東京に突如現れた巨大な塔、バベルを題材にしたトーキョーバベルが完結しました。
全3巻とサクッと読めるボリュームなので、無料で読む方法や結末までのネタバレを紹介します。
ネタバレ不要の人は下のリンクを使って下さい。
15話から最終話|バベルの結末
本性を現した奈月たちは、残ったメンバーを拘束します。
元仲間だった人間も実験して天使にしてしまうほど、狂った考えの持ち主です。
大牙たちに対しても、先にさらなる絶望が待っていると知って、送りだしていました。
しかし、海は奈月たちの事を完全には信用しておらず、策を打っていました。
見えない場所に光と文字を書いておき、何かあったときに時間差で発動させるつもりだったのです。
出発してからはすでに半日が警戒していますが、リュウからすれば、垂直の穴などエレベーターに等しく、すぐさま先鋒として到着します。
状況を見るに、戦闘する以外無いと判断し、実体化の力を使い戦います。
常人離れした身体能力と実体化の力が合わさり、とんでもない強さを発揮しますが、相手には人質を取られており、大人しくするしかありませんでした。
ですが、リュウに焦った様子はありません、それどころか敵に忠告します。
「あんまり先輩を怒らせない方がみのためっすよ」
上で大牙が言った「すぐに追いつく」という言葉を信じて疑わないからです。
その、言葉通り、大牙は強引な手ながらすぐに追いついてきます。
爆風で敵をのけぞらせ、リュウと力を合わせ一気に人質を解放します。
完全に形勢逆転しますが、奈月はまだ諦めるつもりは無いようで、壁に穴を空け天使たちを呼び込みます。
大牙たちに天使を差し向けている間に、自分たちは上の階へと逃げ出すのですがそこで、美形の青年に出会います。
「きみ、調子乗り過ぎだよ・・・僕の塔で」
現れたのはバベルの創造主たる神でした。
奈月が実験に使っていた天使に他の天使を取り込ませ、見たことも無いような巨大な天使を作り上げます。
仲間が次々と殺され、一人残された奈月、頼る相手は大牙たちしかいません。
お人よしの大牙はそんな奈月にですら、手を差し伸べ、仲間と共に大天使と戦います。
大天使は生前の怨みからか、執拗に奈月を狙うので、彼女を囮にしてみんなが持てる力を合わせます。
リュウが木で敵の攻撃を防ぎ、海は光で敵の目を眩ませる。
ノドカは弓で水生の文字、油を敵に縫い付け、そして大牙の炎が敵を飲み込みます。
その結果、大天使は動かなくなり、皆は危機を乗り越え安堵するのでした。
ですが、その油断が命取となり、死にかけの大天使にリュウが食い殺されてしまいます。
自分の無力さを怒りに代え、バベルをにらみつける大牙。
「返せ・・・リュウを返せ・・・還せ!!」
次の瞬間、大天使は巨大な火の鳥に焼き殺され、炎が収まると再生されたリュウが生き返ったのでした。
その光景を影で見ていた神は、彼こそが待ち望んでいた人材だと確信します。
「西原真白に会わせてあげる・・・僕と上においで」
ただし、上に行けるのは大牙一人だけ、明らかに罠と知りながらも”上に来い”という姉の言葉を信じてそれに従います。
神と共に転移した先は地上5キロという雲の上の世界でした。
そこには、自分の本体だと言う年老いた神の姿がありました。
生まれてから寝たきりの彼は、有り余る時間を使い、目から入る情報で色々な想像をします。
そしてある時、脳内に”ようこそ記号世界へ”というメッセージが流れ、実体化の能力を手に入れます。
実は実体化は文字で書かなくても行えて、その能力に開花するために特化した施設がこのバベルでした。
何でも作り上げることが出来る彼が唯一作れなかったもの、それが生命です。
今まであまりにも少ない経験しか無く、どれだけ試行錯誤しても出来上がるのは出来損ないの天使ばかり。
だから彼は、蘇生の能力を持つ者を探すことにします。
大牙に目を付けたのは、彼の姉である真白が他の挑戦者たちとは桁外れに優秀だったからでした。
自力で頂上までたどり着いたものの、神の力には敵わず、そこで殺されてしまいました。
死体はモンスターにされており、すでに再生は不可能だと告げられます。
「君が僕を再生しろ!僕が死ねばこの塔は無くなり、仲間も全員死ぬ」
姉の死を知り、仲間を人質に取られる大牙に一つの声が聴こえます。
”上に来い・・・そしてこの悲劇・・・バベルを止めろ”
大牙の身体からあふれ出る不死鳥の炎、しかし大牙が神を再生することはありません。
「お前は大勢の命を弄んだ。その報いを受けろ」
神の本体の延命装置を着ると、とたんに力を失い、すぐに消え始めます。
時を同じくして、バベルも消えていくのでしたが、大牙は最後の力を使い、バベルを誰も居ない塔へと作り替えます。
そして、最初に殺されてしまった彼女を自分の命と引き換えに生き返らせるのでした。
塔の外で目を覚ましたリュウ達。
そこに大牙の姿は無くとも、リュウは悲しみません。
「生きて戻ると約束した。先輩はやると言ったらやる人だ・・・必ず生きてる!!」
-完-