ランド6巻

ランド(山下和美)6巻のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。

今巻では、ついに「この世」について明らかになります!

※漫画を無料で読む方法は、下の記事で説明しているので参考にしてくださいね。

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和音が持っている「捨吉からの手紙」を読みたい一心で「この世」にはない「文字」を懸命に調べ学習する杏。
西の神を調べたせいで捕まってしまいます。

杏は無罪となるのですが、代わりに子供を多数生贄にすることが決まってしまい・・・!?

ではここから6巻のネタバレです。

39話|伝心

放免といっても杏がすぐに解放されるわけではありませんでした。

すでに生贄にされる子供の選別に入っており、杏の代わりに30人の子供たちが選ばれます。

自分の代わりに子供たちが生贄にされると知った杏は衝撃を受け、その心の揺らぎは遠く離れた「あの世」にいるアンにも伝わります。

それでも杏には少しだけ希望がありました。

それは西の神様に登ったあの時、杏が落ちる瞬間見たそれは、西の神様がびっくりした目をしていたのです。

(私が落ちるのが予想外だったんだ)
(もしかしたら西の神様は子供が死ぬことを望んでいないんじゃないか・・・)

それに杏は、西の神様の顔に見覚えがありました。

一瞬、和音が思い浮かぶ杏ですが、(いやいや)と首を振ります。

そしてだいぶ前のことを思い出します。

(あーーっ)
(あの娘がかぶってた皮に似てるんだ)

杏が見た顔はモニター越しに映る天音の顔でした。

「この世」は今天音が管理をしていました。

今までは何があってもいつも一緒だった和音と天音ですが、最近和音は天音のことが分からなくなってきていました。

40話|慟哭

平治(平太の父)と我二郎は知命後の世界で飛行機を動かそうとしていました。

しかしどうやって動かせばいいのか見当もつきません。

そんな中、平治は望遠鏡を見つけ中を覗いてみます。

すると遠く向こう側に実際空を飛んでいる飛行機をみつけたのです。

「すげぇ。俺たちマジで空飛べるかもしれないぞ・・・。」

その頃、杏の代わりに生贄となった子供たちは、四ツ神さまが喜ばれるよう皆から祝って送り出されています。

祭りは人の心を昂揚させます。

祭りは団結を生みあちこちに燻っていた恐怖も疑問も吹き飛ばします。

1人1人がどう思おうと関係ないのです。

「かつてあなたのお母様も通られた道です。」

「この世を支配するためには行わなくてはならないのです。」

狐の面を被った者は、蓮華にそう言います。

蓮華は落ち着くために、この世で唯一自分になれる地下の部屋へ。

この世にはないはずの道具で、この世にはないはずの日記帳に日々を綴っています。

この世にいる人間でこれを読めるのは、母が死んでしまった今は、たった2人。

蓮華、そして捨吉だけ。

狐の面を被った者の正体は、捨吉でした。

41話|分岐

蓮華の父はランドの会長、つまり天音です。

これは蓮華がまだ大学生の頃のお話です。

「蓮華、”この世”へ行ってくれ。」

ある日、蓮華は天音から母・あやめの代わりに”この世”を統治して欲しいと頼まれていました。

その頃、天音は進行を止めることができない病気にかかっていました。

天音の身体の自由がきかなくなって以来、母はずっと”この世”に派遣されたまま連絡もありません。

「別の人にやらせればいい」と蓮華は言うのですが、天音は他人に任すことはできないと思っていました。

「この世は僕たちが生んだ世界だ。そして僕たちの世界を健全に末永く繁栄させるために必要不可欠だ。」

「別の人間になど任せられない。」

だからといって蓮華だってワケの分からない”この世”の統治なんてしたくありません。

蓮華は今度こそ家出を決意し同窓会へ。

同窓会には昔蓮華が好きだった久松くんも来ていました。

蓮華の気持ちが変わったのは、久松くんを見た瞬間でした。

蓮華はとりあえず天音と和音が作り上げた世界の根っこの部分である”この世”を見学してみることに。

(どんな仕事なのか何も分からないけど)
(自分の気持ち次第で道は開けるはず)

そして蓮華の”あの世”での平和な生活は終わったのです。

42話|異界

蓮華は”この世”に来て一日目で地獄を見ました。

山に捨てられた生贄の子供がカラスに喰われているのです。

その光景が衝撃的すぎて思わず嘔吐する蓮華。

そんな蓮華に天音は「気にするな、最初だけだ」と声をかけます。

「これもかつては日常的に行われていたことだ。」

蓮華は生贄制度をやめさせるように言うのですが、天音は「ここにはここの正義があるから駄目だ」と言っています。

「何の処置もされていない人間がここで新しく歴史をつくっているんだ。凄いだろう。」

今の時点で分かったことは、やはり人間には神が必要なんだということ。

初めに神話があれば、人々は何代にも渡り語り継ぎます。

自分で自分を縛っていくのです。

(ここにいる人たちって何なの・・・?)

この世の人々は、あやめのお告げ通り、西の神の足下から現れた蓮華たちを「生贄を差し出した甲斐があった」と喜び迎え入れます。

”この世”は蓮華が今までいた”あの世”と近いようで全く違いました。

この世は地図上にはない人工衛星にも映らない、検索もできない誰も知らない特区です。

同じ人間ですが、まったく違う生き物で、情報を持たず、文字を知らず、神だけを信じる、全てがリセットされた人間。

蓮華は10年ぶりに母・あやめに再会し驚きを隠せませんでした。

母はめっきり年を取り老けていたのです。

不老不死が可能な”あの世”ではとても信じがたいことでした。

それは蓮華が同窓会で再会した久松くんも同じでした。

役者の久松くんは「年寄りの役をやるために」不老不死をやめることを自ら決断した一人でした。

そんな決断ができる人がいるのかと、蓮華はあの時心を動かされたのです。

(生きようと思えばいくらでも生きられる時代なのに)
(何かを成し遂げるために命を懸ける)

(そんなことが私の人生にありえるだろうか・・・?)

43話|法度

まだ”この世”を統治する覚悟が出来ない蓮華。

そんな中、蓮華は捨吉と出会います。

捨吉は以前行った生贄の儀式で唯一生き残った子供でした。

その年は本当にひどい飢饉で、今年の何倍もの子供を生贄に差し出しました。

あまたひしめく屍の群れの下に隠れ、3歳の子供がカラスを喰い生き延びて獣となり、2年間山の中で生き続けたのです。

それが度々家畜を襲うようになり、この世の者は駆除すべく罠を仕掛けたのですが、獣と化した餓鬼はなかなか手強く、何十人もかかってやっとこさで捕獲することが出来ます。

殺されるところをたまたま居合わせたあやめが、これほどの強運の子供は見たことないと言い、救ったのです。

名もない子供に、これ以上捨てられぬよう「捨吉」と名付けたのもあやめでした。

その後、捨吉は堀の内で仕事を与えられよく働く真面目な少年になりました。

蓮華は母と捨吉のやり取りを見てすぐに気が付きます。

(そうだったのか)
(分かった・・・何故お母さんがここにずっといるのかが)

母は捨吉に惚れていたのです。

しかしそれは娘の蓮華から見るとすこぶる気分の悪いものでした。

44話|禁忌

むごたらしい仕打ちがある一方で、ほほえましい平穏な家族もいるとあやめは蓮華に教えてくれます。

この世を知るためにあやめに連れられ、蓮華は屋敷内を歩き回ります。

捨吉は常に2人の近くでいてくれていました。

まるで鳥のように、2人から目を話さず屋根の上を飛び回っているのです。

かと思えばすぐ後ろに立っていたり。

堀の外には常に死と隣り合わせの現実がありました。

見ないようにしてきた現実をこれから直視して生きていかなければならないことが辛くて耐えられず、蓮華は逃げ出してしまいます。

四ツ神様信仰はすごく、夜は拍子抜けするくらい簡単に堀の内から抜け出せます。

四ツ神様の像の足下に向かおうとする蓮華ですが、獣に行く手を阻まれてしまいます。

助けてくれたのは、捨吉でした。

捨吉に連れられ屋敷に戻ることいなる蓮華。

その途中、捨吉は足下に文字を書きます。

「いどの井。”ど”はどんな形?」

捨吉は蓮華とあやめの会話を聞いていたのです。

この世の人間に文字は教えてはいけないという決まりですが、蓮華は捨吉に文字を教えてしまいます。

一つ破ったらあとは二つも三つも同じ。

捨吉の嬉しそうな顔が見れるなら、蓮華は地獄に落ちる覚悟もありました。

それから蓮華は母の目を盗み、地下室で会うようになり、捨吉はどんどん文字を覚えていきます。

地下室で捨吉はこれまでの怒りを吐き出します。

山で生きていた時の肉体的な苦痛ではなく、言葉による苦痛が捨吉を苦しめていました。

生贄なのに生き残るということはあってはならないことだったからです。

捨吉は何年も何年も酷い言葉を投げつけられてきました。

だから耳と口を塞ぎ、あやめの言葉だけを聞くようになったのです。

「もっと文字を覚えよう。」

「ここには誰も来ないから、嫌な思いを全て吐き出すことが出来る。」

(私があなたを守るから)

それから2人だけの場所で、2人だけの時間を過ごすことに蓮華は没頭しました。

⇒7巻へ続く

感想

今まで謎だった部分が一気に種明かしされています。

天音と和音が双子なのに、年齢が違う理由も知れて納得。

ランドは会社であり、あの世の世界は不老不死が可能なのね。

蓮華がこの世を統治することになった過程、そして捨吉の過去も知れてどんどん繋がっていく。

ネタバレでは細かいところまで書き切れなかったので、ぜひ漫画も読んでみて下さいね♪

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