パーフェクトワールド8巻(35話~39話)のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
※漫画を無料で読む方法は、下の記事で説明しているので参考にしてくださいね♪
前回、地元・松本で震災に遭い避難先の車の中で一夜を過ごしたつぐみと樹。
震災や舞花と晴人の別れ、つぐみはついに自分の気持ちと向き合い始めます。
是枝の部屋に行く予定だったつぐみが向かった先は樹の元で・・・!?
ではここから8巻のネタバレです!
35話|灯の中で
「鮎川、私後悔があるの。」
つぐみが気持ちを伝えようとした時、部屋から飼い猫のケンゾーが飛び出てきました。
ケンゾーを部屋の中に連れ戻した後、つぐみが話をするタイミングを見失っていると、樹が「散歩でも」と言うので2人は外へ。
その日はなぜか人が多く、2人は人々につられ人混みの方へと歩きます。
するとそこにはたくさんのキャンドルの灯が灯されていました。
日本各地の震災復興を祈るキャンドルナイトのイベントをやっていたのです。
つぐみたちもキャンドルにメッセージを書いて灯します。
(あたりまえの日常が戻ってきますように)
(この出来事を忘れずに生きていけますように)
樹は震災の後、受傷した時のことを思い出していました。
あの日も震災の時と同じように、朝起きて普通に出かけていって、大学に行って、授業に出て、ご飯を食べて図書館によってバイトに行って。
それで普通に家に帰れると思っていました。
しかしその帰り道、事故に遭ってしまったのです。
薄れゆく意識の中で”取り返しのつかないことになった”と感じていました。
事故の時のことは、なるべく思い出さないように忘れるようにしてきた樹。
でもそれは違うんじゃないかと思えてきたのです。
「それがあった上で生きていくからこそ、人生だからなのかな。」
「忘れることが幸せに繋がるとは思えなくて。失ったものを見つめながらどう生きていくのか答えを出してゆく。今はそんな風にできたらと思ってる。」
2人はキャンドルの中を歩きます。
街頭が消されキャンドルの光だけが辺りを照らしていて、まるで今ここに存在するのは樹とつぐみ2人だけのよう。
(もう全てを裏切っても失っても)
(私は鮎川が好きなんだ)
しかしつぐみはもうこの想いは伝えられないかもしれないと感じていました。
樹はどんなに辛い経験も糧にして前に進んでいます。
きっと2人の関係にも答えは出ているのだろうと。
(この回廊の灯りがとぎれる時)
(私の一生の恋も一緒に消えるのだ)
つぐみが密かに涙を流していると、樹がつぐみの手を握ります。
「俺も後悔があるんだ。」
松本で別れてから実は樹もずっと考えていました。
”後悔”をどんな言葉で伝えればいいのか。
でも結局見つけることはできず、ただ一つの言葉だけしか残っていませんでした。
「川奈が好きだ。」
36話|許されざる想い
キャンドルが消えた頃にはもう松本に帰る電車もバスも終わっていて、居場所のなくなった2人は小さなバーに入り、会話もなくただ少しだけお酒を飲み、お店が閉まってしまうとまた東京の街をあてもなく歩きました。
そして始発の電車でつぐみは松本へ帰ります。
この終わった恋をもう一度始めることは、許されることではないとつぐみは思っていました。
あんなに大切にしてくれた是枝の愛情を、信頼を、踏みにじったのだから。
(もうどんな言い訳も許されない)
つぐみは覚悟を決め是枝に電話をするのですが、是枝は電話に出ませんでした。
一方、樹も今夜長沢に話をするつもりでした。
しかしその前に、是枝が樹に会いにやってきます。
「鮎川、俺に言ったよね。俺たちが戻ることは絶対にないって。」
「一回だけ殴っていい?どうしても気が済まない。」
是枝は腕を振り上げるのですが、殴ることはできませんでした。
「殴られた方がいいのは俺の方かもな。」
是枝は病院の人から預かっていたつぐみの描いた絵を樹に渡します。
高校の時、同じ絵をつぐみが樹を見ながら描いていたことを知っていました。
是枝はずっと気持ちを伝えられず、高校卒業の時告白しようと一大決心し呼び出したのに、つぐみは風邪をひいて来れず結局それっきり。
だけど本気で好きなら別に卒業してからでも言いに行けばよかったのに、是枝はしませんでした。
自分で自分を諦めてしまっていたのです。
再会した彼女は樹といて、でも樹は車椅子に乗っていて、他人の彼女を想うなんていけないことなのに、なのに是枝は心の奥底で「今なら勝てる」と思ったのです。
「最悪だろ。でも結局おまえには敵わなかった。」
本音を話す是枝に、樹も自分の本音をさらけだします。
歩けなくなってからもう普通に恋愛なんてできるわけないと思っていたし、しちゃいけないとずっと思っていた樹。
「誰かを好きになったって迷惑かけるだけだって。」
「だけど本当は俺だって幸せになりたいんだよ!」
是枝はそんな樹に「だったらもう別れるな!」と言います。
「三度目はないよ!もしもう一度川奈の手を離したらその時は本当に殴るから。」
是枝はつぐみに最後のメールを送ります。
短い間だったけど幸せだったこと、昨日の夜会えたらプロポーズをするつもりだったこと、後悔はしていないこと、ずっとつぐみの幸せを祈っていること、が書かれてありました。
37話|過去と未来の間で
是枝との話が終わったあと、樹は長沢の待つ家へと帰ります。
「今の俺の人生は長沢さんと出会ってなかったら全然違うものになっていたと思う。」
「俺にとって本当にただ一人の人なんだ。だけど俺・・・。」
長沢は今日別れを告げられると察していました。
だけどどうしても聞きたくなくて、逃げようとします。
しかしその時、樹の身体の異変に気が付きます。
車椅子がべっとり血で濡れていたのです。
長沢は樹を連れて急いで病院へ。
診断の結果、樹は褥瘡が急激に悪化しており内部に大きな空洞ができていました。
初期の敗血症を起こしている可能性もあり、発症となると命にかかわることにもなってきます。
手術をすることになるのですが、2カ月は休む必要がありました。
「私、ここにいなきゃいけないよね?必要だよね?」
長沢は自分に言い聞かせるように樹の傍に付き添います。
初めて病院で会った時、樹はとても傷ついていて、まるで曇ったガラス玉のような瞳で長沢を見ていました。
無気力でリハビリも完全に放棄している樹を連れ出すことは、ベテランの長沢でも困難でした。
強制されてるばかりじゃ前向きにもなれない。
医師や看護師たちがそう感じていた時、長沢がみんなで「よさこい」を踊ることを提案します。
そうして練習を経て本番がやってきます。
ヘタだった長沢もすっかりうまくなっていて、樹を含め患者たちは心を動かされます。
「私たちが皆さんとリハビリを行う目的は、日常生活、仕事、人間関係、”これからの人生を生きてゆく”その力を回復させるためなのです。」
「障害を負っていても日常生活を送り、将来の目標を持つこともできる。そのためにリハビリがあると考えています。この舞台でそれが伝わっていたら嬉しいです。」
それから樹は見違えるようにリハビリを頑張り始めます。
長沢は、舞台のあと樹が初めて見せてくれた笑顔に心を囚われていました。
(私はあなたの人生のそばにいたい)
(そして見守り続けたい)
一方、長沢から樹の危険を知らされたつぐみは、急いで病院へ駆け付けます。
長沢は2人が一緒にいたって前と同じことの繰り返しだと思っていました。
(あの時からなにが変わったのか、私に見せてよ?)
38話|君に託した夢
長沢と樹の母が席を外し、つぐみと樹は2人きりに。
「ごめん、また迷惑かけて。」
「迷惑なんかじゃないよ!それより鮎川、心配なことがあるなら話して欲しい。」
つぐみは樹の不安そうな顔を見逃しませんでした。
母と長沢が病室へ戻ってきたと入れ替えでつぐみが病室から出てきます。
「お母さんすみません。私これで帰ります。」
長沢も母もあまりに早い帰りに驚きます。
しかしこれは樹とつぐみが話し合って決めたことでした。
樹は手術のことより圭吾たちの家のことを心配していました。
これから一気に本工事を進める段階なのに、現場へ設計監理に行くことが出来ないからです。
「それで2人で決めました。樹さんが動けない間、私が現場に通って状況を一つ残らず報告し続けることにしました。」
「彼が現場にいるように、私が彼の目と足になります。」
気丈にふるまうつぐみですが、本当はとても樹のことが心配でした。
本当はこのまま側にいたいと思っていました。
だけど、今ここには医者がいて母親も長沢もいます。
自分が一緒にいなくても樹は絶対大丈夫だから、それなら自分がするべきことをしなくちゃいけないと思ったのです。
つぐみは長沢の「障害を日常としてとらえることができなければ、共に生きていくことは出来ない」と言った言葉をずっと考えていました。
樹はきっとこの先もこういうことが何度もあります。
「彼といたいなら自分にとってもこれが日常にならなくちゃって。いつも一緒にいることが最善じゃない。それが長沢さんのあの時の言葉の意味なんでしょう?」
まさにつぐみの言う通りでした。
だけどそんなことをつぐみに言われてしまったら自分の立場がありません。
「長沢さん、私、鮎川が好きです。別れてからずっと後悔してて、全然前に進めなくて、忘れようとして結局忘れられなくて、周りの気持ち巻き込んで迷惑かけてめちゃくちゃにしました。」
「それでも・・・長沢さんのあの時の言葉がなければこんな考えには至れなかったんです。」
つぐみは松本に帰り、長沢は樹の病室へ。
「大丈夫、川奈さんがいなくても私がついてるから。」
樹にとって、人生で一番苦しかった時、そばにいて道を示してくれた長沢は唯一無二の存在でした。
だけど、それは恋とは違うのです。
「長沢さんがくれる愛情を、同じ形で返せない。」
長沢は泣くのをぐっと堪えます。
「私やり遂げたんだ。リハビリはこれからの人生を生きてゆくための権利を回復させるため。それに全部応えてくれた。川奈さんと一緒に樹くんは変われたんだね。」
手術が終わるまで長沢はそばにいることに。
それが看護師としての自分と樹の関係だから。
(いつかは終わる関係だとどこかで思ってた)
(もし誰かが現れたら・・・)
(それは喜ぶべきなのに、あなたの幸せを願いながら私はその時が来るのをずっと恐れ続けていたのね)
(だから踏み込んでしまったんだ)
馬鹿な私だと感じる長沢ですが、これより他に道はありませんでした。
樹は孤独だった長沢を変えてくれた人だったから。
39話|分かちあえない絆
樹の代わりに圭吾と楓の家の新築現場に通うようになって約1ヶ月。
家は順調に完成に向かっています。
樹は敗血症にはかかっておらず、無事褥瘡の手術を終えました。
そんな中、圭吾と楓の結婚式の日取りが決定します。
(圭吾さんたちはとうとうここまで来たんだな)
(圭吾さんは話さないけど家族を説得するのはきっと大変だったろうな)
つぐみは両親に是枝と別れ、樹と付き合っていることを報告します。
父親はつぐみの話も聞かず頭ごなしに反対します。
「ナイチンゲールにでもなったつもりか!?わしは絶対許さんぞ!!」
圭吾たちの結婚式当日。
参加したつぐみは、家族や友人の愛情と祝福が溢れた温かい式を見て、自分たちの未来にもあり得るんじゃないかと期待していました。
結婚式が終わり、樹とつぐみが帰っていると、圭吾の父親とその弟が嫌な話をしているのを聞いてしまいます。
やはり圭吾と楓の結婚を心から祝福していないようでした。
さらに圭吾の父親は「先は長くないから(楓の)それまで好きにさせてやればいい」とまで言っていました。
つぐみは自分と重ねショックで泣き崩れます。
「知ろうともしない、見ようともしない、分かろうともしない人たちがいる。」
「そんな人たちとは一生分かり合えない。なら私は、もうこの世界に2人きりでいられればいい。」
「他にはなにもいらない。皆を敵に回しても2人で生きていこうよ・・・。」
樹は、つぐみが父親に反対されていることを察します。
涙を流すつぐみに「もう少しだけ時間をくれ」と抱きしめます。
樹は入院しているつぐみの父親に会いに行き・・・!?
9巻へ続く
感想
はい、やっとここまできました!
嫌いで別れたわけじゃないし、その後も好きな想いはお互い続いていたので、本当によりが戻って良かったよ。
父親を説得するのは一筋縄ではいかないだろうけど、それも覚悟の上だろうから2人の幸せな未来のために頑張って欲しい。
あと今回、長沢さんメインの話が多く、感情移入して切なくなってしまいました。
もちろんつぐみには幸せになって欲しいし、応援してるけど、長沢さんと是枝くんの想いは絶対に忘れないで欲しい。
つぐみが成長できたのは長沢さんのおかげだしね。
次回、樹が父親に何を話すのか楽しみです。
映画が公開される前に、ぜひ漫画も読んでみて下さいね♪