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Lost Children4話｜不公平
河川敷に到着したランでしたが、巨大な炎に包まれる自宅を見て絶望します。
ですが暫くすると、親父が子供を抱えて飛び出してきました。
大事には至らなかったようで安堵するラン。
しかし、火が落ち着いた頃にこの地域の地主がやってきます。
今回の火災は地主の仕業らしく、ガティアを追い出すつもりのようです。
今まで地主の要求を忠実に守り、つつましく暮らしてきたガティア達でしたが、相手が聞き入れるつもりは無いようで、それどころか周りの住人も集まりだし、石を投げつけてきます。
それに猛抗議したランでしたが、ランの親父は暴力に訴えても何も解決しない！とランを叱ります。
しかし、他のガティア達がすでに我慢の限界らしく、皆武器になりそうな物を手に持ちます。
その内の一人が地主に殴りかかり、大乱闘に発展しそうになったその時、一つの銃声が鳴り響きます。
現れたのはレリーサ・アラムという王族の女でした。
事態の説明を求めるレリーサに地主は自分たちの都合が良いように話ます。
それにランが猛反発しました。
本来なら発言するだけで不敬罪に問われるのですが、レリーサはガティアにも寛大なようで、話を聞き入れてくれます。
実は、ここの住人は地主と約束を交わしていて、彼の畑を耕し、収穫量を上げることでこの場所に住ませてもらっていたのです。
毎年、十分な量を収穫していて、約束を反故にしたことはありません。
レリーサが真偽を問い詰めると地主も本当の理由を話します。
実は先日、同じようにガティアを住まわせていた親戚が、盗賊落ちしたガティアに襲われ、甚大な被害が出たようで、同じようになる前にここの地主もガティアを排除しようと考えたのです。
事情を把握したレリーサはこの地を王族の管轄とし、住居者は各家庭一人、国家事業労働者として従事するように言われます。
安心して暮らせる土地を手に入れて、仕事まで手に入ったガディアたちは歓喜します。
ランは負け続ける人生を少しでも変えようと、ユリに字を教えて欲しいとお願いするのでした。
Lost Children5話｜約束
ユリの家はヘン州一の宝石商会で始国祭では奉納者を担当するほどの、豪商です。
ですが一人息子のユリは引っ込み思案な所があり、学友も居ない生活が続いていましたが、ランと出会って再び明るさを取り戻したと、両親も安心します。
最近では朝早く、ランが住む河川敷へ行き、本を読むのが日課になっており、場所は決まってモーハンさんの店の2階です。
いよいよ、今日はクライマックスを迎えるので、2人ともワクワクしながら本を読み進めます。
そして遂に、ランにとって初めての本を完読したのでした。
今回2人が読んだ物語は実話を元にしていて、その中にはランが全く知らない世界が広がっていました。
中には未開の地の事も書かれていて「行ってみてぇ」とランは素直に思いを口にします。
知らない筈の場所なのにどこか懐かしさを感じる。
2人が何時かその場所に行ってみようと盛り上がっていると、モーハンがやってきます。
「二人ともこの本の事は忘れなさい！行くなどもっての外じゃ！」
理由は大人になれば分かると言われ、店を追い出されてしまうのでした。
しかし、一度興味を持ってしまった手前、2人が簡単に諦める筈は無く、いつか行くことは秘密の約束として、2人の心は心に誓います。
その帰り道、ユリが同じ学校の同級生たちに絡まれてしまいます。
自分の事なら我慢できるランですが、ユリをイジメる姿を黙ってみておくことが出来ず、殴り掛かります。
それがまさか、なんな大事になるとは知りもせずに・・・
Lost Children6話｜クラッシュ
それから暫く、何となくユリと距離を置いていたランですが、街でユリの母親マルールと出会います。
少し話し込んでいると、たまたまあの日ランがボコボコにした相手の母親とぶつかってしまいます。
ランの事に気が付いたその人は、ユリの家がガティアと懇意にしてると、わざとらしく周りに言いまわります。
それでも、マルールはこれからユリと仲良くして欲しいとランに言うのでした。
しかし、変化は突然起こります。
ユリの家の宝石店の従業員が一斉に退職届を提出したのです。
理由は街で宝石店が”反政府ガティア”と繋がりがあると噂されているからでした。
先日の母親があることないこと触れ回っただけなのですが、火の無い所に煙は立たないと言うこともあり、店主は噂の出所を探ります。
それには妻が関わってると知り、急いで家に帰るのですが、タイミング悪くランが訪ねてきていました。
ランを見るなり、猟銃を持ち出し、撃ち殺そうとする店主ですが、マルールが身を挺して守ってくれます。
これ以上、自分が居てはマルールが取り返しのつかないケガを負ってしまうと思ったランは「もう二度とここにはこない」と外へ飛び出します。
そして彼は、この街を去ることを決意したのでした。
3巻に続く
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