マトリズムの最終巻が発売されたのでさっそく読んでみました。

全10巻で今回で遂に麻取の草壁の妹の話が完結します。

ではさっそく書いていきますね。

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90話から最終話|ネタバレ

売人であるアオヤギの行方を追っている草壁たち。

そこで浮上してきたのはA市で起こっている死体遺棄事件です。

7年で3件も起きており、そのどれもが薬物絡みの事件でした。

一つ一つ、噂話程度のレベルからアオヤギに繋がらいそうな話を調べていくと、一人のバイヤーにたどり着きます。

大麻の種子や栽培キットを販売している男で一部の客からはサイバイさんと呼ばれているようで、そんな客の一人である軽部路彦も、妻に熟年離婚を迫られたストレスから大麻栽培を始めます。

仕事もすでに定年しており、何もかも失ってしまった男が唯一夢中になれたのがそれだったのですが、草壁たちが売人を逮捕したことで、軽部の元にも逮捕状が出されたのです。

結局、売人からの情報で芋づる式に3人逮捕しますが、どれもアオヤギに繋がることは無く、捜査は振り出しに戻ってしまいます。

ですが草壁は諦める気は無いようで、新たな手掛かりを探します。

一つ、気になる情報としてサイバイの顧客リストに1人、田中という名前の飛ばし携帯を使っている人物が居ました。

ひと昔前なら身分証の必要が無いプリペイド携帯で多様出来ましたが今は登録が必要で素人には中々難しいからです。

草壁が捜査を進める間もアオヤギは売人行為を繰り返して、薬物を世にバラまいていました。

麻取が自分の事を追ってるとの情報も入ってきているようですが、特に焦りは見られません。

草壁は田中の使っていた携帯の発信源を突き止め、その場所へと向かいます。

しかし辿りついたアパートで田中と思われる人物はすでに殺されていました。

部屋にたどり着く前にフードを被った男とすれ違っていた草壁はその男こそがアオヤギだと感づきます。

今一歩の所で繋がっていた細い糸が切れてしまい、アオヤギとつながる線は立たれてしまいます。

情報源はタレコミに頼るしか無く、捕獲した人間や情報屋からのネタを一つずつ丹念に精査していく日々が始まります。

何故、草壁がここまでアオヤギにこだわるのか?それは10年前に死んだ妹が関係していました。

自宅マンションで死んでいた妹。第一発見者は草壁で、妹には前日、相談したいことがあると連絡が入っていました。

妹からの相談事なんてレア中のレアで、時間通りに尋ねると薬物の過剰摂取で死んでいる妹が居たのです。

部屋に散乱していた薬物の出所を探るうちに一人の売人にたどり着きます。

”アオヤギ”

結局のところ事故死として処理された妹でしたが、草壁にはその真相を確かめる義務があったのです。

それから一か月後、待ちわびていた糸がやっと垂れてきます。

近隣住民がアオヤギのブツを拾い警察に届け出たのです。

前からいつもフードを被っている男を怪しんでいたので草壁も用意にその男がアオヤギだと特定でき、すぐさまそのアパートに向かいます。

ちょうど外出するつもりだったのか、玄関を出てきたアオヤギと鉢合わせてしまいますが、アオヤギは暴れる素振りは見せず「いつかはこうなると分かっていた」と落ち着いた様子です。

草壁は10年間、抱え込んできた妹の事を訪ねます。

しかしアオヤギがそんな事覚えてる筈も無く、今の今まで薬物はいろんな奴に売りまくってきたと話ます。

もちろん罪悪感なんてかけらも無く、復讐したいなら煮るなり焼くなり好きにしろ。と開き直る有様です。

「お前は心底、根本から終わってる。不憫だな」

殴ることも無く、怒ることも無く、ただ哀れみを向ける草壁。

こうして、彼の長い長い一つの戦いに決着がついたのでした。

―完―

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