サターンリターン10巻(最終巻)の結末ネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
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アオイが自死してからもう一年が経ちます。
遺族や恋人友人らの日常は時が止まったままでした。
どうして死んでしまったのか?誰のせいなのか?
残された者達はどう生きるのでしょうか・・・?
目次
サターンリターン|10巻78話ネタバレ
文芸に来て歴史に残るヒット作を出す野望があった小出ですが、今ではそんな野望もすっかりなくなっていました。
明日が見えない可能性を夢見るより、ベテラン作家・秋葉先生の美容ルポを全力フォローにいそしんでいます。
秋葉先生宅に向かう電車の中で、まきから「出てくね」と宣言される小出。
パニックになった小出はとっさに雑なプロポーズ。
しかしまきには「いや無理W」とフラれてしまいます。
秋葉先生に相談すると「女は皆刺激が欲しいの」とアドバイス。
彼女は加治理津子を追いかけていた時の小出が愛しかったのでしょう。
もちろんそれは秋葉先生も例外ではありません。
秋葉先生が恋に落ちたのは理津子を狙う小出だったから。
秋葉先生は小出さえその気なら小説家の自分を賭けても”狩り”のお供をする覚悟はできていると話します。
まきが小出宅を出ようとした矢先、小出宛に小包が届きます。
まきは小出の帰りを待ち帰って来た小出に「ご飯にする?それとももっと興奮するやつ試してみちゃう?」と聞きます。
小出の留守中に届いた小包は、獄中にいる理津子からの招待状でした。
そこには小出のロレックスが入っていたのです。
小出は窃盗罪で懲役1年に課された理津子のいる刑務所へ。
病室以来、半年ぶりの再会です。
あの日、二子玉川のマンションに帰った後、夫の一史と二人で冷凍餃子を焼いて食べ、24時間窓口営業している区役所に2人で離婚届を出しに行きました。
途中、感極まった一史は記入済みの離婚届を破って見せますが、それは予め理津子がカラーコピーをしていた物で、逆上した一史は近くの交番へ駆け込み、指名手配されていた理津子は御用となったのです。
獄中での理津子は欲求不満なようで小出にセクハラ発言をしています。
「真面目に」と言う小出に「一体私に何を求めてるんですか?」と返す理津子。
毎日会社往復して、仕事をこなして、彼女とセックスする真面目な人生を送る小出たちの代わりに、理津子は沢山嘘をつきました。
真面目に生きたって理津子には誰もいません。
小出は理津子がここまで堕ちたのは、自分に償う為だと思っていました。
最初から嘘で騙そうとか利用しようとしたんじゃなく、ただ救いが欲しかっただけ。
ただ居場所を確保するために、嘘をやめなかった自分を償うためだと思っています。
退室させられる理津子に「今度こそ助けが欲しいなら助けてって言って下さい」と小出は言います。
サターンリターン|10巻79話ネタバレ
9月某日、アオイこと中島淳が自ら命を絶って一年が経ちます。
同日、週ストに理津子宛にさほから手紙が届きました。
アオイの一周忌のお墓参りにさほと二人で行く予定だったみちるですが、急に連絡がつかなくなり困っていました。
さほは介護施設でヘルパーの仕事をしながらずっとアオイのことを考えていました。
アオイが「死にたいヤツに死ぬなって言わんとこ」が好きと言われたことを思い出し「本当は死ぬなって言って欲しかったんでしょう?」と呟きます。
結局、みちるは一人でお墓参りに行くことに。
さほに電話をかけながらアオイのお墓前に行くと、お墓の前にはさほのスマホが置いてありました。
理津子宛にさほから手紙が届いた同じ頃、さほが失踪。
さほはアオイの一周忌に職場を抜けだしアオイのお墓にスマホを置いて、その後消息を絶ったのです。
アオイの死はまだ全然終わっていませんでした。
サターンリターン|10巻80話ネタバレ
1年後、9月某日、さほは沖縄県沖縄市にいました。
今は一年前にお店でツブれていたさほを親切心で助けてくれた健と一緒に住んでいます。
冷蔵庫なしで沖縄で暮らしている健に驚き「この人は生きてける人や」と感動したことを覚えています。
「絶対俺はいなくならないから」と健にプロポーズされ、即答でそれを受けいれるさほ。
しかしその後彼はさほの為にデカい男になると言いアメリカに行ってしまいます。
結局さほからさよならを言い、寂しいさほは旅行に来た男性とワンナイトを楽しみます。
彼が寝ている間にタクシーで喜屋武岬へと向かうさほ。
そこは付き合っていた頃、アオイと新婚旅行はそこにしようと言っていた場所でした。
さほは涙を流しながら「中島、私やっとあんたの気持ちがわかった」と言い海の中へ飛び込もうとします。
そんなさほの手を掴み「あかんってさほ」引き止める理津子。
理津子だけではなく、小出とまきと秋葉先生もいました。
サターンリターン|10巻81話ネタバレ
5人は沖縄そば専門店へ。
さほが元気がないのは婚約者である健だと思い「連絡したら?」と言いますが、さほは裏切った手前健の元には戻れないと話します。
それは浮気をしたからではありません。
あの日からさほは空っぽなのです。
空っぽの自分を愛されても虚しいだけで、なのに寂しくて手近な人の優しさを利用して傷つけて。
さほは自分を責めていました。
いじけるさほに「私にそっくり」と言う理津子。
「でも大丈夫やで。私が良いもん見せてあげる。嘘の人生のせいで刑務所行って帰って来た私が。」
そう話し向かった場所は沖縄に住む理津子の妹・菜津子の住む家でした。
絶交していた割にあっさりとした再会に拍子抜けの小出。
理津子は本当に欲しいものが手に入らないことを妹のせいにして逃げてきたことを、菜津子に頭を下げて謝ります。
理津子は自分が幸せにならないことで、ずっと菜津子や他の人の足を引っ張ってきたのです。
もしかして、と感じたさほは菜津子に中島がここに来たことがあるか聞きます。
中島はずいぶん前にさほと全く同じことをしに喜屋武岬にきていました。
海に飛び込もうとする中島に「まだやらなあかんことあるやろ」と引き止めた菜津子。
中島が現れてから姉妹はめちゃくちゃになりました。
理津子の心が弱いせいですが、そこにつけこんだのは中島です。
菜津子は死ぬなら姉を元の理津子に戻してからにしてと訴えました。
呪いを解いて、少しでも満足してから死んで、と。
これは理津子が東京に行ってすぐの話です。
それから随分時間が経って「死んだ」と聞き、中島なりにやれることをやった後の決断なら仕方ないと思っていたのです。
死ぬ前に変なヒントを残したのも、中島なりに生きる目的のようなものだったのかもしれません。
5人で話をしていると「ただいま」と中年のおじさんが帰ってきます。
父と間違い「お父さん!?」と口にする理津子ですが、彼は菜津子が2年前から一緒に住んでいる恋人でした。
菜津子が中島の後につき合った人は全員50代のおじさん。
理津子とは違う形で、菜津子も父の呪いがかかっていたのです。
しかし菜津子はいつだって幸せでいようとしていました。
それが生きてる人間の義務だから。
サターンリターン|10巻82話ネタバレ
毎日7キロくらい走るのが習慣となっているえみ。
西くんは京都の大学、ゆきは母の田舎に帰り和歌山へ、えみは高校中退の無職です。
大検をとって進学する気だったえみですが、今はなんのためにどこに向かっていけばいいいのか分かりません。
どこにも行ける気がしないのです。
犬の散歩中の西くんと会い、家まで送ってもらったえみ。
ポストに「事故物件」と落書きをされているのを見た西は「消そ!」と気遣ってくれるのですが、えみは「帰って」と冷たく突き放します。
西は家も金持ちで犬もいて、大学は関関同立で立派で、そんな「幸せなほう」の人が自分なんかの近くにいてはいけないと思ったのです。
それに優しさのつもりでしょうが、不幸の味見をされているようで腹が立つのです。
家に入りいつも通り父母と食卓を囲むえみ。
普通の家族に見えますが、みんな一生治らない「不幸」という病気にかかっていました。
うちで起こったことで他人の幸せの邪魔をしてはいけないと母は思っているのです。
頭では違うとわかっていても毎日笑ってみせても、どうやったら違うと思えるのか分からないのです。
その時、理津子が家にやってきて「こんなところからは抜け出そう」とえみを連れ出します。
サターンリターン|10巻83話ネタバレ
中島が昔乗っていた車を借りて、西も一緒に旅に出る3人。
資金は中島が死ぬ前に女たちから集めた目的不明の8万円でした。
西とえみを見て、昔中島とドライブをしていたことを思い出す理津子。
高速道路に乗り「みんなで5秒目つむろ」と強引に二人にやらせます。
こっそり理津子だけが目を開け後ろを見ると二人が手を握っていました。
急ブレーキを踏み止まった先にいたのは、かもめの母と子でした。
サービスエリアで止まり観覧車に乗る中で「私も中島と手繋げばよかったな」と理津子は言います。
怖いと思う時には手繋げばよかったし、夜ばかりじゃなく晴れた昼に出掛ければよかったのです。
「なんで私、一緒に暗い方ばっかり一緒に不幸になってあげることしか思いつかんかったんやろ。」
サターンリターン|10巻84話ネタバレ
Xmas当日、シャンメリーを飲みながらいい気分の小出ですが、まきは体調不良で横になっています。
せっかく半休にしたのにと言う小出ですが、まきは仕事がつまらない逃げ場にしていると思っていました。
まきは愛に生きる小出よりも、仕事に夢中になっている小出の方が魅力的に感じていました。
まきに核心をつかれショックを受けた小出は、家を出て友人たちのクリスマスパーティーに参加します。
何もしない自分を笑ってくれる仲間と場所があることに安心し、仕事へのモチベーションはさらに下がります。
翌日、小出は編集長に呼び出されこのままだと異動になると告げられます。
確かに決められた仕事は期限通りにこなしている小出ですが、前のように仕事への熱意が感じられないのです。
編集の仕事は結局編集が一番楽しい奴がやる仕事であり、飲み会が一番楽しいなら飲み会を最優先にした人生設計にすればいいのです。
編集長の言葉に考えさせられる中、まきから妊娠報告があります。
小出はすぐさま秋葉先生宅を訪れ「まだ俺への恋心って生きてますか?加治さんを狙う俺への恋心」と話します。
秋葉先生は快く引き受けてくれて早速作品作りが始まります。
理津子をモデルにする了解を得るために、理津子の居所を捜し出し「悪女になりませんか?」と誘います。
サターンリターン|10巻85話ネタバレ
小説を書くのは秋葉先生ですが、本人も交えた作戦会議が必要でした。
理津子は引き受けてくれ約束を取り付けます。
現在、理津子は犬の洋服を作る仕事をしていました。
一緒に働くバイトの子はみんな中国人で社長以外言葉が通じません。
年末の仕事納め、家に帰って餅を作り銭湯へ行っていつ役に立つのか分からないところを念入りに洗う理津子。
湯上り帰ろうとすると何者かに盗撮をされます。
追いかけて捕まえると彼は仕事場のバイトくんでした。
盗撮したのは理津子の顔でピンときた理津子は、家に彼を誘います。
ちゃっかりセックスをしてすっきりな理津子。
結局、約束をしていた場所に理津子は現れず伝言だけが届きます。
その後、小出に子供が生れ報告を受ける理津子。
この世がめでたい場所なのか正直わかりませんが、「生まれておめでとう」と声をかけます。
秋葉先生が書いた加治の小説も完成します。
本の表紙は理津子が自ら送った彼に盗撮された加治理津子の写真です。
これは私の人生のしょうもない一人の女の人生の物語。
私の人生はどうしたって私のもので、そしてそれはいつもあなたのものでもあるのです。
完結
サターンリターン|10巻感想
言葉のひとつひとつに重い意味があってとても考えさせられました。
人間味のある漫画でしたね。
なかなかえぐられる内容でしたが、最後は綺麗に終わってよかったです。
漫画を読んでみたい方はぜひ無料で読んでみてくださいね♪