ランド(山下和美)7巻のネタバレ感想と、漫画を無料で読む方法を紹介しています。
「あの世」に来てから7年。
「あの世」の生活に何とか適合してきたアン。
しかし「オレはオレ以外の何者でもない」という言葉を見て、非常に強い感情に襲われます。
さらに双子ゆえか、「この世」にいる杏のピンチも感じ始めて・・・?
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ここから7巻のネタバレです!
45話|懐疑
「オレはオレ以外の何者でもない」
その言葉が頭から離れないアン。
アンは友達に「こんな世界ってあると思う?」と”この世”での話を話します。
山々にぐるっと囲まれた盆地で
そこに住む人々は外の世界を知らず
東西南北に巨大な像が立っていて
みんなそれを四ツ神様と拝め
四ツ神様が囲む結界から一歩でも外に出ると
死んでも「あの世」へは行けないと信じ
飢饉のときは異形の子を生贄として差し出す
話を聞いた友人2人はその話を否定します。
今の時代でそこまで閉ざされた場所は聞いたことないし、そんな場所の人達がいたとしても誰かしら興味を持ち接触を図るはずなので、まず有り得ません。
「とにかく私は無理!捧げ物として殺されるとか考えただけでゾッとしちゃう。」
そんな友人の感想にアンは険しい表情を見せます。
マキはアンが考えた漫画や小説の設定を否定してしまったと反省するのですが、山之内はそうは思いませんでした。
(もしもさっきアンが言った世界が、実際に中学以前のアンのが暮らしていた世界だったとしたら・・・)
アンは今までひたすら「あの世」に合わせようと努力してきました。
「この世」生まれと悟られないように必死に勉強しました。
なのにみんなは「この世」を知りません。
(オレは忘れない)
(オレはこの世で生まれてこの世を生きた)
アンは教育係の城崎に、今「この世」がどうなっているのか質問します。
しかし城崎は何も知りませんでした。
「あの世」では時を止めることが当たり前の世界です。
止めるか止めないかは本人次第ですが、みんないつまでも若くいたい為、時を止めます。
生きながら時を止めることが出来る。
一番きれいな瞬間を永遠に。
それが「ランド株式会社」なのです。
アンは和音と天音に「この世」のことを聞こうとするのですが、2人とも今はまだ教える気はありません。
悩めるアンの中で膨らむ「この世」への想い。
「この世」とは何か?
それを探るアンは、ついに天音が残したスケッチブックを開きます。
46話|憤懣
人を脅かしその心を支配した神。
あの四ツ神様がスケッチブックには描かれていました。
「オレたちを作ったのは、お前ら2人か?」
「オレは生贄として一度殺された。オレを生贄にした奴らの生みの親はお前らか?」
「だったら?」と声を揃える双子にアンは殴りかかろうとします。
しかし生贄というのは「この世」の人間が勝手に始めたこと。
2人は場所を提供し「この世」を管理しているだけ、それだけなのです。
「お前たちだけのルールをお前たち自身が作って、はみ出した者たちを排除したんだ。」
「すべてお前たちが勝手に始めたんだよ。」
その頃、杏は無罪で放免され家へと帰ります。
途中、町では指を刺され人々から罵声を浴びせられます。
下を向き歩く杏をモニターから見ていた蓮華は、昔の捨吉を思い出します。
希望などという言葉は微塵も知らなかった頃の捨吉です。
(ここからは捨吉の過去)
地下で文字の勉強していた時、思い立ったように捨吉は「家に行きたい」と言い出します。
蓮華に許され生まれた村を訪ねる捨吉。
捨吉は自分を生贄として差し出した親を殺すつもりでした。
何故ならあの時からずっと思っていたことだからです。
(こいつら殺してやる)
(絶対に)
家に行くと死にかけで寝たきりの両親と飢えた娘(捨吉の妹・真理)がいました。
捨吉は刃を抜きとどめを刺そうとします。
しかしその時、若い女性がやってきました。
「お知り合いでしたら声かけてあげて下さい。」
彼女・ルツは村八分にされている家族をなぜか甲斐甲斐しく世話をしていたのです。
47話|初源
殺意を向ける先を失ってしまった捨吉。
村では生贄の生存者が帰ってきたと噂は広がっていました。
ある日、捨吉が大きい鹿を狩り持って帰ってきました。
ルツは弱って肉が食べられない捨吉の両親のために、肉と米を交換して欲しいと村人に頼みます。
しかしルツの父親は大反対し激怒します。
「そいつが前から言ってた生贄から生き残って獣になったガキだ!」
関わるなと忠告する父親ですが、ルツは言うことを聞きません。
「食べ物がなくて死にそうな人がいるのに、何もしないなんて聞いたことがないわ。」
「お肉とお米を交換してください。」
村人や両親からやいやい言われているルツを木の上から見ていた捨吉は、ルツを助けようと村人の1人に襲い掛かろうとします。
それに気づいたルツは大声で「ダメ!」と叫びます。
ルツのおかげで捨吉は人を殺さずに済みました。
モニターでその様子を見ていたあやめは蓮華をひっぱたきます。
「私はこれを恐れていたから捨吉を外に出さなかったのよ!責任を取りなさい。」
ルツと捨吉は村人に拘束され名主様(あやめ)の元へ連行されます。
48話|権力
ルツと捨吉の裁きを求める声が飛び交う中、あやめは刑罰を言い渡します。
「神命により捨吉には子捨ての役を命じる。」
死罪か、よくても生贄だと思っていた村人たちはざわざわ。
「こやつは捧げられる赤ん坊を運ぶために生きねばならぬ!死罪など軽すぎる!」
「我が子を捧げる皆のものの念を背負って生きよ。それが神命である!」
ルツはお咎めなしでした。
弱ってる人間を面倒見ていただけだからです。
あやめの言葉に村人たちは納得し、捨吉をめぐって起きた騒動はこうして収拾することができます。
捨吉は子捨てをする代わりに、好きなところに住むことに。
蓮華は捨吉に近づき耳打ちします。
「お前には私からも刑を申し渡す。しかもお前はそれを誰にも言えない。」
蓮華が捨吉に与えた刑は「死ねない刑」でした。
(現在に戻る)
蓮華は父・天音から「ランドも戻ってこないか?」と連絡があります。
今更戻る気などない蓮華ですが、天音の「もっと生きられるかもしれない」という言葉を聞き目の色を変えます。
「私だってこれ以上老いるのは止めたい。お前もだろ、蓮華。」
蓮華は一旦「あの世」へ戻ることを決めます。
49話|鬼胎
「この世」で成りあがることを目指していた平太。
今彼の心を占めるのは、文字と杏でした。
杏に教わった「ひらがな」を辿ってみると、時々何かが浮き上がってきます。
(海ってなんだ?)
(海は遠い所にあるのか?)
そんな中、贄の儀式が始まります。
蓮華が「あの世」へ戻っている今、役目は鹿面と狐面が承ることに。
捨吉が死んだとなっているので今回次の子捨ての役を選ばなければなりません。
すると平太が自ら名乗り出ます。
「やらせてください。名主様のお役に立ちたいんです。」
そうして平太は子捨ての役に決定します。
平太がこもって文字の勉強をしていると、杏が帰ってきて色々と教えてくれました。
平太が子捨て役をやると知った杏は大反対します。
その頃、蓮華は天音が主催するパーティー会場にいました。
母・あやめの七回忌パーティーだと知った蓮華は会場で大激怒。
「七回忌はパーティーじゃないのよ!ドンチャン騒ぎはやめなさい!」
蓮華は天音を連れ人気のないところへ。
「私たちも止められるんでしょ、齢をとるのを。それを聞きに来たのよ。」
期待していた蓮華ですが、天音が電話で言ったことは嘘でした。
本当は全てを克服するにはまだまだ時間がかかるのです。
「死ぬのを恐れなかったのはあやめだけだった。」
「あやめは選んだんだ。僕と共に齢をとることを。でもあやめが先に逝ってしまった。」
天音は全てが始まったあの日の話を語り始めます。
50話|胚胎
小さい頃から天音は自分が死んでなくなるのが怖いと思っていました。
(和音が先か、僕が先か)
(天国がこの世の続きでありますように)
高い所に行けば天国が見えるかもしれない。
子供だった天音と和音は同じことを考え、あるビルの最上階へとエレベーターで昇ります。
その時でした。
大きな揺れと共にエレベーターが止まり、浸水してきたのです。
天音は助けられるまで分かりませんでした。
それが地震だとか、津波だとか。
ただ分かったのは、シワシワな人もスベスベの人も死ぬときは死ぬということ。
(大地の上ではアリも人もおんなじだ)
どんなに技術進化しても、人は絶対的な力の前では無力なのです。
幼かったあの日からそのことを考えなかったことはありませんでした。
それでもあがいてここまできましたが、結局はあの波に引き戻されてしまうのです。
「僕たちは必ず死ぬ。早いか遅いかそれだけだ。」
パーティーの帰り、蓮華は偶然アンに会います。
アンは蓮華のことを覚えていました。
蓮華はアンに言います。
「私たち親子は死んでいく。だけど、あなたたち親子はずっと生きていくのね。」
父・捨吉が生きていると知ったアンは・・・!?
8巻へ続く
感想
今回、過去編で杏たちの母親・ルツが登場しました。
すごく杏に似ていて登場して一瞬で杏の母親だなと分かりました。
杏は母親似で、アンは父親似だな。
徐々に謎が明らかになってきてはいますが、まだ謎は多いままです。
なぜ蓮華は老いるようになったのか?
この世を作った目的はなんなのか?
ここまでくると一度最初から読み返したくなりますね。
ネタバレではわかりにくいと思うので、ぜひ漫画の方も読んでみて下さいね♪