話
Paradise kiss(パラダイスキス)5巻のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
※漫画を無料で読む方法は、下の記事で説明しているので参考にしてくださいね♪
卒業を間近に控えパラキスのメンバー・実和子、嵐、イザベラはそれぞれの道を歩みだします。
気になる紫とジョージの未来は?
では最終巻のネタバレです!
5巻|ネタバレ
香とジョージが会っていた頃、紫はまた眠れなくて明け方まで試験勉強に没頭していました。
勉強をしている間は痛みも不安も忘れてしまえる事に気が付いたのです。
翌日の授賞式の後、記念に撮った写真をこれ見よがしにリビングのテーブルの上に置いておいた紫。
次の日学校から戻ると写真は立派な額に収まって壁にかけられていました。
(ハッピーベリーのショーのギャラが入ったら飾りっ気のないお母さんにアクセサリーのひとつ位買ってあげなくちゃ)
(心が明るくなるキラキラしたやつ)
それからの母は人が変わったように、紫のことを人に自慢するようになります。
ジョージも近頃異様に機嫌がよく、だけど紫にはその理由がさっぱり分かりませんでした。
ショップに売り込みを初めて1カ月半。
パラキスの服ははっきり言って全然相手にされていません。
クリスマス当日。
ジョージの部屋でいい雰囲気のところ突然香がやってきます。
嫉妬で敵意をむき出しにする紫に対し、そんなのお構いなしに香を部屋にあげるジョージ。
(かんべんしてよ)
(もしあたしがいなかったらあの後どうするつもりだったの?)
(ただの友達とか言われても全然納得いかない!)
香がやってきたのは、デザイナーを本職にしないと言うジョージを説得する為でした。
そんな話など聞いていなかった香は、ショックを受けます。
(誰にも話してない事をなんでこの子にだけ話すの?)
ジョージはやはり服を作る事をビジネスとして消化できませんでした。
もし今父親が事故にでもあって死んだら、認知されていないジョージと母親は遺産も資産もなく路頭に迷うことになります。
ジョージの場合基本的に価値観が世間のニーズとマッチしていないので、デザイナーを本業にするには不安定すぎるのです。
それを理由にジョージは卒業後、星次の下でヘアメイクアップアーティストとして修業するつもりでした。
ジョージの才能を知っている香は全然納得ができません。
2人の会話にまるで入っていけない紫は、綺麗な服を着せられて飾ってあるマネキン人形のよう。
だけど口を開くとボロばかり出てしまうので、今はただ黙ってこの屈辱に耐えるしかないのです。
そうでもしないととても勝ち目はないから。
香が帰った後もジョージは紫の欲しい言葉をくれませんでした。
「香は大事な友達なんだ。もう少し礼儀正しく出来ないか。お前が俺を疑うのは勝手だけど香の名誉の為に言っとくよ。あいつと寝た事は一度もない。香はそんな女じゃないんだ。」
結局ジョージは紫の人格など少しも認めてくれていないのです。
その夜、紫は手足を拘束されて本当にただのおもちゃのように扱われましたが、視界を塞がれていたので別に平気でした。
紫はジョージに潜む狂気なんか少しも怖くありません。
怖いのは紫を蔑むあのガラス玉の瞳なのです。
翌日、パラキスがショップに委託していた服が1着ですが売れました。
実和子は泣いて喜び、祝杯をあげるからとアトリエに誘われる紫ですが、受験勉強を理由に行きませんでした。
紫は多分みんなと同じようには喜びを分かち合えないから。
学祭のショーが終わってからの2カ月間、みんながどの位苦労して売り込みに走り回り、どんな思いで日々を過してきたのかを、仕事が順調で忙しく充実していた紫にはまるで実感がなかったからです。
服を愛する気持ちだけは子供みたいに純粋でひたむきなジョージがショップにフラれまくって傷つかなかったわけがありません。
昨夜、香が帰った後の行動は間違っていたと涙を流す紫。
人生最大の岐路に立たされているジョージを無言でせめて追い詰めるのではなく、思い遣った言葉をかけてあげるべきだったのです。
一方、実和子が浩行にメールを送ったと知った嵐は怒りのあまり携帯を投げ壊してしまいます。
頭では自分がどうするべきか、実和子に何を言ってあげるべきなのか分かっているのですが、どうしても感情的になってしまうのです。
実和子と微妙な関係が続く中、嵐は浩行に会いに行きます。
「さっさとなんとかしてやれば?俺といても悪化する一方だぞ。実和子はお前に惚れてんだよ!」
これ以上自分といれば実和子は壊れてしまうと嵐は訴えるのですが、それでも嵐を選んだのは実和子です。
初めて実和子とヤッた時、実和子は泣いて抵抗しました。
しかし嵐はそれしか実和子を独占する方法が思いつかなかったのです。
ただ強行する気はありませんでした。
でもやりだすと止まらなくなってしまったのです。
罪悪感に打ちのめされていた嵐は、次の日何事もなかったかのように笑いかけてきた実和子にホッとして、二度とあんな事はしないと心に誓いました。
なのに実和子のペースに乗せられてるうち性懲りもなくついまた手が出てしまったのです。
今度はさすがにためらいがありました。
そんな嵐に実和子は抵抗するどころかむしろ積極的でした。
嵐が実和子との関係に自信が持てないのは、浩行に対するコンプレックスと美和子を性的対象にしてしまった後ろめたさが今も潜在的にあるから。
しかし実和子に抵抗があったのは、その荒っぽい行為で自体にであって嵐に対してではありません。
嵐が実和子をどれ程好きかは実和子が一番よく分かっていたはずです。
だから自分の反応が嵐を傷つけてしまったと思って取り繕いたかったのでしょう。
「あいつはお前のいい所も悪い所も全てを受け入れようと必死なんだよ。分かってやれよ。実和子のその愛情の深さを。それがお互いの一番の薬になる。」
ジョージのことが諦めきれない香は、ジョージに内緒でジョージの父親の会社へ行き、土下座をして頼み込みます。
「自由を与えてあげてくれませんか。数年でいいんです。二階堂さんがジョージのお母さんへの援助を続けると保証して下さりさえすれば彼は間違いなく近い将来夢を実現して成功を手に入れると思います。」
話しを聞いたジョージの父はジョージに会って留学を勧めてくれます。
お金も出すし、その間母の面倒もちゃんと見るから心配するな、と。
正直、これ以上高い学費を払ってもらってまで学校という場所で学ぶ事に興味が湧かないジョージ。
しかし父親がそう言ってくれた事で選択肢がぐんと広がったのです。
役目を終えた香は、ロンドンへ帰りながら不毛な片想いにこっそり涙を流すのでした。
大晦日。
紫はジョージに着物を着せてもらい初詣へ。
そこで同じく初詣に来ていた実和子と嵐と浩行の3人とイザベラに会います。
初詣の後は、日の出を見に2人で海を見渡せる静かな場所へ。
そこで向かう車の中でジョージは切なそうに言います。
「お互いの欲求を押し付け合うばっかりで、だから駄目なんだよな、俺たち。」
「分かってるならなんとかしてよ。あたしもなんとかするから・・・。なんとかしようよジョージ。」
涙ぐみながら言う紫の言葉にジョージは何も答えませんでした。
どうにもならないのは紫もわかっています。
2人は求めるものが違いすぎるのです。
車は渋滞で海に着いた時には朝焼けが始まっていました。
「おれ卒業したらパリに行く事にしたよ。」
オートクチュールのメゾンに入って修行すると話す突然のジョージの言葉に驚きを隠せない紫。
(なんであんたの話はいつもそう唐突なの?)
(そんな結論だけ話されても理解出来ないよ)
紫は「クチュールのメゾンなんて簡単に入れるとは思えない」と言うのですが、ジョージは「なんとかなる」と言っています。
「自分の可能性を信じなきゃ何も始まらないよ。」
ジョージらしい答えに涙を流す紫。
ジョージに「一緒に来る?」と誘われる紫ですが断ります。
「行かない。モデルの仕事だって始めたばっかりだし、大学に通ってまだまだ勉強もするんだから。」
ジョージはこの狭苦しい島国から抜け出したら二度と戻らない予感がしました。
やっぱり2人はきっともうどうにもならないのです。
(だけどあんたのデビューコレクションのオーディションだけは絶対受けに行く)
(身長170センチの小さな東洋人モデルの心意気を見せてやるわ)
3月。
紫は結局劣等生の汚名を返上できないまま、長く苦しかった学生時代にピリオドを打ちます。
片手間にしか受験勉強をしていなかった紫が大学に落ちるのは当然のことでした。
大学は落ちましたが、テレビCMに抜擢され、仕事はノリに乗っています。
不安定な仕事だから保険が必要だと言っていた浩行の意見は納得ですが、紫は2つの事を同時にちゃんとできるほど器用ではないので、浪人はしませんでした。
浩行は本命の医大に合格し、将来は精神科医を目指すようです。
パラキスはみんなの卒業と同時に解散することになりました。
委託の服も結局1着しか売れず、紫はみんなの卒業後の進路を案じていたのですが、嵐はヤザガクのOBでもあるメンズデザイナーのアトリエに、実和子は姉の会社にそれぞれとっくに就職を決めていました。
受験が終わってから紫はまた以前のようにアトリエへ顔を出して、日が落ちるとジョージは必ず車で送ってくれました。
しかし2人でいてももうキスをする事さえありませんでした。
2人は再び求めあう事も決着をつける事も出来ないまま、それぞれの人生を歩きだします。
(遠く離れても愛を誓いあえる恋人同士は沢山いるはずなのに)
(どうしてあたし達にはそれが出来ないんだろう)
(さよならジョージ。パラダイスは自分の足で目指すのよ)
ジョージが旅立った後、紫にジョージから小包が届きます。
宝箱のような箱の中には、鍵と場所を示す地図がありました。
家から歩いても10分程で行けるその場所は、図書館へ向かう通り道なのでよく知っていました。
大型のコンテナが並ぶ貸倉庫へと走る紫。
ドアを開けなくても中身には自信がありました。
ジョージが紫に置いていく物と言えばひとつしかありません。
(準グランプリの青いドレス!)
中は青いドレスの他、今までジョージが作った沢山の洋服や靴、バッグが飾られてありました。
モノクロームの景色を極彩色に染め上げる。
ジョージは紫にとってそういう存在でした。
たとえ2人の辿る路がこの先交わらなくてもそれだけはきっとずっと変わりません。
紫は毎日を相変わらず慌てふためきながらぶつかっても転んでも全力疾走で、のんびり前を行くジョージのことなんかすぐに追い抜いてやるつもりでいました。
けれどあっと言う間に月日は流れ、いつの間にか28歳になっていました。
身の程が見えて海外で活躍何て夢のまた夢だったし、モデルとしては年を取ってしまい活躍の場自体減ってきましたが、この10年間仕事を通して沢山の人と出会い色々な場所へ行き様々な物に触れ、その全てが紫の財産になっています。
来月、紫は浩行と結婚します。
新婚旅行はアメリカへ。
ブロードウェイで評判になっているミュージカルの招待券が2枚届いたから。
衣装デザインはジョージコイズミ。
完結
感想
少女漫画なのに、バラバラの未来に向かって踏みだしてゆくという思いがけないエンディングにはとても説得力があり心地よいラストでした。
ジョージにとって一番大切なものを残していった貸倉庫の中を見た時は、もう涙が止まりませんでした。
どこかでジョージと紫の再会を期待していましたが、ヒロくんとの結婚は正解だと納得。
2人の人間性や性格を考えればしっくりくる結末だし、紫はヒロくんと結婚した方が幸せになれそうだと思いました。
ジョージにはイザベラがいるから安心だしね♪
おすすめの漫画なので気になっていた方は、ぜひ無料で読んでみて下さいね♪