かなたかける9巻

かなたかける9巻のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。

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男子駅伝に男女混成チームで挑む箱根桜台中チーム。

1区の菜穂は区間ただ一人の女子選手ながら上位の5位でタスキを繋ぎます。

2区の諏訪、3区の石田とレースが進む中、アンカーとしての出番を待つかなたは、出雲と「負けたら一緒にハコネに出る」という約束を交わします。

それは陸上の世界の住人になるという約束でした。

9巻|ネタバレ

3区の石田はまだ8位集団に食らいついていました。

しかし3区は今大会最も短いスピード区間。

各校中距離のトップを用意してきています。

中距離はラストのスパート合戦までどれだけ足を残せるかを競うスポーツ。

みんな200m分の速筋を残しているので、まだまだスピードが上がっていくのです。

案の定ペースを上げる8位集団。

しかし石田も諦めることなくついていきます。

そしていよいよタスキは石田から4区の宮嶋へ。

宮嶋は音楽のようにリズムを刻み焦らず冷静に走り続けます。

駅伝は大編成のブラスバンドのように。
一つの音楽を形作り奏でているんだ。

耐えて耐えて耐えて、ようやくきた勝負所。

残り1000m弱のロングスパート。

スピードのない宮嶋が前を走る集団とぎりぎり戦えるかも知れないたった一つの武器でした。

全身が苦痛に喘ぐ、スパートも残りあと500m。

宮嶋は吹奏楽部でも地味な基礎の練習を誰よりもコツコツこなして手を抜きませんでした。

コツコツ走り続ける才能は、見た目は華々しくありませんが、誰にでもあるものでは決してありません。

駅伝は5区へ。

宮嶋からはるとにタスキが繋がれます。

現在、順位は一つ上げて10位。

出雲の中学とのタイム差は1分25秒です。

あとははるとがさらに差をつけるだけ。

5区だけに設定された島の中心を突っ切る最大傾斜15%以上の山道で一気にタイムを稼ごうとするはると。

しかし自信を持っていた登りで、順位を落としはるとのレースプランに揺らぎが生じてきます。

登りで抜かれたどころかついてもいけないはると。

少しでも差を縮めるために下り坂で挽回しようとするのですが、下りでも差が縮まりません。

その上平地では下りでの疲労が一気にきて、さらに順位をおとしてしまいます。

菜穂が、諏訪が、石田が、宮嶋が、あんなに必死に積み重ねた1秒ずつがいとも軽く軽薄に消えていきます。

はるとは忘れていた感覚を思い出します。

走るって・・・むちゃくちゃ苦しいんだった。

その時はるとは今までの練習を思い出します。

仲間に教えてもらったことを思い出し、ようやく立て直すことが出来きました。

前の選手の後ろにぴったりとつき走っていると、前の選手に声を掛けられます。

「なぁ、きみ!そろそろ俺の背中で休んだろ。後半の登りが来るまでまだ少しある。足柄北の今井はプチ山の神だ。それまでに追いついときたいんだが・・・協力しろよ。」

正直もっと休んでいたかったはるとですが、提案を受け入れ横に出て競り合う形でスピードをあげます。

今井に追いついた2人は、そのまま今井のあとについて順位をあげていきます。

登りに入り、はるとは無謀にも山の神と言われる今井を追い抜こうとしていました。

みんなに俺登り任されたんだよ。
負けっぱなしじゃ笑えねーよ!

そしてはるとは、登りで今井を追い抜くことが出来ます。

信じろ!俺は登りが強い!

そしていよいよ6区のアンカーへ。

入賞圏内の7位から6人の大集団がやってきました。

5秒遅れてはるとがやってきます。

最後の激走を終えたはるとからタスキはいよいよかなたへ。

2人は一言も交わしませんでした。

交わされたのはただタスキだけ。

まるで約束みたいに。

かなたは焦らず身体が走り始めたと認識してから対応できるまでゆっくり走りだします。

そしてスタートしてから300mで明らかにスパートをかけていました。

足の遅いかなたは、スタートからラストスパートをかける作戦を考えていたのです。

もちろんこんな無茶、途中で潰れる可能性大。

抑えていた自分を全部出し走り出したかなたは・・・!?

10巻へ続く

感想

前巻から引き続き、駅伝では選手それぞれの頑張りが生きていて、思わず応援したくなります。

一人ひとりの戦う姿を丁寧に描かれていて良かったです。

そしてラストでは、ついにかなたにタスキが渡りました。

かなたのとんでもない作戦に驚きつつ、かなたならできる!と期待感が膨らみます。

上記のネタバレでは省略していますが、9巻はかなたの回想から始まります。

かなたの中学1年生春の頃が描かれています。

興味のある人は、ぜひ漫画で読んでみて下さいね♪

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