公爵令嬢の嗜み2巻ネタバレ
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11話から19話|ネタバレ

母を広告塔に使ったチョコレートは口コミで広がり、大盛況となります。

軌道に乗った貴族向けは希少価値を持たせるため、生産量を増やすことは無く、新たな事業へと着手します。

目を付けたのは、銀行でした。

早速、その話を商業ギルドの長たちへプレゼンします。

主な業務は預金・為替・融資としそれぞれを説明していきます。

前世の知識では常識ですが、これらの制度は画期的で、金庫も公爵家の庇護下とすれば、盗まれる心配もありません。

ギルド側も赤字分野である資金部門を肩代わりしてくれるとあって、積極的に協力して頂けることとなります。

早々に銀行の話がまとまり、アイリスは次に学園の設立についての話をします。

貴族たちの社交場と成している王都にある物では無く、前世で言う所の学校を作ろうと言うのです。

初等部は読み書きを教え、義務教育とし、高等部ではより専門な分野を教える、学部を作る。

学園の設立は早期の課題であり、その援助をギルドの長達に申し入れます。

高等部の目玉は医療科と聞き、長達も目を開かづには居られません。

原状、国で医者というのは王族貴族に召し抱えられ、その知識が一般に出回ることはありません。

故に町医者との技術力は雲泥の差で、祈りの様な振興にすがる状態です。

守るべきはアルメリアの民で、医者が普及することは、それらの医療器具などを担ってる商店にも恩恵があり、皆を納得させます。

そしてそれぞれの財務状況を整理するためにも、複式簿記を提案し、銀行の融資や税制の改革に利用していくことを話ます。

もちろん、反対意見も多数出ますが、メリットの方が大きいと考えた、重鎮たちはアイリスの提案にのり、場は整います。

後はアイリスが食い尽くされないように踏ん張るだけだと、気合を入れ領地改革に取り組むのでした。

銀行設立からの半年間はほぼ休み無しで、働きづめた結果もあり、民たちへの認知度も上がります。

とは言え、ターニャからは働きすぎを心配され、久しぶりに湯船にゆっくりと浸かり、リフレッシュします。

そこでターニャはアイリスの髪が以前より艶やかになっていることに気が付きます。

実は密かにリンスを開発していて、その効果もあって、以前より美しい髪を手に入れていたのです。

そのことはすぐさまメイドたちにも広まり、商会の新たな目玉商品となるのに時間はかからないのでした。

そんなある日、母が王都から急に戻ってくると連絡があります。

まだ社交界のシーズンだと言うのに、何事かと思ったアイリスですが、どうやら学園でドルッセンがアイリスを抑えつけたことを根に持っているようで、騎士団長宅のパーティーを無視して帰ってきたようでした。

絶世の美女で今やアズータ商会の宣伝部長でもある母が出席する茶会は、それだけで格が上がるとされており、逆に出席されないというのは顔が真っ青になるような出来事なのです。

思わぬところでドルッセンに一矢報いることが出来て少しだけ、気が晴れます。

母との再会も早々に、各所から上がってくる報告書に目を通していきます。

商会は貴族部門を会員制にし、特別感を演出したことで、業績は良好。

チョコレートを筆頭として、順調に売り上げを伸ばしています。

今回、母が帰ってきたのはアイリスを心配しての事だったのですが、弟のベルンにもかなり怒っているようで、息子で無ければさっさと潰していると言うぐらいです。

王都の様子は何ら変わりないらしいのですが、城内は王国の女性でNo.2のエルリアがかなり調子に乗っているようで、その尻ぬぐいに宰相である、アリエスの父も奔走しているのだとか。

エドの母であるエルリアは元々側室でしたが、正室の死後、一気に力を増し、今では軽視できない権力を持っています。

それにもユーリが一枚噛んでるらしく、すでに彼女は男爵とは思えない程の権力を有していると言えます。

聡い者たちはそのきな臭さから、距離を取っているようですが、第一皇子が王妃死後、表舞台から姿を消したこともあり、今は第二王子派閥が一強という状態です。

そんな話をしていると、将軍であるおじい様も領地へと帰ってきます。

30年前の戦争での功労者で、王国でも最上位の実力者です。

折角なので、おじい様に護衛がてら、街へ連れて行ってもらうことになります。

”私のやってきたことは正しかったのか”

どうしても自分の目で確かめたかったのです。

街ではアリスという偽名で、商店を回り、庶民の食事に舌鼓を打ちます。

領民たちはみんな口をそろえて、いい街だと言ってくれますが、まだまだ貧困層が減ったわけではありません。

その一つが、街外れにある教会でした。ミナという女性が一人で切り盛りする孤児です。

最近では地上げ屋に立ち退きを要求されており、アイリスは即刻、問題の解消に取り掛かることを決めます。

そんなある日、弟であるベルンが領地へと帰ってきます。

どうやら、勝手に王都を出た母を連れ戻すためにのようですが、エドとユーリの婚約パーティに母が出席する筈も無く、せっかくだからと姉の仕事ぶりを見るように言われます。

自分がユーリにうつつを抜かしている間に、姉がかなり優秀な人材になってることに衝撃を受けたようで、彼の中で何かが変わり始めます。

翌日には高等部の視察にも同行する予定で、そこで何かを感じてもらえれば、軌道修正できるかもしれない。と何だかんだ弟に甘いアリエスだったのでした。

3巻に続く

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