パーフェクトワールド12巻(最終巻)結末のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
※漫画を無料で読む方法は下の記事で説明しています。
様々な困難を乗り越え特別養子縁組により男の子・紘樹を迎え入れたつぐみと樹。
問題はありながらも家族の絆を深めていく中、「真実告知」の時が迫ってきて・・・?
55話|親ゴコロが転がって
今日は家族写真を撮りに行く日。
紘樹はスロープを見つけ「おとうさん!あっち!」と指差します。
いつの間にかつぐみのやることを覚えたようで、車椅子を押すお手伝いもしてくれています。
それを見た周りの人達は「偉いね」と褒めてくれます。
3年前、特別養子縁組の長い手続きを全て終え紘樹と本当の親になったつぐみたち。
樹が育休を取りお義母さんの力を借りて育児が始まりました。
知り合いの大工さんに作って貰った車椅子でもお世話ができる特注ベビーベッドでおむつを替えたり、首が座るとチェアベルトを使って膝の上で抱っこしたり。
できないことは無理せず周りの力を借り、持ち前の器用さと穏やかさで育児をこなしていきます。
しかし全てが上手くいくわけはなく、紘樹を落としてしまったこともあります。
そんな時、人の手を借りなければ我が子を抱き上げてあげられないことに酷く落ち込んだ時もありました。
樹の育休が終わり夫婦二人での子育てになってからは、それはもう記憶が飛ぶくらい大変でしたが、無我夢中で育てた紘樹はすくすく成長してくれました。
そんなある日、紘樹がお店で「もっとケーキが食べたい」と我儘を言い出します。
叱るつぐみですが、樹は紘樹を甘やかします。
そんな樹に「もしかして特別養子縁組だからこの子に気を遣ってるの?」と話します。
それも多少はありますが、樹はそれ以上に父親の障害を必要以上に意識させたり気を遣わせたくなくただ思いきり子供らしく甘えさせてあげたいという気持ちがあったのです。
父親の障害、特別養子縁組であること、これから樹がどんな想いを抱くことになるのかつぐみたちにはまだ見えていませんでした。
しかし保育園の先生から樹の膝の上に乗って登園してくる紘樹がすごく楽しそうという話を聞き、「障害を意識」とかそんなこと以前に紘樹にとって父親が車椅子に乗っているのは最初から自然なことなのかもしれないと思うのでした。
56話|真実告知
紘樹と迎える4回目の春、つぐみたち家族にはやっておかなければならないことがありました。
それは特別養子縁組であることを、母親がもう一人いることを紘樹に伝える「真実告知」です。
できるだけ自然に、紘樹が理解しやすいような流れで、とつぐみたちは考えていました。
そんな中、樹が車椅子を新調します。
スタッフの人に適切な介助者が何人か集まれば、江の島の展望灯台まで行く事は不可能ではないと聞いたつぐみは、思い切ってスタッフの方々にお願いをすることに。
乗り気のつぐみに対し、樹は複雑な感情でした。
樹は行けないものは仕方ないととっくに割り切っていて、日常生活以外のことで人に迷惑をかけてまでやりたいとは思わないのです。
しかしつぐみは新しいチャレンジだと思っていました。
昔できなくて悔しかったことができるようになれば、それは過去を取り戻す事にもなります。
それに年月と共にできないコトが増えていく中で、今できることはできるだけやりたいとつぐみは思っていました。
樹の背中を押したのは、画面越しに江の島の海をキラキラした目で見る紘樹の姿でした。
そうして手伝ってもらいながら展望台へと到着することができた樹たち家族。
紘樹の嬉しそうにはしゃぐ姿を見て昔の自分と重なります。
二人は自然な流れで紘樹にもう一人お母さんがいることを伝えます。
今日の言葉を紘樹がどう受け取ったのかはまだ分かりませんが、少なくともここに家族で来れたことは一生記憶に残るものとなりました。
57話|あなたの心
今日は花火大会の日。
今年もつぐみたち家族は圭吾の家に訪れ一緒に花火鑑賞を楽しんでいます。
しかしそこに楓の姿はありませんでした。
楓が永遠の眠りについたのは、3年前の秋の日でした。
もともと自分の店をだすつもりでリフォーム前提で建てた家ですが、圭吾からは今の店の仕事は続けていって家はこのままの状態で残そうと思っていると話をされます。
「後悔はなにもない、現状に感謝して暮らしていきたい」と圭吾は話しますが、つぐみは本当にこれでいいのかなと思っていました。
その日の夜、つぐみは圭吾の家で楓の幽霊を見ます。
楓は自分の店を持つ夢をあえて封印して楓の死を受け入れることを拒否して未来を見なくなってしまった圭吾のことが心配で成仏できないのです。
つぐみがそのことを圭吾に話すと、圭吾はやっと本音を見せてくれます。
本当は寂しくて寂しくて仕方がなかったのです。
つぐみは圭吾が過去を記憶の中にとどめて前を向けるように、楓のイラストを描き贈ります。
前を向き始めた圭吾を見た楓は、つぐみにお礼を言いそっと消えていくのでした。
58話|晴人の恋人
ある日、晴人がバスケの打ち上げに車椅子の女の子・七海を連れて来ます。
七海が晴人に最初に会ったのは学校の飲み会でした。
車椅子に乗るようになってから恋愛なんて無縁だと思っていた七海ですが、彼女を連れている晴人を見て世界が広がります。
車椅子同士のカップルは自分たちよりずっと大変だと思っていたつぐみ。
しかし七海の話を聞きそれは先入観だということに気付かされます。
車椅子同士だといつも同じ目線でいられて心が休まるのです。
晴人と七海は交際を始め少しつづ確かな愛情を育んでいきます。
結婚式を挙げたい2人ですが、車椅子同士の夫婦は前例がなく、また晴人たちがやりたい希望のプランを通すのも難しいと言われてしまいます。
しかし晴人は妥協せず希望の結婚式が挙げられる式場を探しだします。
二人がやりたかったのは、車椅子ファーストの式でした。
普段だと会場の都合で後ろに並ぶしいかない車椅子の参列者を椅子を取り払うことで前方に参列してもらえるようにしたのです。
式の後、晴人は樹たちに頭を下げて感謝を伝えます。
歩けない自分を受け入れられず暗い部屋に引き籠っていた晴人。
こんな日が自分に来るなんて想像もできませんでした。
また樹も自分が誰かに影響を与えるなんて思ってもいませんでした。
樹が晴人の目を外に向けさせ、晴人が七海にもそうしたように、皆寄り添いながら生きていくのです。
59話|この世界にて
9年ぶりに樹が入院しました。
長い間上手く抑えていた褥瘡が数カ月前から悪化し始め、免疫力が落ちたところで尿路感染も併発してしまったのです。
樹は静かに苦しみに耐え、つぐみはただ自分に出来る限りのことをします。
樹は昔のように極端に自己嫌悪に陥ることはなくなり、つぐみももう泣いて取り乱すことはなくなりました。
2週間後、手術の傷の経過は良好で予定通りあと5日で退院できると医師に言われます。
病室でゆったりした時間を過ごす二人。
普段は子供中心の生活なのでこんな風な時間は久しぶりです。
高校の3年間一方的な片想いだと思っていたつぐみ。
しかし本人さえ当時は気づいていませんでしたが、樹も今思えば高校の時からつぐみが好きだったのです。
樹は「つぐみと夫婦になれてよかった」といつも思っていると話してくれます。
再会した初恋の人は車椅子に乗っていて、何度も遠回りしてつまずいて、それでも一緒に選んだ先にはもう一つの光がありました。
だから二人はまた進んでいくのです。
完結
感想
すごく納得のいく感動的な最終回で涙腺崩壊しました。
綺麗でドラマティックな部分だけじゃなく、ちゃんとリアルな部分も描かれていて作者さんがちゃんと実際に取材をしているのがすごく伝わります。
こんな温かい人達に迎え入れて貰った紘樹くんは絶対に幸せだと思います。
普通でも子育て大変なのに、車椅子でって凄いなぁと心から尊敬します。
障害者の人についても勉強出来ました。
とてもいい作品なのでぜひ漫画の方も読んでみてくださいね♪