アスペル・カノジョ12巻（最終回）結末のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
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アスペル・カノジョ｜12巻ネタバレ
斉藤家は家族のルールを父に合わせて作りました。
なので父が怒れば怒られた方が悪いと判断していました。
自分が作ったルールは「誰にでも守れるもの」という思い込みが父を苦しめたのです。
それは恵（斉藤さん）が生まれる前に作られたルールなので、それで苦しむのは父の自業自得だと母は話します。
しかし弘樹は納得できません。
他の人たちには通じることなのに、通じない一人のためにこっちが合わせるなんておかしいと反論します。
それに恵のことを全部突き放してたワケではありません。
頑張って理解しようと努めました。
それに対し母は「家族じゃない横井さんが恵を元気にしてるのを見たら頑張ったなんて言えない」「もっと思いやりが必要だった」と話します。
しかし横井はその考えは危ないと否定します。
斉藤さんのサポートに必要なのは、思いやりではなく”情報”と”想像力”だからです。
情報といっても障害の知識ではなく斉藤さん個人の情報です。
情報を得るのは大変なので結果的に思いやりが必要となりますが、「実行の為に思いやりも必要になる」と「思いやりでサポートが出来る」では全然違うのです。
横井がどれだけ説明しても望んでいない弘樹には苦言にしか聞こえません。
そんな弘樹に「親父が怖いから向こうの味方してたくせに」と言う斉藤さん。
弘樹は斉藤さんが殴られると父の機嫌を取るために一緒になって怒っているフリをしていたのです。
しかし最初にそれをやったのは母でした。
弘樹がそうしたのは母の真似をしたから。
父が怖かったから暴力を止めない空気を母が作っていたのです。
それも斉藤さんは知っていました。
父は被害者なんかではありません。
母は弘樹に「何をどうしてほしいとは言わないけど、これまでのことで恵を責めるのはもう止めなさい」と説得します。
弘樹に責められた時は罪悪感でいっぱいだった斉藤さん。
普通の人から見れば父より斉藤さんの方が悪い奴に見えるでしょう。
そんな斉藤に「お父さんが100人の命を救った英雄だとしても斉藤さんには父親を恨む権利がある。斉藤さんが何をされたかだけが大事だよ」と話します。
そんな中、小倉から「池上（綾乃）が控訴した」と連絡があります。
斉藤さんは自分をいじめていた小倉のことを今も恨んでいますが、会って話を聞くことに。
まさか綾乃が控訴するとは思いませんでしたが、小倉は望むところでした。
一審では慰謝料たったの31万しか取れなかったからです。
小倉はストレスから抗鬱と精神刺激と眠剤を服用していました。
小倉は斎藤が退学したばっかりの時と同じ症状でした。
今日小倉が斉藤を呼んだのは、明後日真帆とりりこに会う約束があり斎藤もどうかな？という話でした。
「一応話だけでも聞いてみなよ」と言われたので、バレないよう後ろの席に座り3人の会話を聞くことになります。
真帆もりりこも中立の立場だと言いながらも綾乃が有利になるよう話を丸め込もうとしていました。
二人は本音は自分たちに迷惑がかかるから控訴を止めろということでした。
確かに当時直接いじめには加担していませんでしたが、見て見ぬフリを続けていた二人が中立顔をするのが小倉は腹が立つのです。
いじめのせいで小倉は中身の見えないものが口に出来なくなりました。
透明なものしか飲めないのでサプリで栄養を摂っています。
小倉は当時自分が受けたいじめである「虫を食べる」「胸と性器を見せられる」をしてくれたら控訴を取り下げると話します。
「自分がやられても許せるって見せてよ」と小倉は言いますが、二人は「無理」と言い逃げていきます。
当時自分をいじめていた奴皆殺してやりたいという思いの小倉。
しかし彼らを憎むほど自分も同じことをやっていたのだと知らされ苦しくて苦しくて。
綾乃を恨むと同時に自分まで恨まなきゃならなくなってしまうのです。
なので綾乃は自分がされたことを本気で憎めませんでした。
「私が綾乃を許せないなら斉藤も私を許せる筈がない。でも私は綾乃を許せない。だから私も一生許されないんだね。」
泣きながら自分の髪の毛をブチブチと引きちぎる小倉の様子を目の当たりにした斉藤は、涙を流しながら「私も小倉も他人を恨む権利がある」と言い小倉の過去を勇るします。
その様子を見て斉藤が相手を許す条件が見えてきた横井。
条件は後悔や反省ではなく、相手が壊れたかどうか。
自分は壊れてると思っている斎藤なので、相手が壊れてそこで初めて同じ高さになったと感じ取れるのです。
ある日、斉藤は赤川に好きな歌手のチケットが取れたから一緒に行こうと誘われます。
ライブに行ければ上々、断られても彼氏のせいで行けなかったという記憶がの頃だけで後々に響きます。
彼氏の存在を窮屈に感じれば別の誰かを頼りたくなるでしょう。
しかし斉藤は赤川の想像斜め上の質問を返してきます。
「私ずっと考えてたんですけど、赤川さんって私とセックスしたんですか？」
斉藤は自分なんかに親切にしてくれるのは、何かを期待してるからだと思っています。
そして自分が提供できるものは体しかないことも。
なのでそれが目当てだと思いストレートに聞いたのです。
思わぬ質問に赤川は返答に困ります。
セックスが目当てじゃないと言えば苦労して取ったライブのチケットは肉体関係なしで提供しなければならないし、それならチケットはやらないと言えばセックスは拒否される上に体目当てで親切にしてたのを認める形になってしまうからです。
赤川は急ぐことをやめ時間をかけてじわじわとチャンスを待つことに。
家に帰った斉藤は、横井と一緒に布団に横になり「私横井さんとセックスしたい」と伝えます。
正直斉藤は赤川が体目当てでもいいと思っていました。
下心あっても助けてくれる人はいなかったからです。
しかし親切のお礼に「提供する」と考えたら初めてがお礼になるのは嫌だと思いました。
誰かとすると考えたらとにかく横井とヤりたいという気持ちになったのです。
そんな斉藤に「子供が出来たらどうするって結論は変わってない？」と訊ねます。
今でも母親になる自信がない斉藤は子供は作れないので避妊して出来ないようにとは思っていました。
それでもできた時は堕胎するという気持ちも変わっていません。
改めて話す斉藤に「斉藤さん堕ろすって決断できる？」と問います。
人はやはり簡単には変われないし斉藤も変われたとは思いません。
でももしお金や気持ちの問題で堕ろせない場合は「私と似ないように育てるしかないですね」と答えてくれたのです。
これは斎藤にとって大きな心境の変化でした。
涙を流す斉藤を抱きしめ、ついに身体を重ねる二人。
結局痛すぎて最後まですることはできませんでしたが、斉藤が自分の過去を肯定したことに意味があるのです。
平和な日でもフラッシュバックや離脱症状でいきなり別人になることもあります。
解決なんて無いし終わりもありません。
ハッピーエンドなんて現在進行形では存在し得ません。
生きている間はずっと”エンディング”の先があるのだから。
ただただ毎日やれることを続けてハッピーを積み重ねてバッドエンドから距離を取り続けるのです。
伝えられないことを持っている横井だからこそ、それが見える斉藤さんを受け入れたのです。
2人は一緒にお風呂に入りながら「来年の誕生日」を一緒に過ごす約束をするのでした。
完結
アスペル・カノジョ｜感想
とても素晴らしい作品だと思います。
発達障害を持って生まれてきた一人の女の子の生きづらさを描いているのですが、同情的に描いていないところが私は好きです。
とても美談とは言えませんが、お互いに葛藤し少しずつ変わっていく姿に勇気を貰いました。
あとがきも読ませていただきましたが、原作者の方の並々ならぬ覚悟を感じました。
ラストでは二人が幸せそうにケーキを食べている描写があって、すごくホッとしました。
斉藤さんの髪がロングになっているということは数年先も一緒にいるって解釈で大丈夫ですよね。
等身大でこの世界を生き抜く二人が想像できるラストで良かったです。
ぜひ漫画の方も読んでみてくださいね♪
