サターンリターン4巻のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
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5年前のデビュー以来、新作が書けない半ばリタイア状態の小説家・加治理津子。
理津子のデビュー作「午睡の国」に登場するアオイのモデルである中島の死の真相を担当編集の小出と追います。
死の直前に8人の女性にプロポーズしたことを知り、その8人の女性たちに話を聞くのですが・・・?
目次
サターンリターン|4巻26話ネタバレ
家に帰るなり、加治理津子の最新連載企画を考える小出。
この企画が通れば、東京大阪間を行き来する必要なく、加治理津子と8人の女性の闇を心置きなく深堀できるはずです。
その頃、理津子はえみと共に美優の家にいました。
カラオケの後えみが「帰りたくない」とごねたのです。
夫・一史と顔を会わせずらい状況の理津子にとっても都合がよく家でいるより居心地よく感じていました。
爆睡するえみの隣で美優と理津子は家飲みを始めます。
美優はえみには侮辱かもしれんけど、アオイは理津子に小説で書かれて嬉しかったと思うと話します。
どんな風に書かれていたとしても誰にも無視されるよりはいいと。
人はどういう形でも誰かの特別になりたいのです。
ただ特別になりたくて色んなことをやって、やりすぎて失敗して恨まれたり離れたり。
アオイだってきっとそう思って生きていたのでしょう。
二人で話をしている最中、アオイの携帯にプロポーズをした女性から返信があります。
寝たふりをしていたえみは起き上がり、二人に内容を見せます。
”今さら冗談やめて下さい。あなたのせいで私の人生は破綻しました。二度と連絡しないで下さい。横川しおり”
横川しおりと聞き、アオイと部屋を内見した時に担当してくれた不動産屋の女だと思い出した美優。
美優の持っていた名刺を頼りに、横川しおりに会いに行くことになります。
一方、一晩寝ずに考えた企画を持ちこむ小出ですが、編集長には「加治りつ子をゴシップライターに転職させる気か!」と言われ却下。
泣きべそをかいている小出の前に、理津子の夫・一史が現れます。
サターンリターン|4巻27話ネタバレ
小出は挨拶なしで泊りがけの取材に行ってしまったことを謝るのですが、一史はたとえ二人がセックスしていたとしても怒ったりしないと言います。
小出は男前だし、もともと理津子は奔放な子。
しかし勘違いしないでほしいのは、どんな手を使っても理津子は小出のためには何も書かないということでした。
一史がここまで言い切れるのは、今の理津子は本当の理津子ではないから。
理津子が一番創作に燃えていたのは、お腹に子供を宿していた時だと一史は知っています。
人は無惨にも変わってしまうものであり、変化を受け入れてきました。
一史は自分たちにはそれくらいお互いしかいないのだと話します。
「理津子の人生にはもう”小説”はないんだよ」と説明する一史に対し、小出は「書くんなら僕のためにじゃなくて自分の為、じゃないですか」と言い理津子が書いた文章を見せます。
読み終えた一史は持ち歩いていた離婚届を「これ理津子に渡して下さい」と言い小出に託します。
そして去り際「それは素晴らしいけど文学ではない」「人の不幸を面白がる週刊誌のネタでしかない」と言います。
そこで小出は「週刊ストライク」にいる先輩に企画を持ち込みます。
”女子大生とコンパ”という条件で交渉し、来月から小出担当で連載が決定します。
大喜びで理津子に報告するのですが、3人目の女性・横川しおりは勤務先で借金と横領の示談中にばっくれ居場所がわからないというのです。
新たな事件の匂いにテンションがあがる小出。
ひとまず託された離婚届は引き出しにしまうことになります。
サターンリターン|4巻28話ネタバレ
まきに合コンのセッティングを頼み小出は大阪へ。
アオイからプロポーズされた3人目の女・横川しおりはアオイの8つ上の38歳・未婚。
業務横領でクビになる前は真面目な働きぶりで、年下の彼氏ができてから急に借金をしたり売り上げをごまかしだしました。
お店の人の見立てでは、彼女は男に貢いでいたのではないかと。
解雇はしましたが、酌量もあり示談と返金だけを求めたそう。
その後、何度電話しても連絡がつかず自宅アパートを何度か訪れたが夜も真っ暗で郵便物も溜まり居場所は不明。
40女がホストだったアオイに入れあげて搾り取られ、その後居所不明ということは逃亡、もしくは死んでいるか。
居所不明の女捜し、事件臭も相当、ヒット間違いなしの予感にクラクラな小出。
なのに理津子との待ち合わせ場所へ行くと、3人目の横川しおりと一緒にいるではありませんか。
居所不明だと思っていたしおりでしたが、理津子がダメ元で家を訪ねるとたまたま家に帰って来たところにはちあわせ。
単にインターホンが壊れていただけ、郵便物はポストの番号を忘れて開けられなかっただけ、スマホも電気も止まったから暗くなったら布団に入ってイヤホンでラジオを聴いていて物音に気付かなかっただけなのでした。
詳しい話を聞くために、3人は場所をしおりの家に移動します。
部屋に入りろうそくに明かりを灯すしおり。
アオイが死んだと聞いたしおりは安堵の表情で「ほっとした。どっかで一人前にやってたりしなくて」と言います。
「私、あの子の何が好きかって”大人の男”にならないとこやから」
そう話すしおりは、働いてる男が嫌いでした。
アオイには働かないようにして、自分がいないと何もできない男の子にしたと言うのです。
彼女の色気の濃さにやられ一旦退出する小出たち。
するとしおりも出てきて、ついでに白ワインを買って来て欲しいと頼みます。
貧乏は平気なしおりですが、ワインにはこだわりがあり銘柄を指定します。
サターンリターン|4巻29話ネタバレ
アオイは夏にしおりが物件を担当した女性客(美優)の付き添いでした。
その頃、しおりは取引先の坂東に後妻にならないかと誘われていました。
断るしおりに対して失礼極まりない言葉を投げつける坂東。
しおりに言い返された坂東は腹を立て「調子こくな!このアマが!」と言いコップの水をぶっかけます。
丁度同じ喫茶店でいたアオイは、温かいおしぼりをしおりに手渡します。
「あんたおもろいな。ドラマ観てるみたいでドキドキした」
その後2人は居酒屋へ行き楽しい時間を過ごします。
帰り際「あ~あ」と大きなため息をつくしおり。
それは毎日なにもない自分が今なんかあるのが終わりそうな「あ~あ」でした。
しおりの仕事の時間まであと9時間。
9時間あればハワイにも行けますが、ハワイまで行けば9時間では帰ってこれません。
二人は朝までに戻ってこれるハワイごっこをすることに。
しおりは不動産で管理している高層マンションの一番高い部屋にアオイを連れていきます。
ろうそくを灯し何もない床の上でセックスを楽しむ二人。
二人はお酒を飲みあかし楽しい時間を過ごします。
サターンリターン|4巻30話ネタバレ
一夜のハワイごっこの後、二人はしおりの部屋で同棲していました。
同棲をはじめてからのしおりは毎日が楽しくて生き生きしていました。
お金持ちになりたいなんて一度も思ったことがないしおりでしたが、アオイと身分不相応なデートを重ねるのはただただ楽しくて不安なんて一つもありませんでした。
お金はわくわくすることに使うべき。
そう思っていました。
しかし派手な生活はそう長くは続けられず貯金も底が見え始めます。
その時、坂東から以前の無礼をどうしても詫びたいと話を持ち掛けてきます。
坂東は優先的にうちの物件出してくれたら広告費として1ヶ月分支払うというのです。
本当は計上しなければならないお金ですが、アオイと遊ぶお金が欲しいしおりにとっておいしい話でした。
坂東と個人契約しお金に余裕のできたしおりは、今まで以上にアオイとの贅沢な時間に使います。
初めてお金を稼ぐことが楽しいと知ったしおり。
しおりは興奮していたのです。
もうすぐアオイの誕生日、しおりが何が欲しいか聞くとアオイは「現金2万円」と言います。
逆にアオイが欲しいものを聞くと、しおりは「アオイくんと散らすお金の使い道」だと話します。
アオイは笑い「そしたらハワイ行こ。今度はほんまもんのハワイごっこじゃないやつ」と言うので、しおりは次の自分の誕生日までにやれることは全てをやりました。
お金はあればあるほど良かったのです。
サターンリターン|4巻31話ネタバレ
しおりはアオイと暮らす日々が気が遠くなるほど幸せでした。
自分には価値がないと悲観するアオイに「役に立つなんて生きるのにも死ぬのにもいらん」「自分の身を最後まで残さず自分で美味しくいただいたらいいねん」「一緒に誰の役にも立たんと美味しいとこ二人占めしよ」としおりは話します。
その日アオイはしおりの中で初めて涙を流しました。
そんな中、しおりが坂東と会っていることが社長にバレてしまいます。
その上ここ数カ月帳簿の金額があいません。
疑われているとわかったしおりは、とっさに坂東にやらされたと嘘をついて罪をなすりつけます。
いつでも捨てられるものには、人はいくらでもアホみたいに嘘が吐けるのです。
心から夢見たハワイへの貯金は、ビジネスに格下げすれば手が届く金額になっていました。
長い休みが取れたしおりは、家に帰り「明日ハワイ行こ!」と笑顔で言います。
しかし家にいるはずのアオイの姿はありませんでした。
お金を貯めていた蓋をそっと開けるしおり。
貯めていたお金は誕生日に約束していた2万円だけが抜かれていました。
サターンリターン|4巻32話ネタバレ
アオイに利用されて犯罪にまで手を染めたのに騙された側の悲壮感のようなものがまるでないしおりのことを不思議に思う小出。
対して理津子は利用されたのはしおりではなく、むしろアオイの方だと思っていました。
アオイを踏み台にして彼女は自分を囲っていた檻から飛び出せたのだから。
そうなるとアオイが彼女に近づいた目的が気になるところ。
単に不幸そうな女が好物なのか、それとも持ち出されたたった2万円が狙いだったのか。
小出が横川に借りた本を1ページづつ確認していくと、本の間に2万円が挟まっていました。
そしてまだ二人は知りませんが、小出が以前泊った満喫でも個室で2万円が見つかります。
その頃、えみは学校の先生から「最近長谷川どうしてる?」と聞かれていました。
えみと長谷川ゆきは元親友ですが、夏休みに絶交していて、不登校の理由は知りません。
夏休みまでは本当に仲が良くゆきは「えみより好きな男なんて絶対できない」と言っていたほど。
ゆきは理津子に顔が似ていて、会ったアオイも「加治が制服着てる」と言ったことがあります。
そんな中、アオイがプロポーズした4人目の女性から返信があります。
サターンリターン|4巻33話ネタバレ
第4の女、木野加絵子はアオイのプロポーズに初めてOKを返した人でした。
にも関わらず彼女は既婚者。
加絵子の旦那は大阪在住の超有名カメラマン・木野修。
二人はさっそく彼女の事務所を訪ねます。
アオイは一ヶ月だけカメラを教える代わりに彼女の助手をしてもらっていたのです。
その頃、えみはアオイのカメラの中を見ていました。
中にはゆきを撮った写真があり、えみは理津子を思い出し「ほんなに嫌んなるくらい似てる」と呟きます。
そこにはアオイに抱かれているえみの色っぽい顔写真もありました。
「ゆき、お兄ちゃん殺したんアンタなん・・・?」とえみはつぶやきます。
一方、一ヶ月手伝っただけだと言う加絵子に対し「何か関係あるんでしょうか?アオイとそこにずっと置いてあるその紙(離婚届)と」と質問をぶっこむ理津子。
加絵子は「関係、ないですよ。直接にはね」と言ってアオイと出会った経緯を話してくれます。
アオイは人を撮れない加絵子を挑発するように突然現れました。
アオイには何をやっても夫には敵わないと見抜かれた気がしました。
「心の奥まで見尽くして人を撮る」
そう評価されている夫、人に必要とされてる夫、もう加絵子を見ない夫。
小出は「離婚なんて大したことない」とフォローしますが、加絵子は「結婚してない人にはわからない」「結婚してても上手くいってる人にはわからない」と二人の事を突き放します。
そんな加絵子から取材をするために、小出は一史から預かっていた離婚届を取りだします。
サターンリターン|4巻34話ネタバレ
一史からの離婚届をその時初めて目にした理津子はその場で倒れてしまいます。
一方、理津子と離婚すると決めた一史はかなり荒れた生活をしていました。
部屋は荒れ放題、カップ麺とビールの空き缶の山です。
デリヘルなどを眺める中、たまたま直子からメールが届きます。
すぐに電話をかけ直子に「会えないかな?」と言う一史。
不思議なもので世の中に人は大勢いても会いたい人間はごく僅かなのです。
二人は18時に恵比寿で待ち合わせをすることになります。
離婚届を突きつけられ倒れてしまった理津子は目が覚めた後も腰が抜けて立つことができませんでした。
そんな理津子たちに、加絵子はアオイを1ヶ月雇ってたのはカメラの助手ではなく、夫と不倫相手の別れさせ屋を頼んでいたのだと打ち明けます。
夫が被写体の女の子と度々深い仲になるのは業界では有名な話でした。
有名無名関わらず一回きりの時もあれば続く相手もいました。
夫の心が今ここにあるという相手は、その写真を見ればわかってしまうのです。
アオイは「2万でやるよ」と引き受けてくれます。
サターンリターン|4巻35話ネタバレ
加絵子が美大に進学したのは、幼い頃から地味な割に自己顕示欲が強かった自分が「人並みの幸せ」以外の幸せを掴むための妥当な選択でした。
何者かになりたいというよりは、ありきたりな人生からは自由でいたい、それが夢でした。
しかし加絵子は創作に滲み出るほどの中心を持ち合わせていませんでした。
それに比べて二浪で同学年だった木野は、学生当時からいくつもの賞に入選する群を抜いた才能の持主でした。
そんな彼と急接近した関係が剥き出しの写真で、木野は最年少で業界最高の稲田修平賞を獲りました。
加絵子の人生は興奮の急流に呑まれたようでした。
圧倒的な才能を至近距離で支えるのは、加絵子にとってはこれ以上ない大役だと思いました。
木野の元に仕事が次々舞い込んで、被写体が自分でなくなっても献身は続けたつもりでした。
熱愛報道が流れても、いつもお決まりの創作論。
卑俗な疑惑は全部受け手の器の問題。
彼が他の女性と恋をすること、自分にはもう関心が向けられていないこと。
苦しみから楽になりたいなら方法はひとつ、彼の都合で完成された宗教を妄信すればいいのです。
しかし加絵子は彼のスマホの中を見てしまいます。
7年をやり過ごして離婚したい理由は夫いわく「性格の不一致」でした。
話を聞いた理津子は声を出して笑います。
「私の夫も多分今頃ワクワクしてるでしょうね。やっと自分が笑うターンが廻ってきたって。」
理津子は離婚届を追って屑入れを作り、加絵子のとこの離婚届をぐしゃっとして中に入れます。
理津子は「木野さんも旦那さんが壊れるとこ見てみたいですよね?楽しみましょう。どうせ誰一人傷つくのも傷つけるのも逃げられないんだし」と言って・・・?
サターンリターン|4巻感想
鳥飼先生の言い回しとか表現力好きやなぁ。
心を動かされちゃうほうと、動かしちゃうほうに分かれるっていうのすごく納得しました。
色んな人いて面白いけど、やっぱり一番狂気を感じるのは理津子かなぁ。
この作品の行く末が気になりますね。
とても面白いのでぜひ無料で読んでみてくださいね。