漫画、虚構推理の9巻ネタバレあらすじを紹介しています。
漫画版を読みたい人は1冊丸ごと無料で読む方法も紹介しているので下のリンクから使ってみて下さい。
ここからはネタバレ紹介です。
9巻には全3話収録されており琴子の高校時代の話が1話。
ギロチン三四郎という事件ものが前編後編で2話あります。
今回はこのギロチン三四郎をピックアップして紹介していきたいと思います。
21話22話|ギロチン三四郎
森野 小夜子は人には言えない秘密がありました。
ある日、その秘密を知る協力者が逮捕されていることをニュースで知り、自分にも捜査の手が及ぶのでは?と恐怖します。
ですが小夜子の予想とは違い、その協力者、宮井川 甲次郎は自首したと報道されています。
事件の内容は口論の末に殺してしまった義理の弟を自身の屋敷に所有していたギロチンで首を切断するというおぞましいモノでした。
「本当に人間の首を切り落とせるのか試してみたかったのです」
と甲次郎は報道陣に語りました。
結局、事件から1カ月が過ぎても小夜子の元へ警察が来ることは無く、一安心したのですがそんな時、偶然に電車の中で九朗と琴子に出会います。
琴子は九朗の隣で眠っており起きる気配はありません。
小夜子は何故だか琴子に惹かれるものを感じて見とれてしまいそれに気が付いた九朗が声をかけます。
簡単に自己紹介をして彼女はイラストレーターだと言うことが分かります。
作品に特徴があり、招き猫がモチーフになっているようですがその組み合わせが変わっています。
招き猫を廃虚に置いた絵だったり切り立った崖やひしゃげたガードレール。絞首台や電気椅子と一緒に書かれているものもありました。
どれもが穏やかな気持ちにはなれなさそうな空間ですがそこに真新しい招き猫がいると妙に明るいのんきな空気を醸し出しています。
琴子にもその招き猫がそぐわない印象を受けたという彼女。
そんな琴子をスケッチしたいと言うので許可を出す九朗。
スケッチしながらも世間話をします。
九朗が疑問に思ったのは処刑装置として最も有名なギロチンのイラストが無かったこと。
それを詰められると彼女は嫌そうな顔をします。
度々は無しをそらそうとする小夜子でしたが九朗は本題に入ります。
「付喪神というモノをご存知ですか?」
百年という長い年月を経た古い道具には霊が宿り意志を持って動きだすというものです。
今回二人は宮井川の屋敷にあったギロチンから依頼を受けて小夜子を探していたのでした。
小夜子も関りがあると思われる宮井川の事件、そこに付喪神となっているギロチンも当事者としていたのです。
ギロチンの付喪神は「警察に捕まった甲次郎氏の言動に納得がいかない」真相を解明してほしいと言ってきました。
ちなみにそのギロチンの名前は三四郎。
九朗は事件の当事者しか知りえない情報を次々と話していきます。
三四郎が疑問に思っていることは甲次郎が捕まる直前に「これで大丈夫なはずだ」と言ったことと「ギロチンで人間の首を切ってみたかった」と嘘をついたことです。
何が大丈夫で何故嘘をつくのか?
その答えは小夜子も関わった10年前の事件にありました。
小夜子の父がまだ甲次郎の屋敷で庭師として真面目に働いている頃。
父が忘れたお弁当を届けに行った小夜子はとある部屋に置かれているギロチンを見つけます。
その近くには招き猫も置かれておりそのアンバランスな感じが気に入った小夜子。
甲次郎も自分と同じ感性を持つ小夜子を嬉しく思いまいした。
それから二人は年齢差を超えた友人関係になり小夜子は甲次郎の美的感覚に影響を受けます。
話を聞き進めるにつれて徐々に顔色を悪くしていく小夜子。
その場に耐え切れなくなって思わず電車を飛び降りてしまいます。
ですが霊を味方に付けている二人から逃げられる筈も無く、とある神社で追いつかれます。
「すみません怖がらせるつもりは無かったのですが」
琴子も目を覚まし今度は彼女が事件の真相に迫ります。
実は甲次郎がギロチンで人間を切ったのは初めてでは無かったのです。
三四郎曰く、甲次郎が初めてギロチンを使ったのは約10年前。
その時は首だけでなく腕や足、全身バラバラにしたのだと言います。
そこに居たのが小夜子でした。
父に日常的に虐待を受けていた小夜子はある夜、耐え切れなくなり近くにあった包丁で父を殺害してしまいます。
気が動転した小夜子は懇意にしてもらっていた甲次郎を頼りました。
小夜子に同情した甲次郎は死体処理に協力します。
以前からギロチンを使ってみたいと思っていた甲次郎は死体処理に使えることをすぐに思いつきます。
バラバラにしたものは何日もかけて数十か所に隠し事件は闇へと葬られます。
小夜子は宮井川と縁を切るように言われ村からも出て行きました。
ですが先日、別の事件で甲次郎が捕まり気が動転した小夜子。
しかし甲次郎はそんな時も小夜子の事件が明るみに出ないように、わざわざ義弟のクビをギロチンで切断したのでした。
真実を知った小夜子、そして甲次郎は小夜子のイラストも楽しみにしていました。
「また今回もギロチンは無しか」そう悲しそうに呟いていたこともあったようです。
全ての真相を知った彼女はギロチンに招き猫が写った新作を発表するのでした。