椿町ロンリープラネット11巻

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前回、畝田さんのことで言い合いになった暁とふみでしたが、金石のおかげで無事仲直りすることができました。
暁はふみの唇にキスをして、何もしないからと、朝まで抱きしめてくれます。

互いの想いを確かめ合い、不安が溶けていき幸せいっぱいのふみですが・・・?

11巻|ネタバレ

年越し、おせちを作るふみ。

「正月を誰かと過ごすのは久しぶりだ。」

暁は最近よく笑うようになりました。

洋ちゃんに誘われて、ふみ、暁、相生の4人で初詣でに行くことに。

ふみは暁と2人になった時、さりげなく暁の家族について聞くのですが、その場では話してくれませんでした。

先生、私にはまだ言いたくないんでしょうか。

人混みのせいでふみ&相生、暁&洋ちゃんのペアではぐれてしまいます。

携帯も繋がらないので、ふみたちはとりあえず鐘のところで待っていることに。

「つーか、はぐれて良かったのかも。本当は俺と2人が嫌だったのかもだし。」

告白の返事も、プレゼントを渡した時もスルーされた相生は、洋ちゃんに対してネガティブになっていました。

そんな相生にふみは、「もう一回告白の返事をきくのは?」とアドバイスをするのですが、相生はあまり急かしたくはないと思っていました。

一方的に気持ちを押し付けてるようで嫌なのです。

相生の気持ちがよく分かるふみ。

暁のことをもっと知りたい反面、それは本当に理解したいからなのか、それともただ自分が知っていたいだけなのか、それはただのエゴなのではないか、と色々考えてしまうのです。

好きだから知りたいけど、好きだからふみこめないのです。

一方、ふみたちを探す暁と洋ちゃんは、相生の話題に。

洋ちゃんが相生を気になっているのは一目瞭然なのに、暁は何故付き合わないのか疑問でした。

しかし別にあそんでいるわけではありません。

洋ちゃんは、付き合ったら何かが変わりそうで怖いのです。

「私ってガサツで口も悪いじゃん!?だからもし付き合って失望したらとか、嫌になったらとか思うと、自信なくなっちゃうっていうか・・・。」

その時、遠くの方にふみと相生を見つけます。

笑顔で手を振るふみを見て笑顔になる暁。

「信じてみたらいいんじゃないか。お前に惚れるような奴だ。懐の深い奴かよっぽどの変わり者だろう。そんな奴がちょっとやそっとで心変わりするとは思えん。」

本当の自分を見せるのは、誰だって勇気がいることなのです。

好きだから踏み込めないのは、みんなきっと同じ。

その頃、ふみも相生に「洋ちゃんからの返事待ってみてもいいかと」とアドバイスしていました。

「時間がかかるってことは、きっとそれだけ真剣に考えてる証拠ですから。相手の準備が整うまで今はのんびり待ちましょう。」

その時、ふみは階段から足を踏み外してしまいます。

相生が支えたおかげで怪我無く済むのですが、それを見ていた洋ちゃんはもやっと。

それからみんなでお参りをして、ふみと洋ちゃんはお守りコーナーへ。

暁はふみがお守りを買おうとするのを引き留め、代わりに相生にパスを送ります。

ふみと2人きりになった時、暁は自分の生い立ちを話してくれました。

「初詣では久々だ。父親が生きている頃は毎年行った。と言っても、その人が父親になったのは俺が6歳の頃だ。うちはちょっと複雑でな。」

3歳の時、施設に預けられた暁。

本当の両親のことはあまり覚えておらず、唯一思い出せるのは夜起きるといつも一人だったこと。

6歳の時に今の両親にひきとられ、2人とも晩婚だったため一緒にいるとよく祖父母に間違われていました。

12歳の時、義父が亡くなり、義母と2人に。

もともとあまり義母に好かれていなかった暁は、高校を卒業して家を出て以来、ほとんど実家には帰っていません。

だから正月も初詣も大晦日も、家族ごとにはてんで疎いのです。

暁の悲しい生い立ちを聞いたふみは、なんて声をかければいいのか分からず何も言葉が出てきませんでした。

私なんて比べものにならないくらいの世界で、先生はずっと・・・。

帰り道、ふみと暁と別れた後、洋ちゃんは相生に告白返事を返します。

「もう少し一緒に居たいなーなんて。相生の事す、好きかもって意味で。」

「ま、まじで?やべえまじか、完璧想定外・・・。」

そうして洋ちゃんと相生は付き合うことに。

一方、暁は家に帰り、ふみに京都土産に買ったお守りを渡します。

とても嬉しいふみですが、なぜ今頃?

暁は自身がなかったのです。

土産物一つにしても、自分のことについても、何ひとつ。

家のことを話さなかったのは、言ってふみに何か背負わせるのが嫌だったから。

そして自分が実の親にも捨てられ、残された義母ともうまくいかず、誰にも必要とされていない、そんな価値のない人間だって、ふみに言うのが恥ずかしかったから。

全てをふみだけに話してくれた暁。

ふみは泣きながら暁を抱きしめます。

父に似て人より大きいことがコンプレックスだったふみですが、今はそのことに感謝していました。

こうやって暁を抱きしめることができるから。

「私には先生がなにより大切です。それだけじゃ不十分でしょうか・・・?」

暁は「若いな」と言いふみを抱きしめ返します。

ふみは暁のために何かしてあげたいと考え、サプライズ誕生日会を開くことに。

みんなで準備をしてサプライズは大成功!

と思っていたのに、暁の誕生日は1月ではなく10月(2ヶ月前)だったのです。

まさかの間違いに大爆笑の暁。

偽誕生日会となってしまったのですが、暁の笑顔を見て「まあいっか」と思うふみでした。

大晦日から一連の行事が終わり、春。

3年生のふみたちは、そろそろ進路を決めないといけない時期です。

進路の話はさておき、ふみたちは恋愛の話題に。

ふみと暁がもうキスをしていることに洋ちゃん&鞍月はびっくり。

しかしそれ以降していないことに気が付くふみ。

心なしか迫ってくる回数も減ったような気がして、ふみは自分に女としての魅力がないのでは?と不安になっていました。

先生に触れたいし、同じように私にも触れたいと思って欲しい。
こんな気持ち、付き合いたての頃にはなかった。

ふみは勇気を出して暁の寝床へ。

「今日、一緒に寝てもいいですか?」

しかし暁の返事は「ダメだ」の一言でした。

一度は引き下がるふみですが、納得いかず本心を打ち明けます。

「私だって先生に触れたいし、くっつきたいんです!それとも私はもう彼女として魅力ないですか・・・?」

そんなふみに暁はキス。

「人が我慢してるのにお前って奴は。」

暁だってもっと触れたいし、その先もしたいと思っています。

けど、あえてそうしないのは、ふみとの関係を大切にしたいから。

でないとふみの親にも顔向けできません。

暁の気持ちを知って不安がぶっとんだふみ。

結局その日は、一緒に添い寝をしてくれました(腕枕付き)。

寝坊してしまった翌朝、チャイムの音で起き、玄関に出るとふみの父がいました。

帰ってきた父と暁が対面し・・・!?

12巻へ続く

感想

今巻で暁先生の生い立ちが明かされています。

先生の生い立ちは想像していた以上に悲しいものでしたが、今はふみのおかげでとっても幸せそうで良かった。

誕生日サプライズの時の先生の笑った顔の破壊力やばかったです。

最初は不愛想だったのに、本当によく笑うようになったなと。

そしてついに洋ちゃんと相生くんが付き合おう事になりました。

こちらのカップルも負けず劣らず好きなので、今後も楽しみ。

なんか初々しくてニヤニヤしちゃう(*ノωノ)

次巻、ふみの父が帰ってきたことでまた面白い展開期待しています!

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