椿町ロンリープラネット14巻(最終回)のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
※漫画を無料で読む方法は、下の記事で説明しているので参考にしてくださいね♪
前回、暁のもとに義母から手紙が。
帰りたがらない暁をふみが後押し、2人で暁の実家へ向かいます。
どこかよそよそしい暁と義母の様子にすれ違いを感じたふみは、一泊することを提案。
その夜、暁は義母が病に侵されていると知ります。
大事なことを黙っていた義母に暁は怒りをぶつけ、義母は苦しい胸中を吐露。
過去のわだかまりが解けて・・・?
ではここから最終巻のネタバレです!
14巻|ネタバレ
「俺は愛されていた」
そう言った暁の声は今までで一番優しいものでした。
親というものは、親という人種だと思っていた暁。
だけど今回、義母の告白を聞いて親にもちゃんと人格があり他の人と同じように弱くて脆いことを初めて知りました。
傷ついているのは自分ばかりだと思っていましたが、義母は義母なりに悩んでいたのだと。
「また来る、多分すぐ。義父さんみたく突然失って後悔するのは嫌なんだ。できることなら長生きもして欲しい。あなたは俺にとっては唯一の肉親だから。」
義母とのわだかまりも解け気分も晴れやかな帰り道、ふみはやけに上機嫌でした。
理由は暁が前もって義母に手紙でふみを「恋人」だと紹介してくれていたからです。
そんな単純なことだけど、それだけでふみはとても幸せになれるのです。
2人が電車を待っていると、吉田拓郎の曲がかかります。
この曲は暁の義父がよく聴いていたプロポーズの曲でした。
「ふみ、結婚するか。」
とつぜんのプロポーズに言葉が出ないふみ。
偏屈で頑固で悲観主義な暁。
今回のことだってふみがいなければ、きっと義母と和解することなんてできなかったでしょう。
暁はふみに感謝をし、改めてもう一度自分の気持ちを伝えます。
「健やかなる時も病める時もお互いしわくちゃになって白髪だらけでよぼよぼになったとしても、最期を迎えるその時までオレはふみと一緒にいたい。」
ふみはボロボロと涙をこぼしながら喜びます。
返事なんて当然もう決まっています。
「覚悟しててくださいね。嫌だって言っても一生そばを離れませんから。」
大学卒業後、ふみと暁は結婚式を挙げます。
本当はもう少し後でもよかったのですが、暁の義母の後押しがあり式を挙げることになりました。
ただいま、おかえり、おはよう、またね、あいしてる。
沢山の言葉をあなたと交わしたい。
尽きる事のない話をあなたと一生語りたい。
私はあなたの生きた証。
あなたは私が愛した証。
あそこの角を曲がって、坂をのぼって椿が見える。
この家がずっと2人の帰る場所なのです。
完結
番外編|洋ちゃんと相生
洋がふみの結婚を羨ましがっていると、相生からまさかのプロポーズ。
「する?結婚。俺らも。」
突然のことに驚き、「わかんない」とだけ返事をしてしまった洋。
ふみを見て羨ましいとは思いますが、ただそれが自分となるとちゃんと奥さんができるのか不安なのです。
ふみに相談をすると、ふみからは同棲を提案されます。
同棲すれば結婚後の生活の練習にもなるし、イメージも湧きやすいからです。
洋は思い切って自分から動いてみることに。
そうして2人のとりあえず1カ月の期間限定の同棲が始まります。
ふみのように家事を完ぺきにこなそうと頑張る洋ですが、なかなか要領よくできず失敗ばかり。
しかも相生には「そういうの洋には望んでないから」と言われてモヤモヤ。
(わたし結婚とか奥さんとか向いてないのかもしれない)
そんなことを思い悩んでいると、突然の腹痛に襲われます。
ストレスによる急性の胃炎でした。
「こんなことになるなら同棲すべきじゃなかったな。」
相生にそんなことを言われ、洋は溜まっていた想いが爆発。
「私だって頑張ってるのにそんな言い方・・・。急にふみみたいになんてできないもん!そんなの私が一番わかってるもん!」
しかし相生が言いたいのは、根本的にそういうことではありませんでした。
相生は「結婚=妻が家事を担う」とは思っていません。
夕食を作ってくれるのはありがたいけど、義務ではないし強制もするつもりありません。
家事も交代でしたり、手の空いた方がすればいいのです。
「俺が結婚するのは大野じゃない。オレは洋がいい。それさえあればいいんだ。」
相生の言葉が嬉しくて涙ぐむ洋。
いつの間にか洋の中で相生はとても大きな存在になっていました。
「ねぇ、相生、こたえ今言ってもいい?」
番外編|鞍月とみどりちゃん
鞍月永人
恋する射手座の22歳
鞍月には毎週水曜に日課があります。
それはお菓子を持って大徳みどり子(通称みどりちゃん)に会いに行くこと。
鞍月より6つ上の28歳で、今は高校の体育教師をしています。
お隣さんで幼なじみのみどりは、小さい頃から鞍月にとってのヒーローでした。
サプライズのつもりでみどりと同じ高校に着任した鞍月。
きっとすごく驚いているだろうな~と考えていた鞍月ですが、予想に反しみどりには怒られてしまいます。
「下らない嘘つきやがって!お前のそういう軽いところがダメなんだ!男ならもっと自分の発言に責任もて!」
そんな中、鞍月はみどりが好きな相手(内灘先生)に気づいてしまいます。
さらにその相手が陰でみどりのことを悪く言っていることを聞いてしまいました。
すごくモヤモヤとする鞍月ですが、無闇に傷つけないためにも黙って見守ることに。
しかしそんなある日、鞍月は自ら力に自信のある内灘先生に腕相撲で勝負を仕掛けてしまいます。
昔、映画「オーバー・ザ・トップ」に憧れて腕相撲に傾倒したことがある鞍月にとって余裕の勝負でした。
(いい気味だ、僕なんかに負けるのはさぞ悔しいだろうね)
(・・・ざまあみろ)
そろそろ本気を出して負かしてやろうと思った時、みどりが見ていることに気が付きます。
鞍月はみどりを傷つけないためにも、わざと勝負に負け内灘先生を持ち上げます。
しかしみどりは鞍月がわざと負けたことに気づいていました。
「何でわざと負けた?お前が腕相撲だけは強いの知ってるんだぞ。そういういい加減なところがダメなんだ!昔からいつもそうやってふらふらしてもっとしっかりしたらどうなんだ!」
みどりにそう言われ、鞍月は思わず気持ちが抑えられなくなってしまいます。
「内灘先生みたいに?分かりやすいよね、みどりちゃんの好みって。自分より強そうで見るからに脳筋で中3から全然変わってない。」
「僕はね、みどりちゃん。全然軽くなんかないよ。もう10年以上片想いこじらせてる。僕だってみどりちゃんの前じゃずっと男だよ。」
みどりが好きになるのは、いつも鞍月とは正反対の人。
だからせめてこの距離を守っておきたいと思っていました。
毎週水曜、夜8時半、珈琲、紅茶、お気に入りのカップ、小さなサプライズを持って。
それだけで良かったのです。
その日から鞍月がみどりの家に行く事はなくなりました。
ある日、鞍月が中学の卒業式の日以来、13年かかさず毎週来ていたことに気づくみどり。
その日はみどりが好きな人にフラれた日でもありました。
傷つくみどりを見た鞍月は、元気づけるためにその日の夜お菓子を持って家にやってきてくれたのです。
その頃、鞍月は1人部屋で落ち込んでいました。
あんな風に告白してみどりを困らせたかったわけではありません。
一緒にいられれば良かった、憧れのみどりちゃんの近くにいられたらそれで。
しかしそれは本心ではありません。
(認めろよ、馬鹿)
(みどりちゃんはヒーローなんかじゃない)
(ずっと僕のヒロインだった)
その時、みどりが窓から柿の種のお菓子をもってやってきます。
「水曜はお茶会するんじゃないのかよ。」
みどりは鞍月の気持ちを知ったうえで続けたいと思っていました。
鞍月は嬉しくてみどりを抱きしめます。
「俺頑張ってみどりちゃんのこと振り向かせるから待ってて。」
13年分の距離がこれから少しずつ縮まっていきますように。
番外編|桂と諭吉
2次元、2.5次元、3次元、とにかくイケメンが大好きな桂。
サラサラな黒髪、涼やかな目元、シュッとした顎、少し意地悪に笑う口元、色白でムダ毛の無い体。
そんな夢のようなイケメンといつか恋に落ちるのが桂の夢でした。
(本当、何もかも理想の相手だったのになぁ)
(結局男なんて皆ああいう家庭的な女がいいんでしょ)
暁にフラれ傷心中の桂に、さらに追い打ちをかけるようにヲタ友からラブスタの舞台に行けなくなってしまったと連絡があります。
しかも理由が彼氏の誕生日とかぶったから。
ヲタ友の裏切りに居酒屋で1人ヤケ酒をしていると、店の店主・熊本諭吉に声を掛けられます。
「あれ?もしかして・・・書店の?桂さんでしたっけ?」
彼は桂の働く書店のお客さんでした。
そそくさと店を出ようとする桂ですが、食べ物でつられ引き止められ結局長居をすることに。
完全に酒がまわり諭吉に愚痴を吐きだす桂。
「私だってねぇ、もういい年だし理想ばっか追い求めてバカみたいってわかってる。そんなんだから男の人と一度もまともに付き合ったこともないし、どうやって自分の弱みを見せればいいかわからない。なんで私こんな面倒くさいんだろ。」
お酒のせいか、眠気のせいか、桂の心の奥底の本音がするりと出てしまいます。
気づけば朝で、隣には諭吉が眠っていました。
「ま、まさか!」と焦った桂は、自分の姿を見るのですが、ちゃんと服は着ていました。
「泊めてくれて礼は言いますありがとう。でも昨日のことは忘れて!なるべく早くね!あともう二度とうちの店に寄りつかないで。私もここに来ないから!じゃあね!」
冷たく突き放す桂ですが、その日諭吉は書店へやってきます。
とげとげしい桂に、忘れ物の舞台チケットを渡す諭吉。
必死に店の子たちから隠す桂に「自分の好きなものなのになんで隠す必要が?」と正論を言ってくる諭吉。
「いいじゃん、楽しそうで。」
諭吉のその一言に桂は思わずドキッとしてしまいます。
チケットも余っていたので桂は諭吉を誘って一緒に舞台へ行く事に。
(何で私この男誘っちゃったんだろ)
(まぁ正直興味をもってくれてちょっと嬉しかったってのはあるけど・・・)
全然タイプじゃないのに、不思議なことに一緒にいて落ち着くのです。
それからは2人でよく一緒にいるように。
そして大晦日、1人で年越しもなんだしと桂は諭吉のお店に顔を出し初詣に誘います。
なのにその後、店に来た諭吉の友達に「彼女?」だと聞かれ、「好みも全く違うしそういう風には見てない」と言われてしまい、桂はショックで店を飛び出してしまいます。
(別に全然好きじゃないし、あんな男)
(そりゃあちょっとは楽しかったけど、だからってそんな傷つくことじゃない)
(行きつけの店が1つ減っただけ)
(ただそれだけのこと、だから全然泣くことなんかない)
泣いている桂を追いかけ、引き止める諭吉。
実はさっきの話には続きがありました。
「俺は君の好みとは全く違うし、君はきっと僕の事をそういう風には見てないから、てこと。それでも俺は君のことが好きだけどね。」
驚きを隠せない桂ですが、諭吉ははじめから桂に惹かれていたのです。
その後、2人はめでたく結婚。
サラサラな黒髪、涼やかな目元、シュッとした(以下略)本当全然タイプではありませんが、これだけは言えます。
世界で一番幸せ者、それは私!!
番外編|悟郎と暁
暁と悟郎が初めて会ったのは中学一年の春でした。
席が近かった、ただそれだけ。
今日は暁とふみの二次会パーティー。
まさか暁が結婚式とは別に二次会のパーティーをもうけるなんて思っていなかった悟郎。
「せっかくのあいつの晴れの日だ。できる限り良い思い出を残してやりたいと思ってな」そう話す暁に「ホント変わったよ」と悟郎は中学の頃を思い出します。
その頃の暁は冷めた目をしていて友人の悟郎にさえ自分が養子であることも「とくに言う必要ないかと思って」と距離を置かれていました。
一番近くで暁を見てきた悟郎なので、暁にとってふみがどんな貴重な存在かはわかっています。
(オレにはお前の孤独をうめてやることはできないからさ)
(友人として嬉しいと同時に少しさみしい気もするんだ)
(なんてね、俺がこんなこと考えてるなんて知る由もないんだろうな)
そんなことを思いながら1人笑っていると、暁が中学の頃の話を始めます。
悟郎は覚えていませんが、中学の時、国語で800字の小説を書くという宿題がありました。
暁の小説を読んだ悟郎はあまりの面白さに感動し暁に言います。
「てかさ!小説家になればいいじゃん!才能あるよ!暁。」
あれから暁が物語を書くときは、ずっと誰よりもまず悟郎に面白いと思って欲しくて書き続けています。
それは今でも変わりません。
「お前と出会ってなかったら今の俺はここには居ない。まあこれからもよろしくな。」
好きな子と好きな奴が結婚する。
これ以上嬉しい事はありません。
幸せそうな暁とふみを見て、きっとあの2人はこれからも幸せに過ごすから心配しないで、と読者に語り掛ける悟郎。
そして君にも僕にもきっといるはず。
この宇宙のどこかたった一人の誰かが。
感想
最終巻はとても素敵な終わり方でした。
特別なことはなにもないけど、幸せで溢れたこんな生活、羨ましいです!
本編で物足りない分は、番外編で補われていて、登場人物1人1人のその後が丁寧に描かれていて充分楽しめました。
どれも幸せになれるような内容で大満足です!
ネタバレでこの感動は伝わりにくいと思うので、ぜひ漫画の方も読んでみて下さいね♪