それでも世界は美しい20巻

それでも世界は美しい20巻のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。

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アルを追って北へ向かうことを決めたリビ。
途中立ち寄った宿でニケに話し始めたのは、彼の壮絶すぎる幼児期の記憶でした。

大王の落胤であるアルとの出会い、そしてアルによって画策されたシーラとの別れ。

リビが王へとのし上がるまでのありのままの物語を聞いたニケは・・・!?

ではここから20巻のネタバレです!

108話|慟哭

バルドの後ろ盾で太陽王になってから、リビは世界が欲しいなんて思ったことありませんでした。

噛みついてくる敵がいて、それらを捻じ伏せていたらいつの間にか”世界王”になっていました。

「そんなものが欲しいんじゃなかった。ただ苦しくて夢中で。」

リビはそこから解放されたい、その一心だったのです。

あの日、リビと出会えたのは当たり前のことだと思っていたニケ。

でもそうではありませんでした。

何度も何度も死地を潜り抜けて、あの日あそこにいたのです。

「お前よく本当によく生き延びて・・・ここまで生きてきてくれたんだな。」

ニケにとっては今リビが生きていることが何より一番なのです。

ニケはリビを抱きしめます。

「悲しむって大事なことだぞ。アントニアにいじわるされてびっくりしたな。オルビアは可哀想だった。アルに裏切られて辛かったな。シーラさんは勇敢だった。」

シーラを失ってからリビが人前で声をあげて泣いたのはこれが初めてでした。

ずっと心の一番奥で麻痺していた感覚が蘇ってきたのです。

傷は消えないし、後悔も消せません。

でも受け止められるのです。

リビの中の長い長い慟哭がようやくやんだ夜でした。

その頃、王国には湖の王国の第一王子・メンフィス・ライル・ルイラサエルが訪れてきていました。

109話|氷の王国

メンフィスに「カラさんと幸せになります。」と宣言されイライラのバルド。

メンフィスが来た理由は、少雨化の謎を追うためでした。

王国の王子様がなんでそんなこと!?と驚くカラですが、メンフィスは少雨化の研究がライフワークなのです。

少雨化についてもっと知りたいカラは、メンフィスと共に湖の王国に行くことに。

そしてヤキモチを妬いたバルドも一緒に付いていくことになります。

一方、ニケ&リビ一行は、氷の王国に潜伏しているであろうアルを捜しを続けています。

王都・フィーガ・イデアールにつきさっそく宮殿へ。

元氷の王国の総督を務めるタンバ将軍に歓迎されるのですが、実はすでに敵の手に落ちていたのです。

話しを聞いてしまったニールとガルタは敵に捕まってしまいます。

110話|願いはそれだけ

リビとニケも捕らえられたところでウルスラが登場します。

「安心して太陽王。お前は最後まで殺さない。私がこれからすること全て見届けてから死んでもらうから。」

ウルスラはリビから奪われたモノ全部取り戻すつもりでした。

しかし国は再建できても死者は蘇りません。

だから足りない分はリビから全て奪うつもりです。

リビに関わっている人間には全員同じ苦しみを味わわせるつもりですが、ニケだけは別でした。

「ニケは私たちの女神様だから。」

ニケが大公国で怨霊を操り嵐を起こしたと聞いたウルスラは、その力を使い大陸中に気象異常を起こすつもりなのです。

「世界の本当の支配者は私になるの。お前じゃない。」

しかしニケはそんなことに協力などできません。

断ると力を封じられ閉じ込められてしまいます。

王宮地下の牢に閉じ込められているニールとガルタが、なんとか脱出を考えていたところ、アインが助けに来てくれます。

アインは2人までウルスラの計画に巻き込まれる必要はないと思ったのです。

「太陽王達のことは諦めろ。ウルスラ姫はニケ姫を使って大国を滅ぼすつもりだ。太陽王もニケ姫を動かす材料に使われる。」

アインはカラオスに与していますが、世界を壊したいわけではありません。

しかしニケがいる限りこの手の脅威は去らないでしょう。

なのでアインはニケを殺すつもりです。

ニールは「世界を救いたいならニケを殺してはダメだ」と説得し、アインに協力を求めます。

アインの協力のおかげで、ニケとリビを助け出すことに成功するのですが、逃げたことがすぐにウルスラ達にバレてしまいました。

地下水路から船で脱出しようとするのですが、船はボロくとても4人は乗れそうにありません。

ニールの負傷した肩ももう限界でした。

「陛下と共に地平の彼方まで行ってやるつもりだったのですが、どうもそれは叶わぬようです。陛下どうかお幸せに。」

リビたち3人を乗せた船は、ニールを残して進みだして・・・。

111話|遠い日2

あの尾根の向こうには何があるのだろう。

雲になって流れて行けたら、と子供の頃はそればかり考えていたニール。

ニールは物心ついた頃には親戚のおじと2人で住んでいました。

幼い頃は全てがぼんやりしていて、叔父に殴られながらこの村で一生過ごすんだと思っていました。

ニールが7つの時、村が野党に襲われ全滅。

ニールは売りに出されるも値が付かず、そのうち裏稼業のギルドに二束三文で引き取られました。

越えられる筈がないと思っていたあの尾根をあっさりと越えてニールの人生は始まったのです。

しかし走れば転び、荷運びをさせれば潰れ、武器を持たせれば怪我をするなにも役に立たないニール。

頭の命令でアインがニールの面倒を見ることになります。

アインは北世界の奥に少数いる”赤眼”の生き残りで、生まれつき身体能力が高く、迫害の対象になっているのも相まって、裏社会では重宝される存在でした。

アインがここにいるもう一つの理由は妹のセーラです。

生まれつき難しい病を抱えており、その治療費を捻出するためでした。

ある日、アインはニールが目が悪いことに気が付きます。

アインから貰った眼鏡をかけたニールは驚きます。

初めて世界の輪郭がはっきりと見えた瞬間でした。

それからのニールは以前のポンコツとは比べものにならない程、優秀に成長していきます。

そんな中、アインがギルド外で仕事を受けたのが頭にバレ、罰を与えられることに。

何度も鞭で打たれるアインを見て、ニールは頭が真っ白になって気が付いたらアインを庇っていました。

アインの罰を肩代わりしボロボロになるニール。

そのおかげでアインは命拾いすることになります。

「アインに死んでほしくなかったんだ。だってアインは俺に世界を見せてくれた人だから。」

焦点があった世界は苦しみも痛みも容赦ありませんでしたが、温もりも喜びも確かに自分のものとなりました。

「このままこの街でずっと過ごすだろう」そう思い始めた頃、またあの想いが頭をかすめます。

(あの空の向こうには何が・・・)

その頃、世界は混迷を極め、国境沿いのまちまちは次々と戦火に飲まれ始めていました。

そしてそれはニールたちの街にも・・・。

アインとセーラと一緒に逃げようとするニールですが、アインに「王都へ行け」と言われてしまいます。

ニールは裏の世界でいるべきではないと思っていたのです。

それにニールがいつも遠くに生きたがっていたことにも気づいていました。

迷いがあるニールに「セーラの為にも王都で地盤を固めて俺たちを迎えて欲しい」と話すアイン。

ニールは決意し泣きながら1人王都へと向かいます。

その後、無事に辿り着くのですが、アインとセーラが訪ねてくることは遂にありませんでした。

112話|悲しくてやりきれない

水路から湖に落ちたリビたちを助けてくれたのは、正体不明のおばあさんでした。

孤児院をやっているおばあさんの正体は、なんとカラオス会の総首だったのです。

警戒するニケ達ですが、おばあさんは危害を加えるつもりはありません。

カラオスはもともとはおばあさんの死んだ旦那が、当時急速に勢力を広げて行ったレオニダス大王に対抗する為に作った組織でした。

大王はやり放題だったので、怨みを持った人間を募ってたらいつの間にか大きな組織となってしまったのです。

「目的は大国の解体か?」と聞くガルタですが、おばあさんはそんな強大なことはできないと答えます。

カラオスのやれることはあくまで対症療法なのです。

だけど旦那はいつも言っていました。

一部の人間が権力の全てを握るよりそこに住む普通の人達が平等に国の事を決めていける方が、より自然な形なんじゃないかと。

それはまるでニケがネフェロの国で見た光景のようでした。

ニケはウルスラの様子が前とは違っていたことを話します。

前は憎しいと躊躇いに揺れてまだ復讐に迷っているようだったのに、今はもうすっかり心が決まっているように見えたのです。

おばあさんの話によると、ウルスラに援助していた大貴族が手を引いたらしいのです。

それで追い詰められた所に、変な入れ知恵をした奴がいたようです。

最近は夢ばかり見てよく眠れないと言っていたウルスラ。

夢の中で死んだ人が出て来て苦しみを訴えるのです。

「早く怨みを晴らしてくれ」、「早くあいつを地獄に堕としてくれ」と。

その話を聞いていたリビは絶望します。

「消えてなかった。ニケ、俺はアントニアを殺した時、憎み憎まれあう繰り返しがその苦しみが終わったと思ってた。でも違う今はウルスラの中にあの時の俺と同じ渦がある。そしてそれは俺の時とは比べものにならない程多くを巻き込もうとしている。」

ウルスラのことなんか毛ほども思ってはいないリビですが、このままウルスラがまた誰かに同じことをするのを見るのは耐えられないのです。

リビの気持ちを聞いた総首は助言します。

「あの子を奈落へ落としたのがアンタなら救えるのもアンタだけだ。どこから始まったかも分からないこの憎しみの連鎖を断ち切れるのもアンタだけだ。」

今リビの中にあるのと同じ感情を共有できるのは世界でウルスラ姫だけです。

そしてそれが本当の意味でリビを救うことにもなるのです。

113話|遠くまで2

ウルスラがまだ幼い頃のお話です。

母の出産の為にこっそり聖域に妖精を探しに行くウルスラ。

王族といえども聖域に勝手に入ってはいけないことは分かっているのですが、最大のお守りと言われる妖精を母の為にどうしても持って帰りたいのです。

(王宮を黙って出るなんてはじめて・・・)
(怒られちゃうかな・・・)

その時、ウルスラは道端で倒れている人間を発見します。

美しい顔立ちはまるで妖精のようで、ウルスラは迷わず手当の為に王宮に持って帰ります。

父に友達になりたいと懇願するウルスラですが、父には身分の違いから却下されてしまいます。

そういう理由でウルスラには友達がいませんでした。

こっそり泣いているとウルスラが助けた男の子が目の前にやってきます。

「俺を拾ったのはアンタだろ。だったら俺はアンタのものだし側にいるのは当然だ。」

宣言通り何度叩き出されてもネロはウルスラの前に毎日現れました。

ふたつきも経つ頃、とうとう父が折れてネロを名家の養子に入れさせ、ついに下働きとして王宮に上がることになったのです。

ウルスラにとってネロは不思議でした。

整った顔立ちも、人間世界のルールを意に介さないところも、本当に妖精のそれに近かったのです。

それはこの小さな世界しか知らないウルスラにとって、とても頼もしいものに思えたのです。

ある日の夜、ウルスラはアーウラがいないことに気が付きます。

アーウラを探しに行くため、ウルスラはネロと一緒に聖域へ。

いつも軽々と垣根を越えていくネロに「すごい」と言うウルスラですが、ネロからすれば先に垣根を越えてきたのはウルスラでした。

子供のころから見世物小屋に居たネロは、人間は上にいけばいくほど露骨で醜悪になっていくと思っていました。

だけど見世物小屋から逃げ出し空腹で死にかけた時、心底心配そうにしてただ当たり前に助けてくれたのは、露骨で醜悪なはずの一番上の人間でした。

通りかかった中で一番身なりがいいウルスラが助けてくれたのは、ネロの中で衝撃だったのです。

「先に垣根を越えてきたのは姫様だ。すごいのもアンタだ。俺はアンタを尊敬してる。」

その日、初めて見た白銀はさっきのネロの言葉と一緒にウルスラの中の一番汚れない思い出になりました。

そしてこの時芽生えた小さな想いが、やがて大きく膨らむことをウルスラはまだ知りません。

21巻へ続く

感想

リビの過去を受け止めるニケはさすがですね。

緊張感がとれてほわほわなリビが天使のように可愛かった。

本当ニケの言う通りリビはどこまで武器を増やすの・・・(*´Д`)

そして待望のニールの過去が今巻で明かされます。

幼い頃のアインとの絆と別れが切ない。

ただそんな彼が「それでも世界は美しい」と言ってくれたのが救いでした。

ウルスラの過去も良かったなぁ。

ご都合主義になったとしてもウルスラが救われるのを願うばかりです。

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