虹、甘えてよ。9巻(最終巻)のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
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桐生先生が痴漢事件の犯人だと疑う虹ですが、岳には言えずにいました。
そのことを偶然知った岳は、復讐を企てるように。
ついに事件の真相が明らかになる最終巻です!
31話|模倣
屋上でお昼ご飯を一緒に食べる岳と虹。
「岳はもし犯人が誰かわかったらどうする・・・?」
虹の質問に岳は少し間をあけて「殺すよ?」と答えます。
冗談に聞こえない答えに思わず聞き直す虹。
岳は「なーんちゃって」と冗談っぽく言いますが、陰で聞いていた日和はそれが冗談ではないと分かっていました。
日和は桐生先生を捕まえ、そのことを伝えようとしますが言葉が出てきません。
「無理に話さなくてもいいです。でもきっと僕のせい・・・ですね?すみません、君にそんな顔をさせてしまって。」
そう言って桐生先生は日和にキスをします。
キスをされまた頭の中が真っ白になる日和。
こんなに近くにいるのに目の前の桐生先生の本当が姿が全然見えてきません。
でもひとつだけわかったことがありました。
それは”この人を失いたくない”ということです。
日和は桐生に忠告します。
「先生、岳に気を付けて。」
その後、桐生の元に岳がやってきます。
「怯える女の子を見るのは楽しかったですか?」
「なんで虹だったんですか?」
桐生先生は「くだらない妄想には付き合えない」と岳を部屋から追い出します。
岳は桐生の帰宅中を狙い人気のない駐車場へと連れていきます。
テープで目隠しされる桐生ですが、すぐに岳の仕業だとわかりました。
岳は桐生が虹にしたことと同じ方法で復讐しようとしています。
もちろん桐生が犯人だという証拠はありません。
そもそも岳は最初から証拠や逮捕なんてどうでもいいのです。
ただ虹を傷付けた桐生が憎いのです。
岳は桐生を殺すつもりでした。
32話|泡沫の幸福
こんなに幸せな息苦しさがあることを、日和は桐生先生に会うまで知りませんでした。
こんなに胸が焦げ付いて痛いなんて。
何度思い出しても・・・。
家に帰ってからも桐生のことが気がかりな日和。
やはり岳のことを話そうと連絡をするのですが返事がありません。
岳が冗談で「殺すよ?」なんて言わないことを、ずっと見てきた日和は知っています。
岳はきっと有言実行するでしょう。
岳とも連絡が取れず日和は嫌な予感がしていました。
33話|喪う覚悟
岳は一方的に桐生を殴り続けます。
「何で虹なんだ。なんで虹にあんな酷いことができるんだ。」
その問いに容易く答えられない理由が桐生にはありました。
桐生は念のため護身用に持っていたナイフをポケットから取り出し、岳を斬りつけます。
「なんでか?理由なんてない!誰でもよかったんですよ!まぁたいして楽しめませんでしたけどね。」
その言葉にカッときた岳は、桐生からナイフを奪い腕を振り上げます。
刺し殺そうとした時、横から日和が止めに入ります。
「ごめん、岳。この人を殺したい程憎いのも許せない気持ちもわかる。わかってる。わかってるけどこれ以上はやめてくれ。」
桐生が犯人だとわかっていて庇う日和のことを岳は投げ飛ばします。
しかし相手は大親友の日和、岳は手加減してしまっていました。
「ごめんな、岳、味方になれなくて。一緒に怒ってやれなくて。自分でもこんな最低な人を庇うなんてどうかしてるって思ってる。」
日和にとって岳も虹も何にも代えられない大事で大切な存在。
しかし日和は桐生を愛してしまったのです。
誰に許されなくても望まれなくてもどうしようもなく愛してしまったのです。
「こんな最低な友達でごめんな、岳。ごめんな・・・。」
泣きながら謝る日和ですが、岳は桐生のことをどうしても許せませんでした。
2人の様子を見ていた桐生は、ある覚悟を決めます。
「大丈夫、君の大切な親友を殺人犯にはしません。さようなら。」
桐生はそう言って自分の首にナイフをあてます。
34話|永遠の別れ
桐生は、あんなにも強く誰かに守られたのは初めてでした。
心の底から日和を苦しめたくないと思った桐生は、自らの命を絶つ選択をします。
日和が止めに入るも間に合いません。
その時、防犯ブザーがデカい音で鳴り響きます。
桐生の動きが一瞬止まった隙に、日和は桐生からナイフを取り上げます。
防犯ブザーを鳴らしたのは、日和から連絡を受け急いで駆け付けた虹でした。
虹は「何やってんのよ!」と言って岳を殴ります。
「答えて下さい。どうして私にあんなことしたんですか?私には知る権利があります。」
桐生は虹を狙った理由を話し始めます。
小学4年生の頃、桐生は下校中ロングヘアの女に声を掛けられました。
人気のない路地裏に連れ込まれ、そこで靴を脱がされ、靴下を脱がされ、ズボンを脱がされ、下着を脱がされ、そして・・・。
桐生は自分が何をされたのかわかりませんでした。
ただどうしようもない胸のざわつきから解放されたくて、母に告白しました。
しかし母には「ハルが悪いことしたんじゃないの?」「変な目で見られるといけないから誰にも言わないでね」と言われてしまいます。
あの日の記憶は今も桐生の心を蝕み続け、2人に似た髪の長い女性を標的にして復讐を重ねていたのです。
本当は誰よりも虹の痛みを知っていたのです。
桐生の過去を知っても虹は同情なんかしませんでした。
あんな最低なことをしてもいい理由になんかなりません。
「先生はずっと独りでそこにいればいい。私はあの事件に囚われない。支配されたりしない。私は自分の力で絶対幸せになる!」
だけど虹にはやるせないことが一つだけありました。
それは絶対に許せない人が、大事な友達を救ってくれたことです。
3人がそうこうしている内に、防犯ブザーの音を聞きつけた人が警察を連れ近くまでやってきました。
桐生は一人だけその場に残り、あとの三人をその場から離れさせます。
日和はこれが永遠のさよならになると感じていました。
「こんな僕が無責任に君を愛してしまったこと懺悔します。幸せに。」
日和は最後に優しくキスをして桐生と別れます。
最終話|キミだったから恋した
翌日、学校では桐生先生が暴行事件に巻き込まれたという噂が飛び交います。
三人とわかれた後、桐生は救急車で搬送され入院。
警察の取り調べを受けるも桐生は「何も覚えていない」と証言し、犯人は捕まっていません。
岳は自分本位だったことを反省し、日和のことを抱きしめます。
「許すとか許さないとか、そういうのはもうやめよう。俺日和がそばにいなくて寂しかった。」
三人の友情は復活し、いつもの日常が戻ります。
いつものように岳と一緒に電車に乗って帰宅中の虹は、「帰りに送ってもらうの今日で終わりにする」と宣言します。
少しずつですが自信もつき、一人でできることを取り戻して行きたいのです。
電車を降りると急に大雨が降ってきました。
マンションの下につき、岳と離れるのが名残惜しい虹は「風邪ひくといけないから」と部屋に誘います。
シャワーを浴びシャツ一枚で岳の元へ。
「岳は下着を脱がせるの・・・楽しみだったりする?」
虹は泣きそうになるのを堪えて、事件のフラッシュバックが怖くて下着を脱いでいると話します。
「可愛い下着とか楽しみにしてたらごめんね」と言う虹に、岳はあえて虹が恥ずかしくないように辛くならないように反応します。
「早く俺のものにしたい。虹は世界で一番好きな女の子なんだから!」
岳が愛おしくて虹は自分から抱きしめキスをします。
「早く私を岳のものにして。」
優しく触れる指先や、熱く触れる唇に、思わず声が漏れてしまう虹。
目を閉じることが怖かった虹。
しかし今なら目を閉じても何も怖くありません。
何度も岳の名前を呼ぶ虹に、岳は「虹、甘えてよ」と涙を流しながら言うのでした。
それから数年後、二人の間には元気な男の子(ひなた)がいます。
子供を性犯罪から守るため、幼稚園では3歳から性教育が行われている様子。
明日は日和が初めて恋人を紹介してくれる日です。
高3の春のあの夜の事を忘れたことはありません。
後悔の傷も未だに疼きます。
だけど今目の前の虹の笑顔が全てだと岳は思っていました。
「虹の笑顔を守りたい」誓いは未来へと続いていくのです。
完結
感想
性犯罪、同性愛者など少女漫画にしては重たいテーマでしたが、読んで良かったと思える作品でした。
それぞれが抱える葛藤や苦しみが痛い程伝わります。
岳、虹、日和、桐生先生、結局4人を救ってくれたのは愛でした。
切なくなったり、キュンとしたり、感動したり、とにかく涙なしでは見れません。
最後に3人の笑顔が見れて本当に良かったと思いました。
あとはカノ嘘のアフターストーリーも収録されていて、大好きな私としては大満足の1冊でした♪
漫画を読んでみたいと思った方は、ぜひ無料で読む方法を参考にしてくださいね!