていました。

そんな中、進平に会いに三枝がやってきます。

「何か用?」と白々しい進平に「そりゃねぇだろ~うちの下っ端あんだけ殺っといて」と三枝は言います。

一方、なかなか寝付けない紗都子の部屋に紫たち3人が悪さをしにやってきます。

進平をとられた紫は嫉妬に狂い、早蕨と初音に紗都子を押さえつけらし、紗都子の下の口を針で縫うよう命令します。

震える早蕨ですが、紫から客を譲ってもらっているため逆らうことができません。

恐怖を感じていた紗都子ですが、3人のやりとりを見てぷっと吹き出し笑いをします。

攫われた経験、集団で襲われた経験、本気で殺されかけたことのある紗都子には、本気の人間の目や表情を知っています。

紫たちにそんな度胸があるようには感じなかったのです。

そこで紗都子は自分の身を守るために、逆に早蕨たちを上の者に報告すると言って脅し味方につけます。

紫への日頃の鬱憤が溜まっていた早蕨たちは、初めて紫に逆らいます。

立場は逆転し、優位に立つことができた紗都子。

紗都子は「心配いりませんよ、お裁縫は得意なので」と言って糸と針を握り紫に近づきます。

3巻14話ネタバレ

遊女屋から離れた場所へと移動した進平と三枝。

三枝は新渡戸をあそこまでする必要はなかったと忠告します。

立場のある人間なので今後こっちが不利になる可能性もあると。

随分と紗都子に肩入れしている進平に「まさか惚れちまったとか言うなよ?」と言う三枝に対し「そうだって言ったらどうする?」と刀を握る進平。

ただならぬ雰囲気を醸し出していた進平ですが、紗都子の「殺しちゃダメ」と言う言葉を思い出し刀を戻します。

そして三枝のことは放って猛ダッシュで紗都子の元へと戻るのです。

紗都子の部屋には紫たちが居て、すぐに紫たちが悪さをしていたのだと理解する進平。

紫たちに殺意を抱く進平のことを紗都子は庇います。

二人の様子を見た紫は「本気で好きだったのよ」と泣きだしますが、紗都子を傷付けた今進平はもう紫を八つ裂きにしたいとしか思いません。

しかし好きな相手に嘘を吐かれると悲しいし、都合の悪い内容でも正直に話して欲しいという気持ちを知った進平は、紫に対して誠意をもって気持ちには応えられないことをはっきりと伝えます。

紫が泣きながら部屋を出て行ったあと、進平は紗都子に「やっぱり一歩も目が離せない」「強くならないで」と抱きしめます。

今回、小屋に二人を閉じ込めた犯人が葵だと気付いていた進平は、葵のことを問い詰めます。

紫に間夫を誘惑された葵は、紫に復讐するため大切な人を奪われる苦しみを味わわせたかったのです。

それがまさかこんな大事になるなんて思っていませんでした。

「仲良くなった子を利用して復讐するなんて最低だよね」と泣きながら謝る葵。

葵は「もう年季も明けるし明日にはここを出て行く」と言って紗都子の前から消えます。

しかしこの島にそんな制度はないと進平から聞いた紗都子は、葵のことがどうしても放っておけず葵を追いかけるのですが・・・?

3巻15話ネタバレ|夢

崖から身投げしようとする葵を見つけた紗都子は必死で説得します。

葵に自分の意思で来てもらわないと、捕まえるより先に飛び降りてしまうでしょう。

しかし紗都子が何を言っても説得力はなく、葵は聞く耳を持ってくれません。

その時、紗都子の心臓が痛みだし紗都子はうずくまってしまいます。

紗都子を心配する進平を見た葵は「いいなぁ、やっぱり恋が一番だよ」と呟きます。

「恋が一番だってわかってくれるのなら死ぬのやめようかな?」と葵は言いますが、恋より夢が大事な紗都子にとって恋が一番ではありません。

もう嘘で誰かを傷付けたくない紗都子は、嘘をつくことができませんでした。

紗都子は葵を引き止めることを辞めることに。

考えてみれば自分も夢が叶わなかったら死にたいと思うかもしれないからです。

それが葵にとって恋ならば、自分なんかが葵の人生の終わらせ方に口を出すべきではないと考えたのです。

ただ紗都子はもし優目が潰えそうになったとしても最後の最後まであがくつもりです。

この命が燃え尽きるまで・・・。

「私に比べて葵さんは凄いです。私はまだ志半ばですが、死んでもいいと思えるくらい全力で夢を追いかけたんでしょうから!」

そう言って葵にじりじりと迫っていく紗都子。

紗都子の発言に頭にきた葵は「何がわかるのよ!」と紗都子の頬を叩き、二人は掴み合いの言い合いに発展。

お互い言いたい事を言い合い、改めて本当の友達となることができました。

ばれないようこっそりといせ吉へと戻る3人。

紫がうまいこと理由をつくってくれていたおかげで、罰則などはありませんでした。

数カ月後、葵の元に想い人が身請けに来てくれるのでした。

4巻16話ネタバレ|死んでほしくない

紗都子の捜索を急ぐ桐ケ谷家の元に、紗都子から伝言を預かる新渡戸が到着します。

その日、紗都子たちは島を脱出する予定でした。

人目につかないよう進平と二人で小さな小舟に乗って向こう岸を目指します。

なんとも言えない雰囲気に気まずい紗都子。

進平も落ち着きのない様子で何を考えているのかわかりません。

もう嘘やごまかしをしたくない紗都子は、曖昧なままではダメだと思い進平に桐ケ谷家まで送ってほしいと頼みます。

結婚はできないけど、そこでしっかりお礼をさせてほしいと。

紗都子とは結婚したいけど、家に帰りたがっている紗都子を無理矢理させないのは違う気がするとずっと考えていた進平。

紗都子が好きだから、紗都子が幸せになれないのは嫌なのです。

絶対に折れる気のない紗都子ですが、それでも進平は今まで生きてきた中で紗都子といられる今が一番楽しいと感じていました。

その時、二人の事を嗅ぎつけた追っ手が二人に近づいてきます。

進平は紗都子の心配をふりきり何十人もの敵に向かっていくのですが・・・!?

4巻17話ネタバレ|鬼と心臓

追手は二人を生きて島から逃がさないつもりです。

殺す気満々の敵相手に、たった一人で挑む進平。

人数にひるむことなく無双する進平ですが、紗都子の約束も守り誰一人として殺していませんでした。

進平が気を取られている間に、他の敵が紗都子に近づき捕らえようとしています。

進平は急いで紗都子の元へ行き守るのですが、隙をつかれて後ろから刺されてしまいます。

さすがの進平も大量の血を流して倒れてしまいました。

ボロボロと涙を流して心配する紗都子に「俺の心臓・・・あげる」と言う進平。

そのまま大男に踏みつけられてしまった進平は・・・。

4巻18話ネタバレ|天国

進平のことを必死で助けようとする紗都子。

とどめを刺そうと刀を抜く男の前に震えながら立はばかります。

その時、進平が最後の力を振り絞って起き上がり紗都子を連れて海の中へと逃げます。

深い傷を負っていた為、追手はそれ以上追いかけてきませんでした。

なんとか島の岸へと戻ってこれた二人ですが、進平は息をしていませんでした。

動揺しながらも必死で人工呼吸を行う紗都子。

呼吸は戻ったものの、今度は出血の量が酷く止血をしなければなりません。

その時、偶然近くに来ていた葵に発見され助けてもらいます。

処置を施すものの、背中の傷がかなり深くあちこち骨も砕けて生きているのが不思議なほどの状態でした。

体温もかなり低く、目を覚まさない限り水も飲めません。

このまま死んでしまう可能性の方が高いと言われる中、紗都子は一時も離れず懸命に進平の看病をします。

目を覚まさなくなってから7日目、紗都子もすっかりやつれていました。

そんな中、ようやく進平が目を覚まします。

目覚めると隣には紗都子がいて、温めるために同じ布団で眠っていました。

目が覚めて慌てる紗都子に「あんな風に紗都子が横にいてくれるなら、あのまま死ぬのも悪くなかったかも」と言う進平。

そんな進平の言葉に「あなたの心臓なんかいらない!」と言い紗都子は泣きだします。

紗都子は進平がもう目を覚まさないんじゃないかと心配と不安でずっと怖かったのです。

進平は紗都子を抱き寄せキスをし、そのまま押し倒します。

4巻19話ネタバレ|愛の形

はだけた紗都子の胸の傷にキスをする進平。

紗都子はこの行為に驚き遊女屋に響き渡るほどの大声で叫んでしまいます。

結局、紗都子の叫び声に驚き、人が駆けつけたおかげでそれ以上は免れました。

しかしその日の出来事のせいで目が冴えてしまい、なかなか寝付けなかった紗都子。

おかげで次の日寝坊してしまいます。

寝坊した紗都子の代わりに、葵が進平の元へと食事を運ぶのですが、その時に進平は葵から自分が倒れていた時の話を聞きます。

進平が目を覚まさなくて、死人のようだったこと、毎日体を拭いたり包帯を替えたり、薬を塗ったり、夜も毎晩同じ部屋で寝ていた事。

浜辺で二人を見つけた時も、必死で口づけして水を吐かせたり、意識がないのに声をかけ続けたり。

間近で見ていた葵は、二人が愛し合っていると確信します。

葵から”愛”だと聞いた進平は、以前にも増してますます紗都子を求めだします。

「愛」だという進平の言葉を否定しつつも、まんざらでもないような紗都子。

そんな中、桐ケ谷家の用心棒である康太郎が客としていせ吉へとやってきます。

4巻20話ネタバレ|用心棒

幼い頃から紗都子の傍にいた康太郎。

体の弱い紗都子を気遣いながらも行きたいと話す海へとこっそり連れて行ったこともあります。

康太郎は密かに紗都子へ想いを寄せていました。

一方、すっかり紗都子と愛し合っていると思いこんでいる進平は、島から出て行くことを辞め紗都子と死ぬまで一緒にいることを決めます。

そこで店の主人・山本に、今後紗都子に遊女の仕事はさせないで男を近づけないよう徹底してほしいと頼むのですが時すでに遅し。

康太郎がすでに客として紗都子を指名していたからです。

大金を積まれた山本が断るはずがありませんでした。

康太郎は紗都子の関係者だと気付かれないよう、桐ケ谷家護衛でなく商家の息子・小川康太郎として、この島の規則にのっとり脱出するために、紗都子を身請けしに来たのです。

二人の会話をこっそり盗み聞きしていた進平は・・・!?