さっちゃん、僕は。の最終巻を読んだので結末までのネタバレを紹介します。
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27話から34話|ネタバレ
慰謝料の支払いの為、バイトを探す京。ですが紫乃はそんな事知りもせず。
夫にもあっさりと浮気したことを許され、拍子抜けします。
思えば、最初は些細なきっかけでした。
優しくて仕事も出来て、セックスも上手い、まさに完璧な夫。完璧過ぎたため、いつしか紫乃は夫が自分なんかを愛してくれているのか?不安になります。
結婚指輪を外して彼の顔色を窺ったのをきっかけに、徐々にエスカレートしていき、他の男性への思わせぶりな態度を見せたりもしました。
ですが、夫は嫉妬などせず、逆に肯定してくれることが殆どでした。
そんな時、出会ったのが京でした。
”ちょっと夫に似てるかも”
どうにかしてでも、夫の気を引きたくて、紫乃は京を誘惑したのでした。
そんな関係も今はキレイさっぱり、京も京で彼女とは上手くいってるようで今は心から大切にしようと思ってることが伝わってきます。
今も彼女が東京まで来てくれて、お泊りデートの真っ最中。明日は帰る前に2人で観覧車に乗ろうと約束します。
約束通り観覧車に乗り、東京の夜景を見下ろしロマンチックな雰囲気。
ですが、さっちゃんはそれまでの楽しそうな雰囲気から一編、別れを切り出します。
「京くん、別れよっかぁ」
何度、考え直しても浮気したことが許せない、胸にずっと棘が刺さったように。
「好きだよ。でもこれ以上、一緒にいるのが辛いの」
こうして京の初恋は終わりを告げるのでした。
本当に大切な人を失ってしまったことに絶望する京。
一方、紫乃はたまたま知り合った、夫の同僚から、自分が思っていた姿と全く違うことを知ります。
これまで、夫は自分には全く興味は無いと思っていましたが、同僚からの話は真逆で、妻を溺愛していると有名なのだそうです。
自分の知らない夫の姿に、何か手がかりは無いか?と名刺入れを見てみると、興信所のモノがありました。
それを見てピンと来て、アパートに設置されていた複数の盗聴器を見つけたのでした。
夫の書斎からは示談書のコピーも見つけ、その事を夫に問います。
すると、夫はポロポロと涙を流しながら謝ってきました。
「ごめん・・・僕のことキライになった?」
てっきり、離婚の準備のためにこんなことをしていると思っていたので紫乃は呆気にとられます。
初めて本音を話あった二人はこれまでお互いを想い過ぎるが為に、すれ違いを続けていたのだと気が付きます。
誤解が解けた2人はこれまでの事を水に流し、二人仲良く歩んでいくと決めるのでした。
それとは反対に、京は慰謝料の支払いと失恋のショックから、過労気味にバイトに専念していました。
先日、届いたさっちゃんからの最期の手紙は未だに読むことが出来ず、手元に置いています。
そんな危うい雰囲気を察知した須川が話を聞いてくれたことで、少し元気が出で、手紙を読む勇気を貰います。
手紙の内容はこれまでもらった手紙と同じで、他愛のない世間話が殆どでした。
ですが、節々には彼女が前に進もうという気持ちが込められていました。
もう自分の元へは戻ってこない。気付いて初めて心の底から彼女を愛していたのだと気が付きます。
そして、そんな彼女の為にも、新たな一歩を踏み出し、彼女に別れを告げるのでした。
エピローグ|最終話
-4年後-
慣れた手つきでインターホンを押す京。
出迎えたのは紫乃でした。
中に入ると、夫の要や昨年生まれたばかりの直緒とうい可愛い女の子も居ます。
慰謝料の支払いをするため定期的に国木田家を訪れるようになり、いよいよ2月には完済です。
長い時間をかけて償いをすることで、今では信じられないくらい良好な関係を築いています。
幸せな生活を送る紫乃とは対照的に、京は未だにさっちゃんの事を引きづっていました。
あの最後の手紙にも返事を返そうとしますが、その度に完成しなかった手紙が増え、今では彼女から貰った手紙以上になりました。
それから、更に月日は流れ、京は38歳になります。
何度か女性と付き合うことはあったものの、どれも長続きはしませんでした。
未だに時間が止まったままの京、そんなある日、いつも行く弁当屋のなっちゃんという呼び名の看板娘からデートに誘われます。
向こうは20歳そこそこで、かなり歳の差がありますが、彼女の押しの強さに負けて無理やりデートさせられたのです。
余りに歳の差があるからか、彼女にはまだ引きずっているさっちゃんの話を素直に話せます。
今でも、さっちゃんに似ている人を街で見かけると振り返ってしまう事や、数年前に結婚したことを知ったのに、未だに忘れられないこと。
そんな京に突然、キスをするなっちゃん。
彼女の底なしの明るさに少し惹かれ始めていた京はやっと自分の時間が動き出した気がします。
それから暫くして、バイト帰りにたまたま一緒になったなっちゃんから手紙を渡されます。
その宛名を見ると、良く知る名前が書かれていました。
”国木田 直緒”
まさか、紫乃の娘だったとは・・・
一瞬、固まる京でしたが、これもなるようになるか。と中ば開き直ります。
そこには、これまで抱え続けてきた闇が振り払われたかのような、笑顔を見せる京が居るのでした。
―完―